本日は
社中の三名の方に
盆点の相伝をさせていただきました
半東は
これまで18年稽古に通って下さっている
Mさんにお願いしました
早朝4時半
茜色に染まる彩雲が
本日の相伝式を祝福しているようでした
今回正客をつとめていただいた方は
12年前に稽古場に入門され
帛紗捌きからお稽古を始められました
この12年の間に
女の子をご出産され
生まれたばかりの赤ちゃんを連れて
稽古場に挨拶に来られたのが
ついこの間のことのような気がします
次客に入られた方は
以前に習っておられた先生が
ご高齢になられたとのことで
2年ほど前に当教室に移って来られました
前の先生には
随分長くご指導をいただいていたようで
台天目のお免状までお持ちでしたが
この度
盆点を申請いただくにあたっては
その先生にもご挨拶に行っていただき
お許しを受けました
彼女をここまで育てられたその先生の思いと
指導を引き継いだことの責任を感じながら
相伝させていただきました
お詰には
11年前にやはり帛紗捌きから
お稽古を始められたSさんにお入りいただきました
彼女との出会いは
私が以前に出版した1冊の本がご縁でした
その時は
まさか彼女がお茶を始めるとは
思ってもいませんでした
ところがその後
不思議な偶然が重なり
ある意味導かれたように
彼女はお茶の世界に誘われることとなりました
そして
気づいたら表千家の最終許状の盆点を
いただくところまで
やってきたことに
ご本人が一番驚いているようでした
「一より習い十を知り
十より返るもとのその一」の
歌のごとく
これから「もとのその一」に返ってゆく
新たな道が
今日の三人の眼前にどこまでも続いています
ともに
その道を歩めることを
私もとても嬉しく思い
また
誇りと思っております
茶事のほんの一部分ですが
ご高覧いただければ幸いです
席入り後
すぐに相伝をさせていただき
御許状を手渡しいたしました
主菓子 花すいれん 鶴屋吉信製
干菓子 御所氷室 鶴屋吉信製