『花晨月夕』
(かしんげっせき・・・あしたに花 夕べに月)
東大寺清水公庸師
花の咲き始めたく春の早朝と
月の美しい秋の夕べを
それぞれに楽しむこと
(「茶席の禅語大辞典」より)
春には春の楽しみを
秋には秋の楽しみを
それぞれにしっかりと味わいなさい
ということなのでしょう
因みに
陰暦二月の異称を「花朝」と言い
陰暦八月の十五夜を「月夕」と呼ぶそうです
一年に季節があるように
人生においても
春夏秋冬と言える時期が
めぐって来ます
この春 入学 就職 結婚など
新生活をスタートされる人は
正に”人生の春”ですね
そこには 幾ばくかの不安や苦労もあると思いますが
春ならではのわくわくした喜びがたくさんあります
人生の折り返し点を過ぎ
子育てを終えたり
会社を退職されたりなさる方は
”人生の秋”を迎えていると言ってもよいでしょう
そこには 一抹の寂しさもあるかもしれませんが
やはり 秋ならではの
果実を受け取るような楽しみ方があるはずです
人生のどんな場面に立っていようと
その折々の風景の中に
楽しさや喜びを見つけながら
時の流れの中で
心豊かに過ごしていきたいものです
抱清棚 薄茶 総飾り
主菓子 山笑う 鼓月製
干菓子 松風 正観寺丸宝製