1月3日の今日は
朝食をすませた後
重箱などを片つけて
そろそろ初釜の準備を始めなければと思いながら
暮れに届いていた同門誌を開いて
眺めておりました
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昨年秋に行われた
追善法要茶会の写真を拝見し
当日のことをあらためて思い返していました
その時
ふと1枚の写真に目がとまり
思わずはっと息をのみました
ノンコウ作
御紋茶碗
紀州徳川家より
江岑が拝領したその茶碗は
これまでにも北山会館で拝見したことは
あったかと思いますが
法要茶会の当日は
350年の遠忌に際し
あらためてその重みと有難味を感じつつ
しみじみと拝見しておりました
その折りに
たまさか隣にいらした
二人連れの方が
突然お声をかけて下さいました
そのお方は
神奈川県支部の方だそうで
映画『日々是好日』の
お茶会のシーンの撮影に協力されたのだそうです
そして初対面の私に
「あなたはまだ若いから
これからどんどん頑張って!」
と仰って下さいました
「そんなに若くないです・・・」と
申し上げようかと思いましたが
そのお方からすれば
確かに私はまだまだ若輩です
「ありがとうございます・・・
頑張ります!」と
お答えさせていただきました
ほんの一瞬の会話でしたが
同門誌の写真を見て
その時のことを
鮮明に思い出しました
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宗心宗匠はこの本の中で
次のように書かれています
茶人として選ばれた茶道社会の
構成員となることは
文化の創造に連なることであり
茶道社会をより高い質のものにすることが
現代茶人としての責務です
以前この文章を読んだ時は
自分にとってはあまりにも
おこがましく人ごとのように思われて
さらっと読み飛ばしていた気がします
しかしながら
時の経過と共に
少しずつ「茶人」としての自己を
意識する場面が増えてきた今
あらためて「自覚」することの
必要性を自分に課してみようと
思うに至りました
そんな折りに
偶然載せていただいた
同門誌の1枚の写真・・・
私にとっては
何か大きな啓示のように感じられ
身の引き締まる思いで
しばし見つめておりました