昨日は予報どおり
お昼頃から冷たい雨が降り始めました
午後五時からの席入りでは
雨の中 庭をお通りいただくのは忍びないと
ほとんどあきらめていました
ところが
思いがけず席入時刻には
一旦雨足が止まり
無事に手燭の交換もできました
灯りのことばかりに気をとられ
何かと拙いことだらけの茶事でしたが
私のお茶人生において
記憶に残る一ページとなりました
「心外無別法」
東大寺長老寛秀師
短檠
まずは何はともあれ
お寒い中ようこそ・・・
流し点てにて前茶のもてなし
初炭 狸香合
懐石
鰆
鴨 海老芋
からすみ くわい
雲丹
蕎麦薯蕷 俵屋吉富製
後座の床には
払子をかけました
払いきれない煩悩を
少しでも払うことができますでしょうか
濃茶
灯芯と和蝋燭の灯りの中
茶碗にはくお茶の量
柄杓で注ぐお湯の量は
目ではなく
心で量るのだと感じました
後炭の後
座布団 手あぶり 煙草盆をお出しし
くつろいだ気分でお薄を召し上がっていただきます
干菓子 薄氷 五郎丸屋製
最後は
お正客のはからいで
亭主相伴をさせていただきました
お名残惜しい気持ちで
皆様をお見送りする頃には
既に日付が変わっておりました
「夜道に日は暮れない」と申しますけれど
皆様が無事にお家に着かれることを祈りつつ
感謝の思いいっぱいで
一会を終えさせていただきました