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「薫風自南来」
前大徳紹尚師
前大徳紹尚師
今日も
少し蒸しましたが
昨日よりは風があったようです
障子戸や襖を開けると
正に”薫風”が茶室の中を
心地よく吹き抜けて行きました
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さて
今月は皆さんと
表千家七代如心斎について
学んでおります
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それに先立ち
不審菴発行の「如心」にも
目を通しました
そこで
今回あらためて確認したことがあります
それは
『不白筆記』に記された
如心斎の逸話について記載されている中に
書かれていたことです
(以下引用)
当時の茶会では
亭主が客と共に露地を歩み
露地口で別れることが一般的で
今のように
躙り口で挨拶するというようなことは
少なかったようだ
この場合も
当然如心斎があとから
露地へ出るはずであったところ
姿をあらわすかわりに
ドラをもって
惜別の情を表わしたというわけである
(引用ここまで)
この「送りドラ」の逸話は
以前にも読んだことはありましたが
茶会の終わった後
亭主が露地に下りて
客と共に露地を歩むのが
当時一般的であったということには
気づきませんでした
現在は
茶事の最後に
躙り口の閉まる音を聞いて
亭主は茶室に入り
躙り口を開けますと
客は躙り口の前でたたずんで
亭主と客は黙礼を交わすのが
習わしとなっています
あるいはここで客が
「お見送りはご無用です」
と言うとも。。。
こういったことは
亭主と客との間で
互いの余情残心の思いから
本来ごく自然に
行った行為だったのかもしれません
茶事には
たくさんの決めごとがありますが
そのひとつひとつに
意味があるのだなあと
あらためて思いました
これからも
それぞれの作法の意味を
より深く感じながら
真心をこめて
茶事を行って参りたい思います