表千家一期一会

11月稽古場 5



「歩々是道場」
士延和尚

先日
コメント欄にて
禅語の読み方をご教示下さった方が
書かれていた

「分類総覧 禅語の味わい方」(西部文浄著・淡交社)

という禅語の本を
私も取り寄せてみました




「21世紀は心の時代」と
言われてから久しく

今や書店に出向けば
どれを選ぼうかと迷うほど
禅に関する書物が並んでいます

私もこれまでに
禅語解釈の本を何冊か
手元に置いていましたが
コメントに書かれていたこの本のことが気になり
アマゾンで中古本を取り寄せた次第です


この本の冒頭に書かれていた文章を読んで
思わずクスリと笑ってしまいました


「私たちは 
墨跡はむつかしいものだと頭から決めてかかり
書かれてある文句を読み下そうともせず
意味内容を知ろうともせず

ただ『結構なお軸で・・・』
などと挨拶していることが
往々にしてあるのではないでしょうか」

と 茶人の在りように苦言を呈した後

「このことは
今日に始まったことではないらしく
永禄七年(1564)に編述された
『分類草人木』にも(云々)・・・」

と続き

「なんの心得もない人が
いたずらに墨跡をお茶の一つの道具として
掛ける流行を批判しています」

と記されていました



昔も今もあまり変らない
お茶席の様子に
思わずクスッと笑ってしまった私ですが

そもそも先日は
書かれていた文字そのものを
読むこともできていなかった
自分自身の未熟さに

穴があったら入りたい思いです


しかし
それもまた修行

「一歩一歩足下を踏みしめて」
道を歩みたいと思います



薄茶 替茶碗の扱いのお稽古をしました


運びの場合
「建水をさげた後
仮置きしてある茶碗をひく」

本には書かれているようですが

お詰めが気働きをして
茶碗を茶道口まで運んでいく
というやり方も
あるとも聞いています


コメント一覧

tomoko
そういえば、以前拙宅の茶事にお越しいただいた折、
寄付に鰍ッさせていただいた文浄師筆の短冊をご覧になって、とても懐かしげなご様子をなさっていたことを
思い出しました。
教えていただいたこの御本、ただ禅語を列挙するのではなく、悟りへの道筋を禅語によって指し示して下さっていることに、感動しています。
百科事典的に使うのではなくして、一つの読み物として、さらには悟りへの指標として味わいたいと思って、読み進めております。
良書をご紹介いただきありがとうございました。
雲や様を通じて、文浄師に出会えたことを、心より感謝いたしております。

雲や
早速反応していただき、こそばゆい気分です。
その著者の文浄師とは、少し因縁があります。
原田さんの東大寺の師匠方の関係とは比ぶべくもありませんが,少し思い出を語らせてください。

今となってそのきっかけが思い出せないのですが、東福寺の同聚院(?)に、文浄師のお話を月一回ペースで聴きに通った事があります。少し痩せ形で禅宗の老師らしい厳しい雰囲気の方でした。そのテキストで一時間ほど講義されお薄を頂戴し帰りました。三十人くらいの会でしたでしょうか、遠州流の方が世話役で同所でそのお茶会も体験しました。文浄師の遷化により、終息しましたが、ほのかないい思い出です。
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