塀の中にはいまだにはいったことはないが、罪深い時分にいらだつ。
自害しても、償いきれない自分に腹が立つ。
もし、生きて償うことができるのなら、さらし者になることだろうか。
それとも、くるしみつづけて、孤独とたたかうことだろうか。
昔は、島流しという刑があった。
都会の中で、私は島流しのように、ひっそりと生きるだけ。
いきるだけ、いきをひそめて、生きるだけの時間をどう使うのか?
人に会うのが怖い。
私は、それだけ残酷な非常な人間だから、心までみすかれてしまうのがこわい。
塀の中ではないが、塀の外から、井の中の蛙のように、ひっそりと、いきよう。
犯罪は、こころをきずつけたり、人をだましたりすることは罪に問われないこともある。
しかし、こころを、きずつけたわたしは、罪深い人間だ。
ほんとうは、すぐに毒薬でもあれば、しぬべきだった。
なさけない、それさえ、できぬ自分が、なさけない。