松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆下馬下乗(防府市)

2012-10-20 | 1.研究活動
 防府市の防府天満宮で見つけた立札である。下馬下乗と書いてある。
 法律の解釈方法には、文理解釈と論理解釈がある。文理解釈で思い出すのは、ライブドアのホリエモンである。法律の抜け穴的な解釈をして、利益を上げた。「ダメならダメと書いておいてよ」といった。これは有名な話であるが、猫を電子いレンジでチンしたが、それを非難したら、「電子レンジで猫をチンしないようにと書いておいてよ」というのと同じ論理である。
 文理解釈の悪弊は、地方自治もゆがめている。誤ったコンプライアンスであるが、条文に書いてないから、その指導は違法だという市民の議論である。マスコミも同じ論調になる。いやになった行政は守りに入ることになる。法律に書いてあることだけをやるのである。それが妥当でないことが分かっていてもである。その非常識を責められても、法律に書いてあるからという言い訳ができるからである。
 私の研修では、法の趣旨から考えるという例題をやる。難問であるが、その訓練をしないと、法務は使えないからである。
 さて、下馬下乗の札は、乗り物から降りてお参りするようにということであるが、なかには、「馬ではない」という人がいるのだろうか。小さな字で、車で入らないようにと書いてある。天満宮さんも、誤ったコンプライアンスに悩まされているのだろうか。
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