日本経営協会(NOMA)主催の市民協働研修である。今年も2日間にわたって行われた。
協働は、単に行政と市民が一緒にやることではなく、市民(自治会、NPO等)も、まちづくりの主体として、その力を大いに発揮することである。人口減少、少子高齢化社会など、私たちの未来は、とても厳しい状況になっていく。そのなかで、従来の役所だけがまちをつくる方式では、もはや、次世代には続いていかない。市民が持っている力を存分に発揮するためのパラダイムが協働である。
今回の参加者は、18名とやや少な目だった。全体に、市民協働初任者という人が多かったようだ。仕事を始めて数か月、あらためて、市民協働の理論を勉強しようということだろうか。私の話は、協働とは、単に仲良くやりましょうということではなく、市民一人ひとりが、幸せに暮らせるのはどうしたらよいかを考える概念であるので、戸惑ったのではないか。
難局を乗り越えていく方法は、いくつもあるかもしれない。大事なのは、単に文句をいうだけでなく、その対案を示すことである。すでに税収が減少し、高齢者の社会保障費等が急増する、時代に入ってしまったので、もはや文句を言っている場合ではない。こうすれば安心して暮らしができるという対応策を示すことが必要である。それを人任せにせず、市民一人ひとりが自分の問題として考えていくことが大事である。
研修のはじめに、例年、参加者には、わが町の協働のプチ自慢をしてもらうが、ずいぶんと独自の試みを始めているところが、目立つようになった。それぞれの町で、模索し、試行錯誤を繰り返しているのだろう。こうした取り組みを学ぶ、共有化することが大事だと思う。
今回は、横浜市の市民協働担当のYさんに来ていただき、横浜市の取り組みを紹介してもらった。私も横浜市にいたのでよく分かるが、横浜市は、地道に体系的に政策を積み重ねる自治体である。しかも、たいていの施策はある。大型スーパーのようなところなので、自分の関心のある施策の参考にするのはよいと考えたからである。
2日間、愉快な研修であった。