松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆『事例から学ぶ 市民協働の成功法則 小さな成功体験を重ねて学んだこと』(水曜社)発売

2022-05-30 | 1.研究活動
 市民協働に関わって30年になる。この本は、そのまとめである。

 1992年、環境の計画課で、減量・リサイクル条例をつくることになった。その顚末は、すでに書いたが、条例提案まで時間がない。ともかくつくらないといけない。そこで、迷ったのが、リサイクルは、役所もやるけど、市民もやる。この市民が当事者となって、公共課題に立ち向かっていくという概念を表す言葉が、見つからなかった。

 1994年になって、都市計画の企画調査に移って、そこで、アメリカのパートナーシップ型のまちづくりに出会った。「パートナーシップ」。それを協働と訳して使うようになった。

 そのうち、協働が「仲良く一緒にやる」に変質したので、協働は、「役所と同時に市民も公共を担う」ということなので、あえて「一緒にやらない協働」を強調して本を書いてきた。

 この本では、一緒にやる協働を取り上げて、その成功の秘訣をまとめた。場数は、たくさん踏んでいる。そのエキスを抽出してまとめた。タイトルは、『事例から学ぶ 市民協働の成功法則 小さな成功体験を重ねて学んだこと』とした。出版社が力を入れるのが、本のタイトルであるが、この本は、私の提案のまま、すんなりと採用された。

 一緒にやる協働は、行動原理が違う行政と市民が、一緒にやるので、市民は、行政の行動原理に縛られることになる。そのほか、市民サイドの行動原理からの制約条件もある。これらをかいくぐって、一緒に行わなければいけないので、難しさが倍加する。これら条件を導きだし、かいくぐり方をまとめてみた。

 この本では、30年の体験をベースに書いているので、書くことは難しくなかった。いつも喋っている通りに、記述すればよい。誰かが、私の本は、私の語り口、そのものという人がいたが、そういう本になったと思う。

 今回も水曜社社長の仙道さんにお世話になった。「松下さんの本は売れないから」と言いながら、こころよく引く受けてもらった。水曜社の本づくりは、勉強になるが、今回は、私のほうも、少しは学んだ成果を活かせたように思う。

 仙道さんの心意気に応じるには、私も販売促進をがんばろうと思う。ガバナンスの三海さん、自治体学会の杉渕さんは、本の紹介を快諾してくれた。いつもありがたい。がんばるぞ。


 
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