松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆「福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができるまちづくり条例」を考える

2022-06-21 | 新城市がヒットを飛ばせる理由
 次の『実践自治』は、福祉従事者がやりがいを持って働き続けることができるまちづくり条例である。参考のために、市役所に、この条例について取り上げられた論文があるかと聞いてみた。ないとのこと。ほとんど、世間で知られていない。私が論文を書く意味がある。

 たしかに、ネットで調べてみても、この制度にふれているのは、ほとんどない。ただ、そのなかで、次のようなブログがあった。

・諮問が「福祉職がやりがいを持てる地域社会を形成するため、福祉人材を皆で育てるまちづくり」についてですが、これまで各種マスコミ報道から、福祉職の人材不足の現状、そしてその原因も明らかにされ、問題視されてきたと思いますが、これまで、新城市では問題解決に何を行ってきたのでしょうか?今さら何をという印象を持ちますが。

・円卓会議として、市内事業者にアンケートを取ったようですが、これまでも市職員と事業者との定期的な会議が持たれてきたと思いますが、事業者の声を十分把握しないまま、各種福祉計画が策定されてきたのでしょうか?

とても、悲しい気持ちになった。福祉の問題は、一筋縄ではいかない。一進一退の繰り返しである。でも、これまで十分でないと思ったから、この条例をつくり、よくしていこうとみんなが頑張ったのである。それを、こんなふうに言われるのなら、「何も問題ない」と言って、何もやらない方がよくなってしまう。新たな試みをしなければ(変化がなければ)文句を言われない。日本は、こうした声で、何もしない国になってしまい、世界から、どんどん遅れてしまったのだと思う(リベラリズム的な組み立てが、本当に市民の権利を守るのかという政治哲学の問題である)。

 そんなとき、ある町の協働初心者の職員が、次のようなメールをくれた。
・(初めて出た)会議だったのですが、子どもから大人まで地域の参加者が積極的に発言かつどんな意見も否定しない雰囲気でした。なんといっても地域の仲の良さ、初参加者を快く受け入れてくれる包容力。

・地域から言われることあるあるの「行政は○○してくれない」「縦割りだから」ではなく、「(地域に住む)自分らあでどうにかせんといか・ん」という意識が伝わってきました。そういった様子を見ていると、少しでもこの人たちの力になりたいと思いました。

 がんばろうと考えている人たちを見て、それを後押しする。それによって、この職員は、持っている力を存分に出すようになる。もし、初手から「行政はダメだ」と言われたら、その職員は、次回からは守りに入り、何もしない職員になってしまったろう。励ます地方自治は、共同体で暮らす生活の知恵のようなものだと思う。

 すごい夕焼けを見た。
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