松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆クラブ活動の地域移行

2022-06-10 | 自治会・町内会、オルソン問題を考える
スポーツ庁の有識者会議が、公立中学校の運動部活動の指導を学校から地域に移行していくことなどを盛り込んだ提言をまとめ、スポーツ庁に提出した。

提言の概要は、次の通りである。
・部活動の意義
 参加する生徒にとっては、スポーツ、芸術文化等の幅広い活動機会を得られるとともに、体力や技能の向上に資するだけではなく、教科学習とは異なる集団での活動を通じた人間形成の機会でもある。部活動は多様な生徒が活躍できる場であり、豊かな学校生活を実現する役割を有する。

休日の部活動の段階的な地域移行
・学校部活動から地域部活動への転換
 休日の部活動における生徒の指導や大会の引率については、学校の職務として教師が担うのではなく地域の活動として地域人材が担うこととし、地域部活動を推進するための実践研究を実施する。その成果を基に、令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図るとともに、休日の部活動の指導を望まない教師が休日の部活動に従事しないこととする。

・地域部活動の運営主体
 地域部活動の運営主体は、退職教師、地域のスポーツ指導者、スポーツ推進委員、生徒の保護者等の参画や協力を得て、総合型地域スポーツクラブ、民間のスポーツクラブ、芸術文化団体等が担うことが考えられる。
 こうした地域団体において地域部活動の運営を担う人材や指導者を確保しつつ、当該団体の責任の下で、生徒の安全の確保や指導者への謝金の管理など、地域部活動の管理運営が行われることについて、生徒、保護者等の理解を得ることが望ましい・

 今回の提言は、教職員の働き方改革の一環として出されたため、問題の本質が、あいまいになりがちであるが、単に職員の負担軽減、肩代わりが狙いではなく、そもそも部活動は誰が支えるのかという基本問題である。少なくとも、学校だけに任すものではなく、地域が持っている子ども、若者の揺籃機能を活かしながら、学校、地域のそれぞれがそれぞれの得意分野を活かして、協働型で進めていこうという問題提起である。

 そうすると、地域が、その役割の一端を担いきれるのかというのが、大きな課題となる。これまでずっと、学校に任せてきた(政府に任せてきた)ので、これから地域の人や組織が担うと言われても、そもそもの社会的合意の獲得も容易ではないし、実際に、活動を担う担い手の発掘・育成、その組織化など、問題は山積している。これを3年くらいですめそうということであるが、絵は簡単に書けるが、本当に実践できるのか、相当、知恵と工夫をしなければいけないだろう。

 提言では、スポーツクラブがその担い手として位置付けられている。官民共同の、とりわけ新たなビジネスの可能性として興味深いが、子ども、若者の揺籃という公共機能との調整が難しい課題になるだろう。

 実際には、退職教師、地域のスポーツ指導者、スポーツ推進委員、生徒の保護者等とスポーツクラブで、運営委員会のような仕組みをつくり、これら課題の克服と利害のバランスの調整を図ることになるのだろうが、絵は簡単に書けるが、実際の運営は、人材に依拠する部分であり、ある程度時間をかけて、試行錯誤を重ね、より正解を見つけていくしかないだろう。

 この政策でも、理念を具体化する仕組み、それを担う人人財をどうするのかという、地域に共有の課題が、立ちはだかっているように思う。
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