松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆政治学と法律学

2012-01-25 | 1.研究活動
 私の研究対象は、政治学と法律学の間のようなところである。もともとは法律学から出発したが、法律学では事象をダイナミックにとらえることができず、もどかしい。そこで、知らず知らずのうちに、政治学の領域にシフトしたという感じである。とはいっても、政治学をきちんと勉強したわけではないので、勉強しつつ、研究しているという状況である(私の先生は大阪国際大学の同僚の先生方である)。
 法律学と政治学の違いは、なんといっても論文の書きやすさの違いである。それは圧倒的に法律学のほうが書きやすい。常に物差しとなる規範があり、それを基準にA説、B説という議論ができるからである(講義のしやすさも同じ)。
 政治学のうちでも、一番、わくわくするのは国際政治学である。それは国際政治はアナーキーだからで、国際憲法や国際裁判所という物差しとなる基準がない分、力関係や押したり引いたりの駆け引きが、ダイナミックな分で面白い(環境問題の講義も持っているが、今年は、京都議定書をめぐる各国の動向という国際政治からのアプローチが全15回のうちの半分以上となった)。
 実は、今日は政治学のテストがあり、大国に挟まれた小国の取るべき道という問題を出した。例は、米国と中国に挟まれた斜陽国日本である。
 勢力均衡論、バックパッシング、宥和策、バンドワゴンなど、ゲームのような理論には学生たちも興味津々で、実際、答案も色とりどりであったが、そのなかで、国際政治はアナーキー(=まさに「穴あき」)という答案があって、実に愉快だったので、この原稿を書こうと思った次第である。

 雪のキャンパス。遠くには丹沢が雪をかぶっている
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