松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆大震災で考えること

2012-06-07 | 1.研究活動
 震災がれきの広域処理について、意見がかみ合わない。古い友人との間でもすれ違う。
 私は次のように考えている。
 大事なことは、被災した町が、何を望むかだろう。町の人たちが、がれき処理で雇用を当面の雇用を確保し、それを埋め立てて、復興しようと考えたら、まずそれを尊重することで、それを無視して、全国一律に、広域処理というのは、本末転倒だと思う。
 他方、都会の人が、現地でがれき処理して雇用を確保しろというのは、全く余計なお世話である。それは、都会の人が言うことではなくて、被災した町の人が考えることである。
 基本は、今回の大震災は、私たち一人ひとりの問題でもあるということである。それゆえ、私たち一人ひとりが、「一抱えのがれきを受け取ること」を基本に考えていくと、たくさんの知恵も出てくるだろう。リスクを減らして、受け取る方法について、最も適切な方法を編み出すと思う。自分たちの問題であるというスタートを誤っているから、被災した町の人を傷つける結果になっているのではないだろうか。
 もうひとつは、国の責任についてである。たしかに国の役割は大きいと思う。
 しかし、私たちは、これまで地方主権と言ってきたのではないか。つい最近まで、国は外交問題だけをやっていればよく、国内問題は、自治体に任せろといってきたのではないか。そうはいっても、国からは、どうせ地方はできないだろうと、甘く見られてきたのではないか。ならば、いまこそ、地方主権の実践を見せる時ではないか。
 がれきの処理という国内問題すらも、自分たちで解決できず、すぐに「国は国は」というのは、結局、「どうせ地方は・・・」という国の主張を証明しているようなものである。悔しいではないか。
 今回の大震災は、私たちの民主主義や地方主権というもののむずかしさ(しかし、歩を進めていかなければいけない)を考えさせられることになったのだと思う。

 そんななか、秦野市のSさんから、職員における東北ボランティアの取り組みについて、連絡をいただいた。全庁に働きかけて、何陣にも分けて、東北に行っているようだ。自治体職員は、ともかく実践だと思う。
 8月には、サガジョ・松下ゼミで大震災シンポジュームを行う。テーマは、「思いを紡ぐ、思いをつなぐ」。
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