貴方は美しい その佇まいはどこへいても存在感を放つ。
細く長い四肢、繊細な髪、透き通る白い肌。
美しい人を好きになると不安になる時がある。
誰もが見つめるその姿。沈黙は美だ。奥ゆかしく大人しい品格。
揺れた。不安になった。
『どうせ女がいるだろう』
そう言われた。その人は彼を見たことないから当てずっぽうの発言だ。
だけど、改めて言葉に出されると悲しかった。
不安だった。いつも。過去を思い出した。
マサト先輩だって、いるいるって暗い予測と噂に全部揺り動かされた。
そしてずっとマコを思い出していた。
マコはとても綺麗だった。
大きな意志の強い綺麗な瞳に、口角があがった唇にワイルドな容姿の
ハンサムだった。みんな黄色い声をあげて慕っていた。
僕を好きだと言ってくれたのがうれしくて一緒の時は至福を感じられた。
あの美しい寂しげで温かい横顔はずっと忘れないだろう。
遠距離で女の影に怯えていた。離れていくのが恐かった。
向こうも僕の影を感じていた。暗い予言が消せなかった。
いたらどうするの?
僕の恋を取り上げないでどうか。
僕の恋が終わるのは、僕が振られた時だけにしておくれ。
僕はこの恋を護りたい。やっとやっと傷だらけの恋と決別して
貴方とめぐり逢えたのだから。