UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 56

2024-08-28 23:55:50 | 日記
「なんで何で!? どうしてですかぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 
 複雑な船の中でそんな声が響く。さっきまで近くで戦ってたはずだが、あまりの敵の多さに、分断されてしまった。というかミレナパウスさんがふっとばされて壁をぶち破っていってしまった。
 
「アイさん!!」
「まったく世話がやけるわね」
 
 そんなことをアイさんは増やした腕に握った銃を撃ちまくって目玉たちの行動を止めていく。そしてその間を縫ってミレナパウスさんが飛んでいった方へとむかった。
 自分はこれ以上ミレナパウスさんの方に敵がいかないようにここで敵を引きつけよう。それにせっかくアイさんが敵を止めてくれたんだ。それをサクッと破壊して数を減らす。
 でも……
 
(どんなに破壊しても意味はなさそうだが……)
 
 そうなんだよね。いくら倒しても、次から次へと目玉達はやってくる。どんどんとその頻度は上がってる。実際、ミレナパウスさんに戦闘慣れをさせるという目的でなら今の状況は願ったりかなったりだ。
 これだけ絶え間なくやってきてくれると、否が応でも数が少ないこちらは一人一人が対応する数は多くなる。そうなるとまあ大変なわけで、必死にならざる得ない。
 自分たちはまだ余裕はある。きっとアイさんだってそうだろう。でも、ミレナパウスさんは元は魔法で遠くから撃ち落としたりするのが基本だっただろうし、こんな風に次々と敵が迫ってくるような……そんな終わりが見えないような戦いは……
 
「彼女の世界でも最後はこんなだったか……」
 
 けどあの時のミレナパウスさんは戦ってたけど、戦ってはない。どういうことかというと、気持ちは一緒に戦ってた。けど戦闘はしてないということだ。彼女は回復要員だった。
 だから戦場に出ても、戦闘をしてたわけじゃないんだ。けど今は戦闘をしないといけない。やっぱりそうなると緊張感や疲労とかも段違いだろう。死地で感じる疲労感は通常時の何倍も辛い。体力だっていつもよりも早く尽きるような……そんな感覚になる。
 けどだからって戦うことを辞めることはできない。だって……それをやめた瞬間、訪れるのは『死』だからだ。どんなに辛くても限界が来たとてしも動き続けるその意思をミレナパウスさんには持ってほしいとおもってる。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 55

2024-08-28 23:52:13 | 日記
「よし、急ごう!」
 
 G-01殿と分かれて、自分たちは内部を進む。外に出て一緒に行ったほうが確実に早いのは確かだ。けど、アイさんはどうやらこの様々な船に興味があるみたい。
 それらの内部情報を確保して行きたいらしい。ならば内部からいくしかない。G-01殿が居てくれないのは不安もある。だが、我々とはサイズ感が違うG-01殿と一緒だとやっぱり色々と不便があるのも事実。
 それに申し訳なくなってしまう。分かれて進めばそういう心苦しさもない。サポートが受けれないのは、安心感がぜんぜん違うが……
 
(これも成長のためだ)
 
 そう思うことにする。なにせ……だ。なにせG-01殿が居たら、ついつい戦いに集中する為の集中も散漫になる。それはやっぱり安心感の違いだ。なにせG-01殿がいたらどうにでもなる……そんな思いが湧きあがるのはどうしようもない。
 なにせそれだけの存在だからだ。あの方が居たら安全は保証されたようなもの。そんな戦闘にはひりつきなんて生まれようがないだろう。
 
 やっぱりきちんとした成長を目指すのなら、自分たちだけの力で切り開いていく……そういう挑戦が必要だ。そしてそういう挑戦を乗り越えてこそ、自信にもつながる。
 ただただ、与えられてるだけでは、それは『自身の力』とはいわない。いえない。いざとなった時、もしもその力がどうにかなったら? いや、何もならなくても、もしもその力でもどうしようもないと思える相手が目の前に現れたら? 
 ただその力だけに頼ってたら、そこで生きるのを諦めてしまうだろう。だって全てがその『力』だよりならそうなる。もうどうしようもないって……これがだめならもう駄目だってなる。
 そしてそれの責任はどこにいくだろうか? 自分が駄目だった……といくか? それは違うだろう。きっともっと良い武器を、装備をくれなかったあいつが悪い……とかになるのではないだろうか? 
 自分がそれだけに依存してただけで、そしてそれをくれた人は善意しかないのに、それなのに勝手に逆恨みされたりしてしまう……まあ極端かもしれないし、実際自分たちの中にはそんな奴はいない(と思いたい)
 でもまだミレナパウスさんのことはよくわかってない。教会に居たにしてはとてもまともだが……最後の最後でどう思うかまではその時になるまでわからない。だからこそ、わからないからこそ仲間となるためにもきっとこれは必要なことだろう。
 
『大丈夫ですかミレナパウスさん?」
「はい!」
 
 いい返事をして自分たちは覚悟を決めて突き進む。