「こうやって見ると……とてもその……なにやら違いがありますね」
そんな風にいったのは勇者だ。私たちはいつまでも眺めてても仕方ないってことで、船の残骸へと近づいていった。そして勇者のあの言葉である。『船』といっても、この場所に積み上げられた残骸といって差し支えない船はそれこそ千差万別といっていい。
それこそなんか手漕ぎボートな様なものから、戦艦といって差し支えない大きさの物とかある。それにテクノロジーの差とかも半端ない。手漕ぎボートなんてそれこそ、なんでこんなところに? だしね。
「とりあえず……」
私は肩の所をガシャンと開き、G-01から特殊なレーザーをだして、一気に見える範囲をスキャンする。それによって何があるのか、どんな材質なのか、そして危険はないのか? って奴を確かめた。
「とりあえず生命反応は……いや、あるな」
なにやら小さな反応がある。それも結構たくさん。それを伝えることにした。
『気を付けてください。何者かの生体反応があります』
取り付いて調べようとしてた勇者やアイ。そして既にそこらをとっとこと歩いてるポニ子。するといきなりポニ子が歩いてたところがはじけた。そのせいでポニ子が「ポニー!」とかいって吹っ飛んだ。
まあポニ子なら大丈夫でしょう。それよりも……ポニ子を吹っ飛ばして出て来た奴が問題だろう。それは大きな目玉……それに触手の様なものが生えてた。
それは生物というか? 機械生命体の様な……そんな見た目をしてる。まるで泳ぐようにその存在は、その触手というか、腕というかをゆらゆら揺らして移動してる。
そしてある程度の高さにいくと、その触手の先端を開いて残骸に憑りついて、その瞼? といっていいのかわからないが、デカい目玉にかかってる瞼部分を大きく開く。いきなり攻撃してこないから案外知性的なのか? とか思ってた。
そしてそれは多分間違ってない。何やらあいつ、通信してる。それを把握することは出来ないが、でもそういう電波を出してるのはわかる。
『何か、嫌な予感がしますね』
私がそうつぶやくと、唯一G-01にしがみついて残ってるミレナパウスさんがそれに同意してくれた。そしてそれはどうやら正しかった。女の勘はやはりさえわたってる。
なにせ残骸から次々と同じようなタイプの奴らがいっぱい……いや沢山? もっというと無数に出て来たからだ。
『うわっ……』
思わずそんな声が出ちゃっても仕方ない。
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