「助かりました。流石ですね」
「いえ、このくらい勇者様ならもっと簡単にできたはずです」
「そんな謙遜はいらないですよ。貴方が前線の皆を助けたんです」
「助けた……」
戦場の後方の方で、そんなことをミレナパウスさんと勇者は話してた。あの二人……二人ともとても見栄えがいいから、なんかすごく良い雰囲気に見える。
いや、実際は二人ともただこの戦場のことを話してるだけで、甘酸っぱいみたいな雰囲気は一切ない。ただね……いや本当に好青年風の見た目の勇者に同じ年代くらいの美しい女性が並んでると、それだけでね……だってもしもあそこに私……いや、G-01がいたとしよう。絶対にそういう雰囲気にならないじゃん。まあ流石に? G-01は極端すぎる例だったかもしれない。
ならばアイ……いや、あいつも見た目よかった。なにせあいつはアンドロイドというか、まあそんなのだから、もちろんだが美しく作れる。そして気分で顔とか変えれるからね。それならプニ子……はう~んあいつではそもそもそういう対象じゃない。
ダメか……普通にそこらのモブ的な普通の人……を想定するだけでいいのかもしれない。それならやっぱりだけどあんまりいい感じ……ってならないと思う。ただそこにいるだけ……とかさ。それはやっぱり顔面偏差値の差がそう思わせるのかもしれない。
「これまで私は教会の言うとおりにだけ魔法を使ってきました。それはきっと教会のためで……ただそれだけで……そして私はその為の存在だから、喜ばれるけどその顔を『良いもの』だとは思ったこと、なかったんです。
けど、そうですね。今はななんだか……気持ちいいです」
ミレナパウスさんは前を見てる。それはきっと今も戦ってる皆をみてるんだろう。命を懸けて戦ってる人たちの為に使う魔法。誰かの役に立つ魔法……それをきっと今、彼女は実感したんだろう。まあちょっと前にこっちと戦う時にミレナパウスさんは教会のやつらを守る魔法とかやってたけどね。
あの時はどう思ってたんだろうか? その時には今の感情はなかったのか?
「それはよかった。それはきっと正しい事です」
そういって勇者が前にでた。どうやら前に出る気のようだ。
「守ってあげてください」
次の瞬間、勇者は砂をその姿を消した。
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