UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十話Part4

2024-08-27 23:58:08 | 日記
「ええーふーん、ええーはぁ……不思議ねえ」
「おい、なにか言いたいことがあるのか?」
 
 なんか幾代の視線がスマホに映した写真と足軽を交互に見てる。その視線が「ほわっ」「ほぉーん」とかいう感じで、なんか……なんか馬鹿にされてる気がする野々野足軽である。
 
「なるほど、うんうん。けどね小頭ちゃん」
「はい?」
「男は顔じゃないよ」
「おい! なんだそれ」
「けどそうは言っても、ブサイクよりは格好いいほうが良いですよね?」
「お前も何もなかったように続けるよな!?」
 
 兄が馬鹿にされてるんだぞ!? と言いたい野々野足軽である。明らかに野々野足軽と平賀式部が釣り合い取れてないっておもわれてるのはあきらかだ。
 顔じゃないとか……それは顔が良くないやつに対して擁護する時にいうやつだろう。優しい人――ってやつが他になにも褒めるところがないから使うようなさ……そんなのではないだろうか? それに二人は顔の良し悪しでは対立してなくて、そういう所じゃない論争にいってる。
 つまりは二人して野々野足軽の顔……その……うん――って事に同意してるということに……
 
(お、俺ってそんなに酷い顔してたのか?)
 
 ちょっと自信がなくなる野々野足軽である。実際、足軽は自分がイケメン――なんて大層な自信は持ってない。それに平賀式部と比べると見劣りするのも確かだろう。一緒に並んで歩いてても、きっと恋人ではなく、親しい友だち? くらいにしかみられないだろうって事もわかってる。
 でも自分たちでちゃんとわかってればいいんだと……そんなのは気にしないようしてた。二人で納得して付き合ってるのだ。それを他の誰か……第三者に非難されても、それは二人には関係なんてないんだから。
 そうおもってた。でもこうやってあからさまに……それに眼の前で言われると……心が痛む野々野足軽だ。
 
「小頭ちゃん、今はわからないかもしれないけどね。やっぱり大切なのは顔じゃないよ。きっとこの彼女さんは、足軽のいいところをいっぱい知ってるんだよ」
「いいところ?」
「なんでそこで疑問形なんだよ」
「だってお兄ちゃんにいいところなんて……勉強もスボーツも普通だし、どっちかというと陰キャだし、体はヒョロガリだし……クラスに居ても印象が残らない筆頭だよね」
 
 この妹は……と思う野々野足軽であるが、実際そのとおりだから、なんの反論もできなかった。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十話Part3

2024-08-26 20:14:26 | 日記
「へえー足軽って彼女いるんだ」
「そ、そうだけど?」
 
 やっぱりここは誠実に……と思いあぜ道を通りながら足軽達は一列になりながら歩いてる。一番前は当然だけど幾代である。そしていきなりの「彼女いるの発言」それに対して野々野足軽は誠実に「いるよ」って答えた。それが冒頭の反応である。
 ここでクズな奴なら彼女の存在を隠して目の前の美少女を狙ったりするんだろう。けどそんな事をするような奴では足軽はなかった。確かに平賀式部とは違う、田舎っぽくあか抜けないけど、健康的な美少女というのは魅力的だ。足軽も彼女の脚や鎖骨に目が奪われないなんていえない。
 けどちゃんと「彼女いる」といえた。これだけできっと一線は引かれたはずだ。そもそもが初対面の相手に「彼女いるの?」とか聞かれたら野々野足軽のようなどちらかというと陰キャな男子は「え? こいつ俺の事好きなの?」――とか思ってしまうわけで……ちゃんと彼女が存在する宣言はしたけど、胸はどきどきとしてた。
 
「本当ですよ。私も彼女さん見た事あります」
 
 なんか視線だけで真ん中の小頭に「本当?」と幾代は問いただしてたみたいだ。酷い奴である。
 
「へーあーそっかぁへぇーかわいいの?」
 
 なんかめっちゃニヤニヤとしつつ小頭にそんな事を聞いてる幾代。一体どんな心境なのか野々野足軽にはわかんない。実際その顔はとても面白そうというか、おもちゃを見つけたような……そんな顔してる。
 でもそれは野々野足軽が期待してた反応とは違う。足軽に彼女がいるとわかって落ち込んだり、なんかそっけなく成ったり? そんな反応になったりしてたら「やっぱり俺の事……」と野々野足軽は思えた。
 けど……なんかとっても楽しそうな幾代を見てると、自分自身に気がないな……と言うのが伝わってくる。
 
「でも……彼女さん綺麗すぎるんだよね。はっきり言ってお兄ちゃんと釣り合ってない」
「お前な……」
「ええー、そんな綺麗な子なの? ねえねえ写真とか見せてよ。あるでしょ一枚くらい」
「あるけど……」
「ほらほらー自慢してみせなさいよあんたの彼女」
 
 どういうテンションなんだよこいつは……と思う野々野足軽である。けどわざわざ振り返って不安定なあぜ道を足軽達の方を向きながら歩いてる幾代は問題なく後ろ歩きをしてる。でも二人からしたら危なっかしい。幾代にとってはもう見ずに歩くことなんて余裕なのかもしれないが、そんなの知らない足軽達にとっては心臓に悪い。しかも彼女は防御力低そうなスク水だ。だから早くちゃんと前を向いてもらうためにも見せるしかなかった。
 
「おおー! めっちゃ可愛い!? ええ!? 芸能人?」
 
 めっちゃいい反応を幾代はしてた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 54

2024-08-26 20:08:47 | 日記
 G-01はいろいろな機能をつけていくことができる。私の成長とG-01の成長はリンクしてるといっていい。私が沢山の知識を蓄えて行くと、アンロックされる機能も多い。
 そしてエネルギーを一定数ためたら、新たな装備、部品とかいろいろな物をコアであるユグドラシルが創造してれる。それらにはあらかじめ設計図があるから普通はそれから自身が思い描くG-01のために新たなパーツや装備を作っていくのだ。
 ある意味でそれはゲームみたいで楽しい。やっぱり新たな装備は良くなる事もあるし、悪くなる部分もある。とんでもない科学技術や魔法技術を組み合わせてとんでもない装備やパーツを生み出してるわけだけど、やっぱり全てにおいて万能な装備とかはないらしい。
 攻撃力に振りすぎると、エネルギーの消費増大と熱を持ってしまう。防御力に振りすぎると、これもエネルギーが大量に必要だし、装甲がかなり重くなってしまう。スピードにふると、小回りをとるか、トップスピードを取るかでもパーツも装備も違うのだ。
 まさにその組み合わせは無限大と言ってもいい。そんな中、流石に次元断層を安定して作り出す装備か装置かパーツなんて……いや、もっとよく探せばあるかもしれない。
 それにただ単体でそういう事はできなくても、複数のパーツを組み合わせることで似たような効果を生む……なんてこともできたりするかも。本当にこれは発想力とひらめきの問題だ。
 
 まあ残念ながら、私にはそんなのない。凡人なのだ。もしかしたらもっともっと高度だから、そこ辺まではまだ開放されてないのかもしれない。でもそんな中、ここでこの次元断層を参考に新たな装備を作れたら……飛躍的にG-01は強くなれる。それに……だ。これまで世界を渡るのはランダムだった。
 でも次元断層を自身で作れるとしたら、世界を選ぶことだってできるかもしれない。もっと安定した世界に行くとかさ……できるかも。
 
「ようし!」
 
 私は色々と頑張ることにした。それに外からじゃ円盤まではたどり着けないし、内部の勇者達もそれなりの時間がかかるだろう。私はじっくりとそれに取り組むことにするよ。
 
「まずはこのために更に脳を拡張しないとね」
 
 ためてたエネルギーを使って私はまずはそれをやったよ。やっぱり脳が拡張されると、快適になるというのがわかってきたからね。それにこっちに集中するにしても、他にも同時進行で勇者達のサポートに下層の方の探索も進めてる。それを止める事はできない。
 そして次元断層の解析にはかなり拡張領域を使うだろうことはわかる。だからまずは何の無駄にもならない脳の拡張を私はやった。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十話Part2

2024-08-25 18:59:19 | 日記
「へえー、二人は東京から来たんだ」
 
 水着の少女「幾代」はそんな風にいった。取り返した自身のパンツを人差し指に通してクルクルと回してる。自分のパンツをそんな風にしてるから、流されるんじゃないか? と思ってしまう野々野足軽。けどそこは空気を読んでそんな事はいわない。それに……だ。それに……
 
(本人がパンツを目の前で回してるって……都会ではありえない光景だよな。田舎凄いな。これが開放感って奴か?)
 
 とかなんとか思ってた。しかもただの女の子ではない。可愛い女の子が自分のパンツをまわしてるのだ。この子は野々野足軽を男子と認識してないのか? とさえ思ってしまう。普通異性がいたら恥じらいとか――まあそもそも外でパンツをクルクルするなよ――であるが、もうそこは田舎だからと足軽は納得してる。目の前のパンツとそして幾代……それを結び付けたとき、自然と足軽の視線は下の方へと向いてしまう。
 
(あのパンツがあの部分に……てか履いて帰るのか?)
 
 ワザとではなかったとしても、足軽はあのパンツを顔にもっていって拭いたり使ったりしてしまった。もちろん足軽もまだピチピチの男子高校生だ。別に顔を一度拭いたからってパンツが脂ぎってしまう……なんてことはない。むしろ汚れてるかどうかさえわかんないだろう。けど……だ。けど、一度は顔に触れたあのパンツを目の前の女の子が履く――その可能性になんとも言えないいたたまれなさ? みたいなのを感じてた。
 
「ここなんにもないでしょ? いいなぁー東京はいっぱい遊ぶところとかありそうだよね」
 
 そんな風にいって腰かけてる岩から脚をつかって川の水をピチャピチャとやってる幾代。実際東京とここではいろんなことが全く違うと野々野足軽も感じてる。まず全然人の多さが違う。野々野足軽の家は都心ではないが、都市圏ではあるだろう。だから外に出ると人をみる。当たり前に。駅に行けばそれこそ沢山の人が行きかってる。でもここではどうだ? ここに来る前にすれ違った人はいない。遠くで田んぼで何やらやってる人はみた。それに細い田舎道で軽トラと一回だけすれ違った。
 
 それが全て……だ。正味片手で足りる人数である。
 
「退屈なんですか?」
 
 幾代に向かって小頭がそんな風に聞き返す。それに対して幾代は「あはっ」とまぶしい笑顔を見せてこういった。
 
「憧れだよ。あこがれ。だからって私はここが嫌いな訳じゃないからさ。そうだ! 二人には私の好きなここを案内してあげよう!」
 
 なんかそんな事が勝手に決まってしまった。でも断る理由もないから、足軽と小頭は二人して了承した。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 53

2024-08-25 18:54:06 | 日記
 どうやら次元の断層を意図的に起こして、空間を隔絶してるのが行けない原因のようだ。そしてより詳しくスキャンすることでわかったのはその次元の隔たりというのは実は一ミクロンくらいしか無い……ということだ。つまりは普通は観測なんてできない。
 
 こんな細い次元断層なんてのはありえない。自然的には発生し得ない事象ということだ。つまりはこれはメタリファーがやったものだろう。てかこれって……
 
「高度すぎる次元の操作だね。これは流石に……」
 
 普通、次元が断裂するなんてのは大災害ものである。それによって滅びた世界……滅びた文明……そういうのがそれなりにある……という記録がG-01の中にはある。
 それかある時次元断層によって別の世界とつながって、そこから異界の怪物たち……まあつながった先の生命体だけど……それがやってきて侵略戦争が始まる……なんてのもあったみたいだ。
 次元断層は起こったらもう絶望を覚悟した方がいいような、そんな超自然的災害と言ってもいいものなんだ。これは地震や津波、火山の噴火なんて世界の大地が起こすような……そんな原因がわかってる災害じゃない。
 
 それこそ突如、何の前触れもなく引き起こるそれによって、世界が崩壊するという理不尽極まりない災害。けど……だ。けど、今観測してる次元断層はとても安定してた。
 こんな次元断層はG-01の記録を引っ張っても類がないほどに……これはなにかに使えるかもしれないと、色々とG-01に記録させないとね。てか一ミクロンの断層でこの巨体のG-01さえも拒絶できるんだから、やっぱり次元とか時間とかそういう感じの仕組みに関わってるような力は強い。
 
 一ミクロンなんてのはもう手先でも表せないくらいの小ささだ。それが発生してるだけで、永遠に近づけない結界ができてるようなものである。
 
「けど攻略できないわけじゃない」
 
 私はそういって周囲にたくさんの少モニターを展開する。メインのモニターは全周囲にでかでかとあるG-01から見えてる全周を映すモニターだが、ここでなら私はいくらでも仮想のモニターを自身の周囲に展開できる。
 なにせ全周囲のモニターそこそこ距離あるからね。細かい文字を読むのには向いてない。
 
「G-01にはこれまでの次元断層の記録と観察データ。それにいろいろな仮説だってある」
 
 それならの沢山のデータを頼りに、そしてここに最後のピースがあるじゃないか。それがこの一ミクロンの次元断層だ。この次元断層は完成されてるといっていい。
 これまでの観測された次元断層はきっと全てが不安定だった。だからこそ、いろいろな災害を生んできた。正しく作り出せば、これだけ次元断層というのは安定してるともいえる。
 そして今、それが目の前にある。これはまたとないチャンスだ。G-01に新たな機能を、それこそ用意されてない全く別の能力を得られるかもしれない。