goo blog サービス終了のお知らせ 

UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十話Part1

2024-08-24 19:46:05 | 日記
「え? それって……わわ、わたたたたた――」
 
 なんか足軽と小頭が言い合ってた所に一人の女の子がやってきた。しかもその子は驚いたことになんとスク水だった。しかも今どきの学校のなんの色気もない短パン風のスク水ではない。もっと古い時代のハイレグ感があるスク水である。紺色の生地に、野暮ったい感じのデザイン。それは決しておしゃれではないが、でも大人になりきれてない体を隠すには十分な、絶妙なラインを作り出してる至高のスクール水着だった。
 
 しかもその子はかなり……そう、野々野足軽基準で言えばかなりかわいかった。スポーツをしてるのか引き締まった体に、元気が宿ってそうな大きな瞳。髪型はポニーテールで健康的に焼けた肌は水を弾いてキラキラと太陽光を反射させてる。
 
「なにやってんだあああ足が――!? 返してよ!」
 
 何やら一瞬勢いが衰えたけど、すぐにさっきの勢いで手をこっちに向ける。
 
「返せ?」
 
 ?を浮かべる足軽。一体この少女は何を言ってるんだろうと思った。なにせ初対面だ。まあけどこんなかわいい子のスク水姿を間近で見られるなんて眼福眼福と野々野足軽は心で思ってた。
 
「それじゃない? お兄ちゃんが後生大事に持ってるそれ」
「ああ、このパンツか」
 
 野々野足軽はパンツの両端に人差し指を通してピーンとそのパンツをよく見えるように張った。するとその瞬間、謎の少女はいった。
 
「ちょっとやめてよ!? なんで広げた訳!?」
「いや、確かめやすいよう?」
「私の他にパンツを流すアホがいるわけないでしょ!?」
「その理論でいうと、君がアホなのが確定するけど……」
「パンツを川に攫われる奴がアホじゃないって?」
「いや、アホだな」
 
 確定した。この子はアホみたいだ。てかなんでこの子は自分の事をこんなにアホと断言するのか? 流石にちょっとくらい否定しないの? とか内心野々野足軽は思ってる。それに小頭だって……
 
「ねえ、この人ちょっとやばくない?」
 
 そんな風な事を耳の傍で言ってくる。空気が震えてこそばゆい感覚が野々野足軽にはあった。けどそういう小頭の言葉もわかる。いきなりラパンツを流されてスク水で登場して、アホ宣言をする女……字面にするとかなりやばい女だとわかる。
 
「二人はなに? 恋人?」
「はああああああ!?」
 
 あまりにも反応速く小頭が叫んだ。そのせいで近かった足軽の耳にはその音量がダイレクトアタックしてきた。でもそんな事を言われたら小頭は止まってなんてられない。一刻も早くそのアホみたいな憶測を払拭しないとと焦ってた。
 
「なななな、なに言ってるのよ! こいつ! と私が? はああああああああ!? ないないないないないない。天地がひっくり返っても今から槍が降ってきてもないから! どうしてそうなるわけ? 観てわかんない? つり合いとれてなくない? お似合いとか言いたい訳!?」
 
 そんな風な言葉を一気に捲し立ててる小頭。でもどうやらその必死さが目の前の女の子には言い訳にしか聞こえてないと、小頭は気づいてない。てか一発で否定できるワードがあるのに、小頭はその存在を失念してるようだった。
 
「俺たち兄妹だよ」
「あっ、なるほどね」
 
 それだけで目の前の彼女は納得した。一人捲し立ててた小頭はなんか足軽をぽかぽかと殴り始める始末である。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 52

2024-08-24 19:40:18 | 日記
 早速円盤の近くまでたどり着いた私はスキャンを実行する。すると……だ。なんかスキャンでエラーが出た。
 
「あれ?」
 
 こんなことは初めてだ。それならば……と私は更に近づこうとする。すると更におかしなことがおきた。
 
「あれれ? 行けない?」
 
 どういうことだろうか? なんか進めない。いや、実際には進んでない……といったほうが正しいか。円盤までは3キロもないだろう。あまりにも円盤が大きすぎて距離感がバグってしまいそうだが、そこまで遠くはない。実はまだ単位に百キロ以上あったかな? でかい円盤のせいで案外もう近くだと錯覚してた? いやあり得ない。だって私が直接見てるんじゃない。G-01を通して私はみてる。
 
 つまりはその時点で色々と測距してるはずである。てか親切に後何キロとか出してくれる親切仕様なのがG-01である。なのでおかしい。スキャンしてもできない事も、そしていくら近づこうとしても、近づけない事も……
 
「それなら……」
 
 私はG-01の本気を出すことにした。さっきまではまあそんなにスピードを出してたわけじゃない。ブースターもある程度の推進力で抑えてたわけだ。けどここからはもっとブースターの出力を上げることにした。
 
 グン――と一気に体が後方へと流れる感覚がかかる。そしてぐんぐんと……ぐんぐんと近づく円盤。いや、変わってないような?
 
「何よこれ!?」
 
 なんか距離計を見ても円盤との距離は全くもって変わってない。ぐるぐると回ってるが、その距離をG-01も測れてないって感じだ。
 
「まって私、ここは一旦落ちつこう」
 
 私は一旦停止する。そしてさっきブースターを吹かした時から円盤との距離が全く持って変わっていない事に改めて気づく。私はそれぞれの部位からパーツを取り出してそれを組み合わせて銃をつくる。頭部のガトリングでも良かったけど、私にはある狙いがある。
 
 エネルギー重鎮して、引き金をひく。まっすぐに光るレーザーが放たれる。これで軌跡がわかりやすいということである。
 
 すると放ったレーザーはあるところで進まなくなった。いや厳密には進んでる。でもそれはどうやらこの空間、それか次元じゃない?
 
「これって、メタリファーがなにかやってる……って事?」
 
 初めてのメタリファーの干渉ということなら、もしかしたらあの円盤はなにかあるのかもしれない。内部からならいけるのだろうか? それなら中に突撃していってみる? でもな……それだとなんかメタリファーに負けた気になる。 
 それに中からは勇者達が行ってるんだし、私はもうちょっと外からなにかできないか……を考えることにした。
 

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 51

2024-08-22 17:38:30 | 日記
 流石にあの円盤まで合流しないんなんてやらないけど……いかにもなにかありそうな……それだけ雄大にそこにある。あの円盤のサイズから観たら、G-01も小型といえるくらいだろう。あれなら数十メートル大のロボットも数十体……いやもっと積めそうだ。てか積んであったりして? 
 
 そもそもが人形のロボットやら、人形でなくても自分たちの代わりに戦闘をする存在って結構どこもたどり着きそうな気がする。ならあれだけでかい船を作る技術があれば、そういう技術だって並行してあってもおかしくない。
 
「なんか興味出てきたかも」
 
 本当なら私は中の勇者達と足並みを揃えるつもりであった。だって万が一になにかあったら困るじゃん? ここは謎の場所なのだ。確かに不意打ちとか無いように私は逐次スキャンをしてる。それによるとG-01のレーダーには目玉以外の敵は映ってない。
 
 でもそれが100%なのかはわかんない。
 
「けど悪いことを考えたらきりがないからね。仲間を信じるのも大切だよね」
 
 うんうん、と私はそれっぽいことをいって自分を納得させる。なので一足先に上を目指した。そもそもが外なら内部の構造に左右されることなく進めるからね。簡単に行けるのは当たり前だ。私はG-01のブースターを静かに吹かせて上へと進む。中とは違って、なぜか外のほうが目玉が少ない。
 
「そういえば、最初のときも目玉は中から出てきてたような?」
 
 私が大きいやつを倒したせいで、引きこもってるのかもしれない。けど内部は奴らのホーム。だからこそ、いまでも襲ってくるのかな? 彼らは外にまでいまは意識を向けることができないのかも?
 ならば……
 
「やっぱりみんなを外に出して一緒にいったほうが良かったかもね」
 
 別に明確な目的があるわけじゃない。ここは世界じゃないからサンクチュアリがあるかもわかんないし。てかここから出る手段はG-01を持ってしてもわかんないし。
 それに……だ。いまどうして内部で徐々に目玉の襲撃が増えてるのかってあの円盤みたいな所が奴らの巣穴だから……という憶測が出るよね。それを考えると一旦外に出て、外からみんなを引き連れて襲撃をして、目玉たちを一掃。ゆっくりと探索をする……のほうが効率的にきっといい。
 けど……
 
「まあ若人には旅が必要だよね」
 
 私はそんなふうなことをいって一人上を目指す。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 50

2024-08-22 17:33:21 | 日記
「それでは私達はこちらから行きますね」
「皆さんのことは自分が守りますから安心してください」
 
 そんな風に言ってくるミレナパウスさんと勇者。どこもかしこもG-01が通れるような場所があるわけじゃない。まあけど、内部を行けなければ外部を行けばいいだけだ。なので問題はない。
 けどどうやらアイはここにたどり着いた船の情報……いや船だけじゃなく、その船に残ってる世界の情報を欲してるらしく、内部をどうしても行きたいらしい。なのでそんなアイの為に勇者とミレナパウスさん達は内部へ、私は外部を通って行くことになった。
 
 まったくアイはわがままなんだから仕方ないやつである。そんなアイは私だけが外に行くことになっても二人みたいになにか声を掛けてくることもなし……まあ実際複数人いるそっちよりも、私一人のほうが確実に安全ではある。
 それがわかってるからだろうけど、でもそれでもさ……なんかあるものでは? まあメタリファーの真意的な事にたどり着けるのなら、私は文句なんてないんだけど……
 
 この謎の場所の意味……それはまだわかってない。どうしてメタリファーはこんな場所に船を集めてるのか……みんなが見えなくなったら、私は壁を突き破って外へとでた。
 外に出ると、なんか最初にいたところよりも暗くなってる感じがある。どこかに光源がある……という感じではなくて、この場所自体に明かりがある……という感じだったけど、上の方は暗くなってるみたいだ。
 
「外から見ると、かなりの船が混ざってるね」
 
 それにただ上に積み上がってるだけでもない。横にずれたりもしてる。上に行くにつれて歪になってる気がする。上を向いてG-01の高性能なスキャンを再びしてみる。
 どこまでも続いてるように見える船達。キュインキュインというなにかわからない音。いや、それはここに来て何度も聞いてるからなにかはわかってる。目玉たちの音だ。今はあの目玉型の敵しか観てないが、じっさいこれだけ様々な形の船があって、その年代だって、世界だってバラバラなんだ。
 もっと違う形のやつが居てもおかしくないと思うんだけど……なんかいない。そもそもがあの目玉がなにかわかってない。今は積極的に私達に攻撃を仕掛けてくるが、別にそれほど好戦的な奴ら……とも思えないんだよね。
 
 メタリファーは貴重でよくわからない存在だ。何体の個体がいるのかもわかってない。その知性だって謎だ。
 
「このまま上を目指してなにかあるのかな?」
 
 一応下にも私はG-01の子機である指を送ってる。けどそっちにも終わりはみえない。そして上を目指してるこっちにも……だ。もしかしたら無意味なことをしてるのかもしれない。
 その思いが湧き上がる。まあこのまま上に行けばなにかはあると思う。なにせ……だ。まだ結構上だけど、かなり大きな船が見える。それは船というよりも円盤。それも今までの船よりもスケールが違う。それだけでかい円盤が薄っすらと観えてた。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第九話Part4

2024-08-21 23:21:55 | 日記
「そんな貪るような事……」
 
 妹に弁明するように野々野足軽は考えて言葉を重ねようとしてた。なにせこれで兄としても、そして人間としてもその尊厳が損なわれかけてるんだ。流石に妹にこれからもゴミを観るような目で見られるのは困る。
 
(いやある意味……)
 
 そんな思考がちょっと野々野足軽に湧き上がる。彼の名誉のためにいうが、それは別にそういう視線に興奮する性癖だから……というわけじゃない。むしろ、最近はちょっと野々野足軽は困るほどだった。
 
 それはなにか――というと小頭の態度である。野々野足軽が高校に上がって、そして小頭が中学生二年にもなると、彼女も反抗期に入ったんだろう。距離は離れていってた。ここ一年と半年くらいはそこれこそ数えるくらいしか話しをしてなかっただろう。
 
 家で顔を合わせても「おう」といっても「ん」とか「ちっ」とか返す程度だった。時々声を掛けてくるのも体の良い荷物持ちとか、暇なときにからかって来るときとか……である。
 けど足軽は自分にも同じくらいのときに反抗期があったから、兄として暖かく見守ってたわけだ。まあそれに……力が目覚めてからはそんな些事に気を取られることがなくなったから……というのもある。それまでは小頭の態度にムッとなって、家でも度々喧嘩をしてたこともある。
 それを母親に怒られるなんてのはそこそこあった。けど『力』、『超能力』とも呼べるこれに目覚めてからはそっちに関心が移って野々野足軽は寛大になった。小頭の反抗的な態度にも「これだからただの人間は」とかいう謎の上から目線で許せる事ができるようになった。
 それは全て力という他の誰も持ってない力があったからだ。なのでようやく距離感が最適になってたはずだ。少なくとも足軽はそうおもってた。
 ベタベタしてる感じではない、普通の兄妹の距離感。それだったはずだ。でも……ここ最近はちょっと違った。なにやらいつでも小頭がついてくる気がしてた。
 いや、少しずつそれは確信へとなっていく。そして今も、わざわざ小頭は何もないとわかってて、足軽へとついてきてる。これはまるで昔に戻ったようだった。小学生低学年から中学年まではこんな感じだった。
 
 その原因も野々野足軽はわかってる。きっと襲われそうになったからだ。きっと小頭は心に傷を負ってしまった。だからこそ、家族の傍を離れるのが怖いんだろう。
 
(まあけどそれならもっと素直になればまだ可愛げがあるけど……)
 
 いきなりの距離感の違い。それに戸惑ってるのは足軽だけじゃないんだろう。小頭もそうだ。そしてここ数年はうまく接してなかったから、距離感と言葉がバグってる感じである。
 近い距離感で罵倒されるという感じになってしまってる。なのである意味この引き気味な状況をちょっと理由しても良いのかもしれない……と野々野足軽は考える。