最近の建売の家やマンションの間取りを見ると大体が個室のバラマキである。
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現在の家のプランには仏間(宗教的な間とでも言うか?)がない。
戦前は仏間、或いは仏壇を置く場所、もしくは、それに替わる宗教的な神域?の安置場所があった。
例え、それらが無くても長押(ナゲシ) ヒトツがあれば其処の小壁に神棚が飾れた。
その長押(ナゲシ)すらないのが最近の家だ。
それでも小さな床の間でもあれば一服の掛け軸が掛けられていた。
家族の集合場所はあれども子供が少し大きくなれば個室を与えて、しかも食事もバラバラになる。
”家族団らん”久しく聞かない言葉だ。
我が家でも子供が小学生の上級生になったころから、そのような家族団欒の記憶は我輩にはない。
まァ それも我輩が常に家にいなかった所為かも?
我輩が子供の頃は一家全員で食事をしていたものだ。
戦前は小さな家のつくりでも「大黒柱」と言うものがあったが、今は全くない。
お寺さんにも大黒さん(お寺さんの奥さんを、そう呼んでいた)がおられた。
然し普通の家の中には奥様は居られても、この大黒さんが居られないのが普通になってきた。
でも中には家の奥様を大黒さんと読んでいる方もいる。
正解かも?
然し肝心の大黒柱は何処かに行っている。
以前は”ホタル族”とも言われ、今は”カプセル族”ともなっている方も見えるとか?
いや~ァ ネット・カフェ~族?かな?シンジラレナイ事だが?
戦前は、この大黒柱を中心に家の構造は纏まっていたが、近世は大黒柱もお飾り的なものになるが、それでも あればなんとなく家のつくりは落ち着いた感じになるようだ。
大黒柱がなくなると同時に家のなかの人の繋がりも薄くなったように感じる。
それでも、せめて奥方さんが大黒さんになっていれば救われる・・・・・。
変な理屈であるが・・・。
小さな原子にも核があるように物は何かを中心に纏まっている。
人も家族も何かを中心に纏まっているものだ。
雨だって大気の中のチリが雨の粒となり地上に降るという。
このチリが無ければ寒い日で吐く息も白くならないとすずかさんのブログに書いてあった。
今の家にはその核(大黒柱、仏壇、床の間 等)の精神的な存在の場所がない。
戦後 それらは合理性の追求の元に排除されたようだ。
なにより「公団住宅」なる寸詰まりの集合住宅が大量に作られて、それがその後のベースになったようだ。
今は、またゴージャスになってきたが、相変わらず精神的宗教的な、シンボルの安置場所はない。
離散家族が増えた。
その原因に家の中の生活様式を見極めた家の作り方もあるのでは?
それは建築家が考える大事なことだと思うが・・・それもどうだか?
日本人の根本的な精神構造が破壊されている今は無理かも?
ハブとなる大黒柱のある家を作らねば・・・・。
ハブは奥様でもいいしご主人でもいい・・・ハブもスポーク、(Hub&spork)も ない家が増えた。
きょうはこれから知り合いの方が田舎に転居されるのでその送別会に行く。
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余録:ツバキの「霊力」 (毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
余録:ツバキの「霊力」
「化け椿(つばき)」という言い伝えが各地に残っている。古いツバキの木が美女に化けたり、へらへらと笑い声を出したり、その下に妖怪の一反木綿が出没したりするという。またツバキの根が光を放って、飛んだというわけの分からない話もある▲狐狸(こり)ならぬ木が化けるというのは、ツバキによほど強い霊力があると思われたのだろう。それと共に八百比丘尼(びくに)がツバキを広めたという伝説が各地にある。人魚の肉を食べ800年も生きた八百比丘尼が諸国をまわり、神木であるツバキによる占いをしたというのだ▲こちらも暖地に自生するツバキが、雪の多い東北地方の海岸にも分布していることと不思議につじつまがあっている。確かに南から来た人がもたらしたようで、これらの地方ではツバキが植わる椿山は神聖視されたという▲こんな話を思い出したのも、東京に積雪のあった先日、雪の中で真っ赤な花をつけたツバキを見て、何かこの世ならぬものを見たようにハッとしたからだ。昔の北国の人も、きっと雪の中に濃緑の葉を保って春の再来を約束するこの木に聖なるものを感じたのだろう▲人の発想は似たもので、欧州で東洋原産のツバキが人気となったのも冬に緑を保ち花を咲かせるところに心引かれたからという。江戸時代の日本で多彩に品種改良されたツバキを欧州に広めたのは比丘尼ではなくて、この「日本のバラ」に魅せられた西欧人であった▲ツバキの霊威が信じられた昔は、この木から魔よけのつえや槌(つち)が作られたという。なるほど一輪咲くごとに、日脚を伸ばし、寒風をやわらげ、他の木の芽もふくらませるその偉大な霊力である。
毎日新聞 2011年2月17日 0時16分
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この毎日新聞の「余禄」は日替わりとなっているので全文を載せた。
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戦前は仏間、或いは仏壇を置く場所、もしくは、それに替わる宗教的な神域?の安置場所があった。
例え、それらが無くても長押(ナゲシ) ヒトツがあれば其処の小壁に神棚が飾れた。
その長押(ナゲシ)すらないのが最近の家だ。
それでも小さな床の間でもあれば一服の掛け軸が掛けられていた。
家族の集合場所はあれども子供が少し大きくなれば個室を与えて、しかも食事もバラバラになる。
”家族団らん”久しく聞かない言葉だ。
我が家でも子供が小学生の上級生になったころから、そのような家族団欒の記憶は我輩にはない。
まァ それも我輩が常に家にいなかった所為かも?
我輩が子供の頃は一家全員で食事をしていたものだ。
戦前は小さな家のつくりでも「大黒柱」と言うものがあったが、今は全くない。
お寺さんにも大黒さん(お寺さんの奥さんを、そう呼んでいた)がおられた。
然し普通の家の中には奥様は居られても、この大黒さんが居られないのが普通になってきた。
でも中には家の奥様を大黒さんと読んでいる方もいる。
正解かも?
然し肝心の大黒柱は何処かに行っている。
以前は”ホタル族”とも言われ、今は”カプセル族”ともなっている方も見えるとか?
いや~ァ ネット・カフェ~族?かな?シンジラレナイ事だが?
戦前は、この大黒柱を中心に家の構造は纏まっていたが、近世は大黒柱もお飾り的なものになるが、それでも あればなんとなく家のつくりは落ち着いた感じになるようだ。
大黒柱がなくなると同時に家のなかの人の繋がりも薄くなったように感じる。
それでも、せめて奥方さんが大黒さんになっていれば救われる・・・・・。
変な理屈であるが・・・。
小さな原子にも核があるように物は何かを中心に纏まっている。
人も家族も何かを中心に纏まっているものだ。
雨だって大気の中のチリが雨の粒となり地上に降るという。
このチリが無ければ寒い日で吐く息も白くならないとすずかさんのブログに書いてあった。
今の家にはその核(大黒柱、仏壇、床の間 等)の精神的な存在の場所がない。
戦後 それらは合理性の追求の元に排除されたようだ。
なにより「公団住宅」なる寸詰まりの集合住宅が大量に作られて、それがその後のベースになったようだ。
今は、またゴージャスになってきたが、相変わらず精神的宗教的な、シンボルの安置場所はない。
離散家族が増えた。
その原因に家の中の生活様式を見極めた家の作り方もあるのでは?
それは建築家が考える大事なことだと思うが・・・それもどうだか?
日本人の根本的な精神構造が破壊されている今は無理かも?
ハブとなる大黒柱のある家を作らねば・・・・。
ハブは奥様でもいいしご主人でもいい・・・ハブもスポーク、(Hub&spork)も ない家が増えた。
きょうはこれから知り合いの方が田舎に転居されるのでその送別会に行く。
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余録:ツバキの「霊力」 (毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/
余録:ツバキの「霊力」
「化け椿(つばき)」という言い伝えが各地に残っている。古いツバキの木が美女に化けたり、へらへらと笑い声を出したり、その下に妖怪の一反木綿が出没したりするという。またツバキの根が光を放って、飛んだというわけの分からない話もある▲狐狸(こり)ならぬ木が化けるというのは、ツバキによほど強い霊力があると思われたのだろう。それと共に八百比丘尼(びくに)がツバキを広めたという伝説が各地にある。人魚の肉を食べ800年も生きた八百比丘尼が諸国をまわり、神木であるツバキによる占いをしたというのだ▲こちらも暖地に自生するツバキが、雪の多い東北地方の海岸にも分布していることと不思議につじつまがあっている。確かに南から来た人がもたらしたようで、これらの地方ではツバキが植わる椿山は神聖視されたという▲こんな話を思い出したのも、東京に積雪のあった先日、雪の中で真っ赤な花をつけたツバキを見て、何かこの世ならぬものを見たようにハッとしたからだ。昔の北国の人も、きっと雪の中に濃緑の葉を保って春の再来を約束するこの木に聖なるものを感じたのだろう▲人の発想は似たもので、欧州で東洋原産のツバキが人気となったのも冬に緑を保ち花を咲かせるところに心引かれたからという。江戸時代の日本で多彩に品種改良されたツバキを欧州に広めたのは比丘尼ではなくて、この「日本のバラ」に魅せられた西欧人であった▲ツバキの霊威が信じられた昔は、この木から魔よけのつえや槌(つち)が作られたという。なるほど一輪咲くごとに、日脚を伸ばし、寒風をやわらげ、他の木の芽もふくらませるその偉大な霊力である。
毎日新聞 2011年2月17日 0時16分
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この毎日新聞の「余禄」は日替わりとなっているので全文を載せた。