ご近所の奥さんが我家に来られて玄関で立ち話しをしている。
「あさってから伊豆に行きますのでよろしく・・・」
と伝えられた。
その方は我家のかみさんと共に町内の会計係りを担当しておられるので、その為に留守の事前の報告でもあるようだ。
「あら~伊豆の温泉に~ィ?」

「いいわね~ェ」
「今年はね 結婚50週年になるので、何処か遠いところに行きたいと思っていたの・・・」
「それで、大分前から、この旅行に備えて5百円玉貯金をしていてそれがね!○○万円も溜まったの・・・」
「そのお金に多少足して少し遠くに行こうと主人と話をしていたのよ~ォ」
「何処へ~?」
「九州の指宿くらい考えていたの・・・」
「それはいいわね~」
我家のカミさんの羨ましそうな声がする。
何故だか我輩の聞こえぬ耳によく聞こえる。
補聴器の調子がいいのかな?
「伊豆なら車で?」
「それがね~ェ」
旅行に行く前に何時もの病院に行ってお医者様に
「今度 九州のほうに○泊○日の旅行に行こうと思っているのですが・・・?」
「旅行の前に先生に身体の具合を診て頂きたいと思い参りました」
そういいますとね。
「九州までは無理です」
「伊豆くらいが、いいです」
と即座に言われたのよ。
「先日のことがあったでしょう」
ご主人は昨年末に身体の調子が悪く暫く入院されていた。
「うちの主人がね 伊豆くらいなら車で行けるな・・」
と呟いたよ・・・・。
「車はダメです」
「どうしてですか?」
「若しも今の状態で車で行かれると、もう、合えなくなるかもしれませんよ」
だって・・・・。
「あらッ・・・」
「それは大変・・・」
「ねェ~ もう会えなくなるんだってと言われるとね~ェ・・・」
「それは困るね~」
「それで行きも、帰りも電車なの・・・」
「でも温泉に行けるだけでもいいじゃない?」
「そうね~」
暫く話声は続いている。
やがて、カミさんが居間に来て
「○○さんはあさってから伊豆に行くんだって・・・」
「ほう いいね」
我輩は玄関の会話は聞こえないことにして話す。
かみさんも、まさか、ツンボの私に聞かれているとは想像もしていないようだ。
「伊豆なら車でか?」
「それが電車だってよ・・・」
「どうして?」
「○○さんのご主人前に身体を壊されて入院されたでしょう」
「うん・・」
「だからお医者様に旅行の前に問い合わせたら車の運転は無理だって言われたそうよ」
「そうかもね・・・」
「それもね、車で行くと、もう私(お医者さま)と会えなくなるといわれたそうよ」
「ナンだって!お医者さんが、もう貴方と会えなくなるといわれたら後は○さんだけだな?」
思慮のない我輩の言葉に
「あんた言っていいことと悪いことがあるわよ!」
えらいことを言っちゃった。
即座に酷く怒られた。
「悪い!悪い!」
「まァ そう怒るな」
こういう時は間髪を入れず怒るタイミングは凄いな!
叱れても納得するから情けない。
我輩など瞬間 はて?と違和感は感じるが、瞬間に怒鳴ることはない。
いつも間延びして怒るタイミングがずれていてさまにならない。
その鈍感な所為かな?かみさんにしてやられるのは・・・。
「なにも感じない?」
「何をって、何だ?」
「ほら もう惚(トボ)けてる?」
「何も惚(トボ)けていないよ」
なんだか言いたそうである。
その内に珍しく
「もう、河津桜は終わっているね・・・」
イロイロと鎌を掛けてくるが、知らぬ顔をして本を読んでいる。
コリャ脈なしと判断したか「女の城」に行った。えッえッへ・・・
そういえば、温泉には随分と行っていないな~ァ。
昔は会社の休暇のときに車で各地の温泉巡りもしたものだ。
我輩も、もう歳だから車は無理だな~ァ・・・。
上原謙と高峰三枝子の宣伝した法師温泉、四万温泉、広い露天風呂がある宝川温泉、など随分とアチコチと行った。
かみさんの「お気に入り」は上杉兼信の隠し湯といわれている「仙仁温泉」だ。
ここは山裾の横に掘られた長い穴倉の温泉だった。
ここは一つ考えるか?秘密で考えるのもいいかな?
生きているうちに、もう一度温泉に行くか?
選挙のバンザイの声がTVからしきりに聞こえてくる晩春の夜である。
「あさってから伊豆に行きますのでよろしく・・・」

その方は我家のかみさんと共に町内の会計係りを担当しておられるので、その為に留守の事前の報告でもあるようだ。
「あら~伊豆の温泉に~ィ?」


「いいわね~ェ」

「今年はね 結婚50週年になるので、何処か遠いところに行きたいと思っていたの・・・」

「それで、大分前から、この旅行に備えて5百円玉貯金をしていてそれがね!○○万円も溜まったの・・・」

「そのお金に多少足して少し遠くに行こうと主人と話をしていたのよ~ォ」

「何処へ~?」

「九州の指宿くらい考えていたの・・・」

「それはいいわね~」

何故だか我輩の聞こえぬ耳によく聞こえる。

補聴器の調子がいいのかな?

「伊豆なら車で?」

「それがね~ェ」

「今度 九州のほうに○泊○日の旅行に行こうと思っているのですが・・・?」

「旅行の前に先生に身体の具合を診て頂きたいと思い参りました」

「九州までは無理です」

「伊豆くらいが、いいです」

「先日のことがあったでしょう」

「うちの主人がね 伊豆くらいなら車で行けるな・・」

「車はダメです」

「どうしてですか?」

「若しも今の状態で車で行かれると、もう、合えなくなるかもしれませんよ」

「あらッ・・・」

「それは大変・・・」

「ねェ~ もう会えなくなるんだってと言われるとね~ェ・・・」

「それは困るね~」

「それで行きも、帰りも電車なの・・・」

「でも温泉に行けるだけでもいいじゃない?」

「そうね~」

やがて、カミさんが居間に来て
「○○さんはあさってから伊豆に行くんだって・・・」

「ほう いいね」

かみさんも、まさか、ツンボの私に聞かれているとは想像もしていないようだ。
「伊豆なら車でか?」

「それが電車だってよ・・・」

「どうして?」

「○○さんのご主人前に身体を壊されて入院されたでしょう」

「うん・・」

「だからお医者様に旅行の前に問い合わせたら車の運転は無理だって言われたそうよ」

「そうかもね・・・」

「それもね、車で行くと、もう私(お医者さま)と会えなくなるといわれたそうよ」

「ナンだって!お医者さんが、もう貴方と会えなくなるといわれたら後は○さんだけだな?」

「あんた言っていいことと悪いことがあるわよ!」

えらいことを言っちゃった。

即座に酷く怒られた。

「悪い!悪い!」

「まァ そう怒るな」

こういう時は間髪を入れず怒るタイミングは凄いな!
叱れても納得するから情けない。

我輩など瞬間 はて?と違和感は感じるが、瞬間に怒鳴ることはない。

いつも間延びして怒るタイミングがずれていてさまにならない。

その鈍感な所為かな?かみさんにしてやられるのは・・・。

「なにも感じない?」

「何をって、何だ?」

「ほら もう惚(トボ)けてる?」

「何も惚(トボ)けていないよ」

その内に珍しく
「もう、河津桜は終わっているね・・・」

コリャ脈なしと判断したか「女の城」に行った。えッえッへ・・・

そういえば、温泉には随分と行っていないな~ァ。

昔は会社の休暇のときに車で各地の温泉巡りもしたものだ。

我輩も、もう歳だから車は無理だな~ァ・・・。

上原謙と高峰三枝子の宣伝した法師温泉、四万温泉、広い露天風呂がある宝川温泉、など随分とアチコチと行った。

かみさんの「お気に入り」は上杉兼信の隠し湯といわれている「仙仁温泉」だ。
ここは山裾の横に掘られた長い穴倉の温泉だった。

ここは一つ考えるか?秘密で考えるのもいいかな?
生きているうちに、もう一度温泉に行くか?
また、一人密かに、ほくそ笑む“くそ爺だ”
選挙のバンザイの声がTVからしきりに聞こえてくる晩春の夜である。
今日は非常に寒く久し振りに防寒着を着ました。
外気温は13度です。
遠方の友は遠くに行きましたが、メールと言う現代兵器(?)があります。
今は友の「メール」を待つのみです。
多分手紙も来るのではと想像しています。
ここの処三浦半島も天候不順で困ります。
「春眠暁を覚えず」のような朝です。
選挙カーのがなり声も消え、静かな朝です。
都合の悪いことは聞こえませんが聞かなくともいいことはよく聞こえるのは私の耳もそうですよ。
相変わらず楽しいブログ、一人ニヤニヤしながら読んでいます。
友との出会いと別れ、その落差は大きすぎますね。