午後の、あの長い長い揺れがあってから。
みんな、片付けに追われていたようだった。
通りすがりの友人宅では、どこもみんな、大忙しだった。
物が落ちた、倒れた、壁がひび割れた。
あたしは、一個も落ちなかったんだよ、と偉そうに自慢したんだが。
実は、大黒柱が斜めに歪んでいた。とんでもない話である。
後で気付いたんだが、外壁、漆喰の壁、あちこちに亀裂が入っていたようだった。
扉が、微妙に傾いて、きっちり . . . 本文を読む
一年前の今日。
あたしは、前日亡くなったコーダを葬ろうとして、朝からさまよっていた。
コーダと離れがたく、まだ雪の残る山中に残すのがしのびなく、つらくて悲しくて。
コーダは8キロ超の巨大猫だが、か細い甘え声の、やさしい男の子だった。
腎臓が悪くて、最後にはやせて、キャットトンネルの中で、ピンクの毛糸だまを抱きしめて
亡くなっていた。
まだまだ、死ぬような状態ではなかったはずなのに、なんで?どうし . . . 本文を読む