日々是迷走中

まったく同じ名前のブログがあるけど、gooのがあたしの。
自称永遠の八歳。
ただし他称、宇宙人。

ママと、お山に行ったのよ

2015-12-14 22:57:33 | 
ママが、なでなでしてくれながら、言ったの。

『もう、そろそろ、行かないと、だよね・・・・。』

あたしは小さな箱に入ってて。
ずっと眠っていたんだけれど。
ママに箱ごと抱かれて、車に乗ってお山に行ったの。

ママは、ずっとおしゃべりしてたよ。
あたしも、いっぱい思い出してた。
海に行ったこと、山に行ったこと、小鳥を追いかけたこと。
お庭に、いっぱい穴を掘ったこと。
ママは、あたしの顔を見て、『鼻に土がついたまんまだよ~^^;』と大笑いしてたよね。

途中で急に車を停めて、ママは、『乾燥剤を入れて、ミイラにしたらどうかしら。』とか言い出して。
あたしはきれいな犬なのよ、ミイラなんか、いやだわ、って思ったら、ママもやっぱり、そう思ったんだって。
けっこうおバカなのね、って、自分で笑ってるのよ、ママってば、おっかしいぃ(;´▽`lllA``)

そうそう、あたしがまだまだ若かった頃、やってきた子は、生後二ヶ月って言ってたけどあたしよりか大きかったんだ。
あの子を、しっかり指導してあげたのは、あたしよ。
ママも『感謝してる。』って、言ってくれたし、あたしも満足だわ。
あの子は、もう、ずっと前に居なくなってしまったけど、ね。
ママは、あの子が行ったところに、あたしを連れて行く、って。
何年ぶりかしら、あの子に会えるのは。

会ったら、最初はくんくん、して、しっぽパタパタして、ご挨拶、よね、やっぱり。
あぁ、楽しみだわ。


たくさんの曲がり角を曲がって、上り坂を登りきったところに、ママは車を停めたのよ。
お山に夕日が沈もうとしていたわ。
ママは、昼前からずっと、あたしとおしゃべりしていたの。
たくさん、たくさん、お話を聞けて、久しぶりで楽しかったんだよ。

しばらく車の横に立っていたママは、後部座席からスコップを取り出して。
道の向うの方に、穴を掘るからね、と、出て行った。
あたしは、箱の中に居るはずなのに、なぜだかママが見えてたよ。

ママは、お目メから、たくさんお水を流してた。
いつもなら、そっとなめてあげるんだけど、なんでかな、あたしは、ただ見てた。
ママはどんどん、穴を掘って穴を掘って、掘り続けて。
まるで、昔居なくなったあの子でも、ゆうゆう入れるんではないか、ってぇくらいに大きくて深い穴を掘って。
あたしは、どうするんだろう、って、ワクワクしながら見てたのよ。

そしたら、ちょっと真面目な顔になって、あたしの方を振り向いて、言ったのよ。

『しまった、間違えちゃった、ちびすけのまねして、いっぱい掘っちゃったわ^^;』

それからまた、しばらく穴を埋め戻していたんだけど。

『これで、よし。』

と言って、あたしの方に戻ってきたの。
そして、あたしを箱ごと抱き上げて、道の向うに連れて行ってくれた。
そして、箱からあたしを抱き上げて、そっとおろしたのよ。

ペットシーツを敷いた、やわらかい土の感蝕は久しぶりにいいにおいがして。
あたしは、昔子どもだった頃から、よくころんころんして遊んでいたこと、思い出したわ。
あたしがゆったり寝られる大きさで、日差しがあったらしく、お日様の匂いがしていたわ。

ママは、あたしを寝かせてから、しばらくの間、ずっと耳や頭や身体をなでてくれていた。
あたし、本当に眠くなってしまって。
耳元に、ママの声がするの。優しい、いつもの声が。

『いい子だね、かわいいね、お利口さんだね、、、』
何回も繰り返すから、あたしはすっかり覚えてしまっているのよ。

それから、車に戻ったママは、やわらかいティッシュペーパーを持ってきて、あたしの顔にかけてくれた。

『おやすみ、かわいい子。生まれ変わったら、また会いに来てね、おやすみ、おやすみ・・・・』

そのあと、あたしの懐に、大きな栗の実をみっつ、抱かせてくれたの。
それから、静かに静かに、あたしの身体にぱらぱらと土をかけて。
やわらかくて、温かい土だから、とても気持ちよくて、あたしは静かに深い眠りに入っていきました。。。。。

みんな、ありがとう。
おやすみなさい。
ママ、大好きだよ。

黄色い皮の丸首輪、一緒に入れてくれて、ありがとう。
ママが『黒い毛皮によく似合ってるね^^』って、いつもほめてくれたから、お気に入りだったのよ、これ。
笑ってる、って言うのね、そうよ、だって、笑ってるんだもん。
お・や・す・・・み・・・・なさ・・・・ぃ・・・・







見た目がまったく変わらなくて、ただ眠っているようにしか見えなくて。
埋めるのに、ずいぶん躊躇しました。
大きな木の下だから、雪や雨はしのげるでしょう。
安らかに眠ってください。
あなたは、とても素晴らしい犬でした。
あなたと出会えたことを、心から誇りに思います。
大好きだったよ、あたしのちびすけちゃん。

合掌。

6 コメント

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ゆっくりおやすみなさい (もっち@)
2015-12-14 23:53:51
魂は抜けてしまっても脱ぎ捨てられた身体に
お別れするのは形がもう見えなくなってしまうのは辛いですよねぇ。

看病されている間も苦しい身体を脱ぎ捨ててからも
元気だった頃からずっと撫でていてくれた温かい手のぬくもりは
ずっとずっと忘れないはず。
やさしく話しかけてくれたことも忘れない。

形がなくなって触れることはできなくなりますが
月日が経てば経つほど想い出は鮮やかになっていきます。

今しばらくこちらで傍にいてくれているであろうちびちゃんと
想い出コースを散歩するのもいいかもしれませんよ
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もっち@師匠、ありがとうございます (otikomi)
2015-12-15 01:55:05
もう、亡くなってからずいぶんと経ってますから、ね^^;
気持ちの整理が、少しはついたかなと思ってたんですけど、ね。
いざとなると、揺らぎましたね。
ダメですね~、笑われちゃいますよね、こんなんじゃぁ。
「ママ、しっかりしなさ~い!!」とか、後ろからハッパかけられてたりして。(-_-;)
だって、ね、なんだかもう、あの子は一生傍に居てくれるような気までしていたんですよね。
無謀な自信というか、不思議ですけど、ずっと我が家の歴史を見てきた生き証人なんだもの。犬だけど。
片腕、とか、相棒、とかって、あたしとあの子のためにあった言葉なんだと思ってました。
室内犬だったし。言葉通じるし。
・・・・・もう、本当に、居ないんですねぇ。。。。。(T^T)

そうですよね、散歩コース、いくつかありますので、全部まわってみようと思います。
どの季節にも、どの時間帯でも、思い出にあふれていますもの。^^
もう、二十年以上経ちまして、町もすっかり様変わりしていますけれども。
そこにもここにも、たぶん、あたしなら「見つけられる」と、思います。思い出のあれこれ。

優しいお言葉を、ありがとうございます。
たぶん、わりと元気です^^
また落ち込むかもしれないけど(ぼそっ)
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そうですか (tappe)
2015-12-15 17:28:19
 一応肉体的なお別れはされたのですね。しかし、心のつながりはより一層強くなられたことでしょうね。
 愛情いっぱい生き物を飼うと言うことはこういうことなんですね。
 これからも何かにつけて思い出すことでしょう。そのときは思いっきり原っぱを駆け回るちびすけの姿をイメージをされるのでしょうね。
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眠っているように  ・・ (首輪のない猫)
2015-12-15 19:48:58
otokomi さん 今晩は
涙 ポロポロ落としながら穴を掘られて つらかったでしょう   ・ ・

それに 眠っているようにしか見えなくて そのお気持ち分かります 本当におっしゃる通りです
ルルが来る前にいたビーグルのタローがそうでした
まるですやすやと寝ているようで 悲しみがツンツン湧き上がってきて
otikokomi さんと同じように何度も何度も撫でて  ・・

どこを見ても何を見ても何をしていても ちびすけちゃんを想う日々が続いて 悲しくて やりきれないと思います
自分がそうだったら と思うと体中で泣いてしまいます
元気出してくださいね なんて言われたくないですよね ・・
otikomi さん いっぱい いっぱい泣いてください きっと涙から 勇気が湧いてきます

ちびすけちゃん 必ず会いに来ますよ
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tappeさん、こんにちは^^ (otikomi)
2015-12-16 12:52:16
心に沁みるコメント、ありがとうございます。
書いてくださった当初、泣けてしまってすぐお返事できませんでした、ごめんなさい。

最初から、わかっていること、なんですよね、いつか必ず別れが来る、って。
だから、最後までしっかりと向き合って毎日を過ごしたい、です。
犬でも猫でも、人間でも。

走りまわるちびすけも、お膝に手をかけて甘えるちびすけも、くーかくーか、お腹を出して眠っているちびすけも。
お水を飲んでいるところ、骨を両手でしっかり抱えて齧ってるところ、毛布を鼻づらで押して遊んでいるところ。
きらきらのお目々、すねた目つき、何かに夢中の姿。
あんなこと、こんなこと、もっともっと。
いろんなこと、あらゆる姿、いつでもどこででも、思い出せます。
形は、土の下に入ってしまいましたが、存在そのものは、もう、あたしと同化してしまった、ようですよ^^;
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首輪のない猫さん、こんにちは^^ (otikomi)
2015-12-16 12:58:48
優しいお言葉を、ありがとうございます。
お言葉に甘えて、本当に、いっぱい、泣いてしまいました。
泣こうなんて思ってなかったんですけど、もう、勝手にどーどー目から水が出てきてしまって^^;
あたしってば、こんなに水を蓄えていたのねぇ、と感心してしまったくらいです。
でもね、不思議なんですけど、それが、辛い涙、ではないんですよ。どうしてなのかしら。
悔しいとか切ないとか、そういう感情みたいなものが、なんにもなくて、ただただ「まさに、水が出ている」みたいな。
そして、泣いた、泣ききったあとには、深く眠れてしまいました。
きっと、ちびすけ、お布団にもぐりこんできて、一緒に寝ていてくれたかもしれませんね。^^;
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