心臓が痙攣する「心室細動」を起こした人に電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器AEDが、一般の人でも扱えるようになってから2024年7月で20年を迎えました。大阪芸大では、5カ所にAED(自動体外式除細動器)が設置されています。万が一の出来事に備えて、いまいちど設置場所と使い方を確認しておくことが大切です。<曽我亮翔>
▽AEDとは
AEDは「Automated External Defibrillator」の略語で、日本語では「自動体外式除細動器」と呼ばれる「高度管理医療機器」です。心臓が痙攣し、血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
以前は医師など、限られた人しか使用が許されていなかったAEDですが、2004年7月から一般の人でも使えるよう規制が緩和されました。AEDは、救命時に必要な操作などを音声や光で案内するため、一般の人でも救命活動を行えます。
大阪芸大では、
● 11号館の正面玄関横
● 20号館下ピロティ
● 9号館1階エレベーターホール
● 保健管理室前の廊下
● 体育会クラブハウス
の5カ所に設置されています。
(画像:大阪芸大のAED設置場所)
AED情報サイト「AEDライフ」=https://www.aed-life.com/information/aed/
セコムのAEDサービス=https://www.secom.co.jp/business/medical/aed_column/04.html
心停止や呼吸停止となる可能性のある傷病を未然に防ぐことが重要ですが、心停止の可能性がある人を発見したら速やかに119番通報を行います。
突然人が倒れたら…
①周囲の安全確認、傷病者に近づき反応(意識)を確認します。反応がなければ、大声で叫び応援を求めます。
②119番通報を行います。
②AEDを現場に届けてもらうよう周囲の人に要請します。AEDがすぐ近くにあることが分かっている場合は取りに行きます。
119番通報すると、通信司令員が電話を通じて、行うべきことを指導してくれます。
③傷病者の胸とお腹の動きを見て「普段どおりの呼吸」をしているか10秒程度確認します。「普段どおりの呼吸」でない、分からない場合も心肺蘇生を開始します。
④心肺蘇生(胸骨圧迫、人工呼吸)を実施し、AEDが到着したら指示に従い電気ショックを行います。
AEDはパッドを貼ると、電気ショックが必要かどうか自動的に判断します。
「ショックは不要です」と音声メッセージが流れた場合には、直ちに心肺蘇生を再開し、救急車が到着するまで継続します。
その場に居合わせた人が心停止をいち早く認識し、周囲の協力が得られると、119番通報できるタイミングも早くなります。
素早い医療機関での処置が大切な命を救うことに変わりありませんが、救急車が駆けつけるまでの応急手当が、その後の救命の可能性を高めます。
了