「地方の時代」映像祭2024年の入賞作品が、9月17日午後に発表され、大阪芸大放送学科から大坪千成さん制作の『身近に迫るため池水害 51人犠牲 鳥取池の教訓』と、左海一花さんの『母について』が入賞しました。11月9日(土)には、グランプリが決まります。<森下菜穂>
(写真:「地方の時代」映像祭サイトから)
「地方の時代」映像祭は、吹田市、関西大学、日本放送協会、日本民間放送連盟、日本ケーブルテレビ連盟が主催する地方文化を映し出した映像作品を対象としたコンクールです。放送局部門(参加144作品)、ケーブルテレビ部門(同58作品)、市民・学生・自治体部門(同80作品)、高校生(中学生)部門(同38作品)の4部門に分かれています。
今回、市民・学生・自治体部門の80作品の中から、大阪芸大放送学科の2人が入賞。
2024年アナウンスコース卒業の大坪千成さん制作の「身近に迫るため池水害 51人犠牲 鳥取池の教訓」は、地元でもほとんど忘れられていた、1952年(昭和27年)のため池決壊をテーマにしたドキュメンタリー。家族を失った女性の証言を丹念に取材し、全国有数のため池密集地の大阪府南部に潜む、「ため池水害」の危険性を指摘しました。作品が入賞したことを知って、大坪さんは、「あの労力が報われたと思えばありがたく、しかし何よりも取材に協力いただいた方々のおかげ。皆様に感謝、ただそれだけです。」とコメント。
広告コース4年生の左海一花さん制作の「母について」は、自ら命を断とうとした母親へのインタビューから、精神疾患に悩む当事者に対して、家族や社会は何ができるのか、見る人に問いかける内容です。左海さんは、「やっと憧れの先輩に追いつけた!という喜びで胸いっぱいです。卒業までに成し遂げたかった事なので、4年生で目標を達成することが出来て本当にうれしいです。」とコメントしています。
大坪さんは、この作品を通して、「私たちの暮らしのすぐ側に水害は潜んでいて、いつ襲ってくるか分からない。少しでも、ハザードマップを見てみようとか、避難所を確認しようとか、考えるようになってもらえたら報われます。」といいます。
「うつ病や躁鬱という言葉は日常生活でよく見かけるようになりましたが、実態を知っている人はそれほど多くないのかもしれないと思った」、という左海さん。「精神疾患で悩む母の姿を長年見てきた家族の私ができること、支え方、向き合い方に着目し、取材を重ねました。この制作・作品を通じて、私たち家族がより良い方へ向かうことはもちろん、世の中で同じように苦しい思いをされている方とその周りの方の心の支えになれたら…。」とメッセージを寄せてくれました。
11月9日(土)には、贈賞式が大阪府吹田市の関西大学 千里山キャンパス100周年記念会館で行われます。贈賞式では、優秀賞、選奨、奨励賞が決められます。
《「地方の時代」映像祭2024》
●日時=11月9日(土)。
●場所=関西大学 千里山キャンパス 第3学舎ソシオAV大ホール 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号[地図]。
●主催=吹田市、関西大学、日本放送協会、日本民間放送連盟、日本ケーブルテレビ連盟。
●「地方の時代」映像祭サイト=https://www.chihounojidai.jp/work/2023.html。
●問い合わせ=電話 06-4256-8485。
了
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