大阪芸大ジャーナリズム研究会

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放送学科トイレ洋式に「モチベーションが上がる」 「8号館改善して」の声も

2023-05-07 09:45:28 | ニュース

 大阪芸大6号館(放送学科棟)の唯一のトイレが、洋式になって1か月。センサーで自動で水が流れたりするなどの「進化」を遂げました。学生に聞くと「きれいになって満足」、「モチベーションが上がった」といった声が聞かれる一方、女子トイレの個室減には「残念」の声が。また8号館のトイレも改善してほしいという声があがっています。学生、教員、副手あわせて45人にきいたアンケート結果からは、大学全体の環境をどう考えるか、というテーマが見えてきました。<小畠綾花、宮原裕、大坪千成、前田美空、河本ひかり、善家碧唯>

(写真:洋式に改修された6号館放送学科棟2階の男子トイレ。小便器はあさがお型から縦型へ、センサーで水が流れる仕組みに進化 2023年3月22日撮影 )

 2月末から始まった放送学科棟の6号館2階のトイレ工事。3月下旬に、照明もまぶしい新しいトイレの使用が始まりました。2019年度入学生の卒業式直前の完成。学科内では、「昭和のトイレが、やっと令和のトイレになった」という声が上がりました。創設からまもなく55年になる放送学科のトイレが洋式になった「歴史的瞬間」でした。

 これまでの6号館トイレは、古色蒼然。「中学の体育館のトイレみたいな感じだった」(3年女子)。
 女子トイレは和式が2つ。水洗レバーが床から20cmほどの低い位置にありました。
 男子トイレは、小便器は「あさがお」といわれた小型で、ボタンを押して水を流していました。個室はどちらも、しゃがんで使う和式でした。

 3月下旬に「新装オープン」となったトイレは、個室は洋式になって温水洗浄便座に。古式ゆかしいレバーから、ボタンを押して流す形式に。男子トイレの小便器は、縦型でセンサーで水が流れる仕組みに進化しました。
 「気分が上がる」(4年男子)、「トイレがきれいで使いやすいと、モチベーションが上がる」(2年女子)という効果があるようです。

▼きれいになって「感激」の声
 学生アンケートからは、「サイコーですっ!」(2年男子)という感激の声が聞かれました。
 「清潔感があって良い。手洗い場も鏡がきれいになって身だしなみを整えやすい」(3年女子)
 「汚そうで近寄りたくなくて、いつも遠いトイレに行っていたので、すぐに行けるようになったのはうれしい」(2年女子)
 「実習中、遠くまで行かずに気軽に使えてありがたい」(4年女子)
 学びの場としては、この1か月で良い効果が出ているようです。
 少数意見として、「私潔癖症やから1つぐらいは(体に触れない)和式を残してほしいって思ってる」(2年女子)という声も。

▼「改修知らなかった」が4分の1
 ところが、使用開始から1か月たったにもかかわらず、改修を知らないという声が45人中10人もいました。
 「なぬ。もうトイレ新しくなったんか!知らんかった」(4年女子)

 春休み中の工事だったこともありますが、「6号館を使わないから行っていない」(2年女子)という声からは、これまで、他棟のトイレを使う人が多かった実態がうかがえます。放送学科の学生や教員は、使いやすいトイレを求めてさまよっていたのです。
 「よく使うのは9号館のトイレか11号館のトイレ」(3年女子)
 「音楽学科の4号館のトイレを借りていた」(教員)
 7号館の映像学科棟、遠くは11号館、総合体育館のトイレを使用してきたという声もありました。
 放送学科棟2階はテレビスタジオ副調整室と研究室しかないという建物の構造にも、利用者が少ない原因があるかもしれません。

▼女子の個室減には「残念」の声
 アンケートからは、新しいトイレにも課題があるという声が聞かれました。とりわけ、女子の個室が半減したことについて残念という声は大きいようです。
 「1室に減ったのが残念。最低でも2室は欲しい」(3年女子)
 「2つあると思ってあけたら、用具入れでした…。」(2年女子)という声は、笑えません。
 新型コロナが5類になるのを前に4月下旬にペーパータオルが撤去されたことから、「ハンドドライヤー(手を乾かす機械)を設置してほしい」(3年男子)という声も、男女双方からでています。

▼8号館のトイレ改修を急いでほしいという声も
 6号館が改修されたと喜んでばかりはいられないという声もあります。
 「8号館もまだ和式のトイレなので改修していただききたい」(4年男子)という声は、5人に1人からあがっています。

 「昭和感あふれるトイレがきれいになって良かったです」(4年女子)という反響がある一方で、「やっと『平成』に追いついただけ」(2年女子)という声もありました。

(写真:現在の8号館のトイレ。男性用小便器はレトロなあさがお型。 2023年5月9日撮影 )

▼バリアフリーの発想を盛り込んで
 6号館が洋式トイレになったことは、私たちが「大学の環境とは何か」を考えるきっかけになったようです。だれでも、がまんせず清潔に排泄できることは健康にとっても大切です。どんな人でも利用できる、バリアフリーな構造も大切でしょう。

 アンケートに答えた教員・副手からは、「学内全体のバリアフリーのレベルを見直してほしい」、「トイレもそうだが、階段や急勾配の坂など、5〜6年経っても変わってない」という意見が出ています。
 オープンキャンパスや体験入学で訪れる受験生に対して“良い学びの環境”とはなにか、トイレはそれを示す場所でもあります。
 今回の改修で、放送学科6号館のトイレは半世紀以上経ってようやく洋式になったわけですが、バリアフリー化はされていません。車いすではこの2階にも行けないのです。

▼学びの環境としてのトイレ
 多くの学科の講義が行われる9号館のトイレは2022年度に洋式に改修。ただ、入り口に段差があり、「個室の数が少ないから、ずっと並んでる」(2年女子)という回答も見られます。
 男女の便器の数のバランスも適正かをみる必要もありそうです。あくまで公衆トイレの例ですが、イギリスの王立公衆衛生協会が行った調査では、便器の数の男女比は1対2が適切とする、という報告書が発表されています(BBC 2019年5月24日報道 日本語版 https://www.bbc.com/japanese/48392849 、英語版 https://www.bbc.com/news/health-48367242 )。

 そのほか、今回のアンケートでは、
「(よく使う)映像学科のトイレの換気が悪い」(2年女子)
「11号館の『音姫』を修理してほしい」(2年女子)
などの声も聞かれました。

 複数の学科が使用する講義棟の8号館の早急な洋式化をふくめ、「令和」のトイレはどうあるべきなのか。
 今回のアンケートからは、バリアフリーの発想もふまえた、大学全体の環境を考える時期にきているのではないか、というテーマが見えてきました。

【放送学科トイレ改修から1か月アンケート】
回答45人(学生40人、教員3人、副手2人 自由記述)
▽良かった うれしい………25人
▽改修を知らなかった………10人
▽8号館も洋式にして…………9人
▽女子の個室減は不満…………6人 
▽ハンドドライヤーがほしい…4人
(2023年4月27日、28日放送学科で調査)

(画像下:改修前の6号館のトイレ。2020年の「アナウンス実習1」の発表会映像から)

 


大阪芸大の「体験入学」 6月11日(日)に実施

2023-05-05 17:51:27 | 告知記事

 大阪芸大は、高校生を対象に6月11日(日)に「体験入学」を実施します。参加には申し込みが必要で、申し込みの受付開始は5月中旬を予定しています。今後の体験入学の開催日程は、8月6日(日)と10月22日(日)です。<善家碧唯>


(公式HPの画像)

申し込みにはアカウントの作成、またはログインが必要です。
https://taiken.osaka-geidai.ac.jp/application/form/?schedule_id=53
※メールが届かない場合は「osaka-geidai.ac.jp」を受信設定で許可してください。
大阪芸術大学からのメールが届かない場合は、こちらを確認ください。
http://oua.osaka-geidai.ac.jp/geidai/kh/mail/

 2023年3月・6月・8月の体験入学受講修了者は、総合型選抜入学試験(1期)[2023年9月実施]、2023年10月の体験入学受講修了者は、一般選抜入学試験(1期)[2023年11月実施]の入学検定料が半額になります。
※内容は状況により変更または中止になる場合があります。
※入学検定料半額を希望される場合は、受講終了後のアンケート提出が必須です。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、入口での体温測定、距離を保つ座席配置、定期的な換気を実施、消毒液を各会場に設置をしています。

詳しい内容は公式サイトで。
公式サイト=https://taiken.osaka-geidai.ac.jp/

《大阪芸術大学「体験入学2023」》
●日時=2023年3月5日(日)。
    1限(10:30~12:00)。
    2限(13:10~14:40)。
    3限(15:00~16:30)。
  2~3限(13:10~16:30)。
●受け付け開始=2023年2月14日(火)13:00~。定員に達し次第終了。
●申し込みフォーム=https://taiken.osaka-geidai.ac.jp/application/form/?schedule_id=53
●場所=大阪芸術大学(〒585-0001大阪府河南町東山469)[地図]。
●アクセス=近鉄長野線「喜志」駅下車。大阪芸大スクールバスで約15分。(その他からのアクセスはこちら→ https://www.sanpou-s.net/search_event/event/230305/ )。
●公式サイト= https://taiken.osaka-geidai.ac.jp/
●問い合わせ=大阪芸術大学 入試課。
TEL:0721-93-6583(月~金)9:30~17:00(土)9:30~12:00。
●主催=大阪芸術大学。
●授業内容=
▽体験入学1限(10:30~12:00)
超ワクワクするアートサイエンス作品集「これがアートサイエンス作品だ」
空間デザイン実習 〜明かりと空間〜
特殊映像論
建築・環境デザインの世界
特撮模擬撮影
ゲームエンジン入門
フィギュア制作体験
エッセイ創作演習
先端メディアコミュニケーション演習
芸術計画論∼芸術計画の学び∼
舞台芸術概論
音楽科指導法(楽しく学ぶ指導法について)
音響処理プログラミング実習
身近にあるクラシック音楽
身近にあるクラシック音楽Dr.&Ba.リズム基礎
音楽運動療法演習

▽体験入学2限(13:10~14:40)
比較鑑賞で楽しく学ぶ美術の世界
錫鋳造実習
りんごデザイン研究所
スタジオ撮影実習
ドローン体験実習A
建築造形演習(模型制作体験)
デジタル映像演習
キャラクター描画演習
アニメーション制作演習
現代小説創作演習
アートプロデュース演習
合同舞台演習Ⅰ
作曲演習
声楽体験レッスン
ピアノ体験レッスン
管弦打体験レッスン
DTM実習
ギターグループ演習
芸術表現演習(造形)

▽体験入学2限(13:10~14:40)
比較鑑賞で楽しく学ぶ美術の世界
錫鋳造実習
りんごデザイン研究所
スタジオ撮影実習
ドローン体験実習A
建築造形演習(模型制作体験)
デジタル映像演習
キャラクター描画演習
アニメーション制作演習
現代小説創作演習
アートプロデュース演習
合同舞台演習Ⅰ
作曲演習
声楽体験レッスン
ピアノ体験レッスン
管弦打体験レッスン
DTM実習
ギターグループ演習
芸術表現演習(造形)

▽体験入学3限(15:00~16:30)
版画実習 「モノタイプ版画」
デジタルデザイン実習〜オリジナルデザインで自分だけのタンブラーを作ろう!〜
ドローン体験実習B
「さかさま写真論・撮影から始まる写真表現」
建築3DCAD演習
デジタルキャラクター論
デジタル描画演習
ライトノベル創作演習
イベントプロデュース論
合同舞台演習Ⅱ
ポピュラーダンス演習
音楽音響学
声楽体験レッスン
ピアノ体験レッスン
管弦打体験レッスン
ポピュラーピアノ演習
ポピュラーコーラス
器楽合奏法(初等)

▽体験入学2~3限(13:10~16:30)
「xRを用いたメタバースへの没入体験」実習
陶芸実習
染色実習
ガラス工芸実習
声優&アナウンス実習
テレビスタジオ実習
ミュージカル演習


雨の天の川通りに学生ずらり なぜ伸びたバス待ち長蛇の列

2023-05-01 20:28:59 | ニュース

 4月25日の夕刻、雨の降る天の川通りに、200人を超える傘をさした学生が並ぶ動画がツイッターにアップされました。55秒の映像には、約1万9000件の閲覧数が。なぜ、帰りのスクールバス待ちの列が異常に伸びたのか。バス会社は「通常の運行だった」と証言。学生からは「こんなに長い列は初めて見た」という声があがっています。列がここまで伸びた原因を取材しました。<宮原裕>

(2023年4月25日18時34分に投稿されたツイッターの動画。撮影:torikengoesonさん)


▽キッチンカー横まで伸びる長蛇の列 雨の中200人超える学生

 4月25日18時20分ごろ、雨が降る中、大阪芸大の真ん中の天の川通りに傘をさした学生たちの長蛇の列ができていました。
 ツイッターにアップされた映像には、帰りのスクールバス(芸バス)に乗ろうとする人たちが、20号館ピロティーのキッチンカー横まで約270mにわたって、数えられるだけでも200人以上が雨の中で並んでいる状況が写っています。
 ツイッターには、「やばかった」、「マジなのか…」、「ポケカ販売の列がここまできたのか」など、あまりの列の長さに驚く反応が。55秒の映像には、約1万9000件閲覧数と、4700件近くの再生数が記録されています(4月29日22時30分現在)。
 4年生の記者も、ドレミの広場まで伸びた列は見たことがありましたが、ここまで長い列は見たことがありませんでした。


▽ツイッターの映像 5000件近くの再生数

 撮影したtorikengoesonさん(放送学科3年)は、「まず最初に思ったのはなんだこりゃっていう素直な驚きと、どうしてこんなことになってるんだという疑問ですね」と、取材に答えてくれました。
 たまたま通りかかった2年生男子は、「何の行列なんだと一瞬戸惑う思いと、梅田バスで帰宅できる自分はラッキーだという思いでした」と振り返ります。


▽バス会社は「通常の運行」「傘で列が伸びたのでは」

 バスの運行に事故などがあったのか?MK観光バスの営業所に取材すると、「この日のバスは18時台に19台を運行しています。通常通りです。道路状況も特に普段と違うところはありませんでした」と、特段異常はなかったといいます。
 考えられる可能性として、「火曜日(の夕刻)は人が多いのではないか」、「傘の影響で列が長くなったり、乗車に手間取ったりしたこともあるかもしれない」とも話します。
 「列が長くても、そこまで並んでいた時間は長くなかったと思うんですけどね」と答えてくれました。


▽雨天と帰宅新入生の多さ 原因が重なる?

 学園祭実行委員会の役員をしているというtorikengoesonさんは、動画に収めた映像をこう分析します。
 第一に雨天だったことをあげます。「自転車で喜志駅周辺に帰宅する人たちもバスに流入。いつもは近隣のスーパーなどで買い物しながら徒歩で帰る人もバスに流れるでしょう」。
 もうひとつ、新年度が始まって間もない時期からということも指摘。「サークル活動の所属が決まっていない新入生は、授業後そのまま帰宅する人がほとんどなので、この時期はバスが例年混みやすい傾向がある」と解説。
 雨とこの時期ならではの学生の動向が重なって、思わぬ行列ができたのではと考えています。


▽11号館前ロータリーの構造も要因か

 朝の混雑とは別の事情も帰宅時のバスには存在します。
 本来なら学生が分散するはずの夕刻ですが、喜志駅前のバス停ではバスが7台ほど同時に待機することが可能なのに比べて、11号館前のロータリーには5台ほどしか待機できません。しかも撮影された 時間帯には、18時45分発の梅田行きバスも待機していたとすれば2、3台の待機が限度。
 しかも、坂の上り下りは交互通行するルールになっているため、バスの入れ替えが喜志駅の乗り場ほどスムーズにいかないわけです。


▽混雑予想はできないの?

 撮影者のtorikengoesonさんは、「大学側はこの事実を認識して、手立てを打つ必要があるのでは」と取材に答えてくれました。
 混みやすい曜日や、天候、時間帯を把握したうえで、「大学はそれをわかりやすく告知してほしい」という声も学生のあいだから出ています。
 「テーマパークでは混雑予想もでているし」とtorikengoesonさん。「昔、芸バス乗り場として使用されていた坂下の停留所も利用して、(坂上のロータリーと)坂下の停留所を並行して運用するなど工夫できないでしょうか」と、バス乗り場の構造上の問題についても改善の余地があるのではないかと指摘しています。


(画像:動画の行列の様子)