大阪府南河内郡千早赤阪村にある棚田を使って、9月7日、大阪芸大生とこども園の園児がフィールドワークを行いました。学生が制作した竹の柵や堀がめぐらされた遊び場で、園児たちが元気に走り回りました。<大坪千成>
(写真:棚田を使った遊び場で尻尾を取り合う園児。2023年9月7日撮影。)
9月7日、大阪府南河内郡千早赤阪村の棚田で、大阪芸大生と、河南町立中村こども園の園児50人が交流しました。
この催しは、大阪芸大の若生謙二(わこう・けんじ)教授が、眠っている棚田を活用するために「フィールドワーク実習」の一環で企画したもので、受講生の、建築学科・馬場紳平(ばば・しんぺい)さんと水谷桃菜(みずたに・ももな)さんが園児とふれあいました。
(写真:園児に挨拶をする若生先生たち。)
この遊び場は、穴の深さや竹の柵が園児の身長に合わせて調整されていたり、園児たちが普段遊んでいる場所に近づけるように設計されていたりと、学生たちが、子どもたちの環境を考えて作りました。
(写真:堀にかけられた橋を渡る園児と見守る水谷さん。)
園児たちは、初めは自由に遊び場へ散らばると、設置された梯子を掴んで斜面を登ったり、水の中の昆虫を観察したりと、思い思いに遊んでいました。若生先生は「うれしそうな顔をしてる」と満足そうに記録します。
(写真:梯子を握って斜面を登る園児。)
(写真:遊ぶ園児たちを記録する若生教授。)
その後、園児は2つのチームに別れて、尻尾とりゲームを始めました。ズボンに挟んだ尻尾に見立てたビニールを取って、相手チームより多く尻尾を集めたチームの勝利です。水谷さんの号令でゲームが始まると、園児たちが一斉に走り出します。
(写真:2チームに分かれて作戦会議をする園児たち。)
(写真:尻尾に手を伸ばす園児。)
最後に、水谷さんが食パンチームの勝ちを宣言すると、園児たちは大きな歓声をあげていました。
園児は、「虫を捕まえた」と自然を楽しんだ様子。「青い尻尾を取った。楽しかった」と笑顔を見せていました。
水谷さんは「(この活動は)先輩たちの時代からやっていて場所も移り変わってきた、この場所で始めたのは1、2年前から。今日初めて子どもたちが来ました」と振り返ります。
元気よく遊ぶ園児たちを見て、「想定とは違う遊び方をする園児もいて、こっちも勉強になりました。楽しそうに遊んでくれてよかったと思います。」と笑顔を見せていました。
馬場さんも「活発で激しくて、積極的に関わってきてくれるので、こっちも関わりやすかったです」とうれしそうに話します。大学と地域が交流することについては「いいことだと思っています。これからも(交流が)授業で増えていけばいいなと思っていて、学科関係なしに地域と関われたら、地域を活気づけられると思う」と展望を話していました。
大学生と地域の子どもたちの交流を通して、自然を新しく活用するモデルが注目されています。
了