ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

廃墟

2010-08-16 16:23:03 | 森林鉄道物語
 森林鉄道の遺跡案内について、考えていたのです。昨夜、本当に深夜に本を読んでいたのですが、その中にこうした記述がありました。

 この世で「廃墟」が一番美しい。というのです。

 廃墟の中に露出している歴史を見て、人は感動する。

 人間がさんざんと一生懸命になって美を作り出そうとして、完成できなかったものを、物理的な自然と時間が完成させる。しかも今も見ているのは、その完成と崩壊のプロセスである。いまでも美が完成しつつあると同時に、消え去ろうとしているところを目撃するわけです。それが感動を生まないわけがない。

 廃墟をそのままで美しいと考える。この考え方は本来日本人独自の発想かもしれません。

 森林鉄道の遺跡群や登録文化財を美しいものとして表現する、言葉に置き換える作業が必要なのです。しかし語彙の不足はどうにもならないのですが、さて・・・。 



 今回の仕事は、廃墟を前に、往時をしのび、輝きを想像して感激するより、今あるがままの廃墟の美しさを伝える作業なのです。

 どこまで出来るか。自分に期待してみたいところです。
 日本人は、布の断面を見て、キレッパシカラ、全体像を見ようとする。そうした美意識を持っている人達であるはずだから、言葉足らずの私の話にもなんとかついてきてくれるでしょう。
 感動は、ある種イマジネーションの産物でもあるはずですから。

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