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怖がられている者よりも愛してる者の方を、容赦なく傷つけるという性質

2023-01-08 20:29:55 | 日記
私は愛されるよりも怖がられる方が君主にとって安全な選択であるといいたい。

なぜなら、人間には、怖がられている者よりも愛してる者の方を、容赦なく傷つけるという性質があるからだ。

人間というものは、恩義の絆で結ばれている愛情などは、利害が絡むとなれば平然と断ち切ってしまうものである。一方、恐怖でつながれている場合は、復讐が恐ろしく、容易には断ち切れない。

マキアヴェッリ語録 塩野七生:著 「君主論」より

あくまでも命を賭す政治的な立ち位置にある者が立志すべき項目を挙げているのであり、人間的なありようの善悪を話してるのではない。

「先ず生き残れてて」こそ、優しいだの施しだのを口に乗せられるのであって、周囲一帯を「自分を保護・擁護に能う存在」せしめる方法論をここに書いているのだから、恐怖を選択しやすくあるのは、生存戦力として頭ひとつ優しさよりも秀でてるということでしょう。

生ぬるさの発生

2023-01-08 20:18:18 | 日記
頭にしかと入れておかねばならないのは、新しい秩序を打ち立てるといことくらいむずかしい事業はないということである。(中略)

なぜなら実行者は、現体制かで甘い汁を吸っていた人々全てを敵に回すだけでなく、新体制になればトクをするであろう人々からも、生ぬるい支持しか期待できないものだからである。

この生ぬるさは、ふたつの原因から生まれる。第一は、現体制を謳歌している人々に対する恐怖感であり、第二は異例の新しき事への不信感によるものだ。

マキアヴェッリ語録 塩野七生:著 「君主論」より

なにごとにも最初はある。従来との決別があるさなかを、指導すべき存在は期待半分、様子見半分で値踏みを格下の存在からも生意気にも強いられる。その刹那に全体を俯瞰(ふかん)で「見極める」裁量を、自分に付与できる人は稀でしょう。

それだけに事前にこうした事例溢れる歴史史観からの警告に耳を貸すべきです。「既に利得を得た者」の執着は、「なくなるかもしれない」という恐怖の裏打ちから逃れられない。新規の輩からは積極的な助力が請えない上に、「生ぬるい支持」しか期待できないそうである。まずここまでなら、事前に肚に据えておける項目ではないか。

生ぬるさの発生は、「新しい秩序」が来たせいで発生したのであり、因果関係がある。平易に切り捨てたり、見過ごしてたりすると、上述のように「既得権益の喪失」に実体以上の怨恨を囲いかねない事実に、市井の心情は簡単に参ってしまう事を、この言葉たちから肚(はら)に入れておくべきだ。
頭にではない。肚の方にだ。理屈で覚えておくのは良くない。

善を連れもきもすれば、悪も共に連れてくる

2023-01-08 20:10:52 | 日記
古代ローマ人は、現代(16世紀)の智慧者たちがよく口にする、時の恵みを待つ、という態度を好まなかった。それよりも、彼ら自らの力量と判断力の方を頼りにしたのである。
というのも、時は一切のものをもたらすからであり、それゆえ、善を連れもきもすれば、悪も共に連れてくるものだからである。
マキアヴェッリ語録 塩野七生:著 「君主論」より

さすがと唸るのは「一切のもの」のうちに「悪」が含みおかれる視座だ。私たちはともすれば自分に優位で善良であるものを未来に期待しがちであり、積極的にそこへ弊害が含まれる事を進んで思案しようとするものではない。仮にそう察せられたところで、思案の時のうちにそれを案じたところで詮無き事柄にも捨て置ける。可能性について論じたい訳ではないので、こうした歴史からの慧眼とあれば、すんなり受け入れやすく感じるのも実に妙な気分です。