ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

ゲイ、自分たちの生命を守ることとカミングアウト

2007-11-27 02:06:20 | Weblog
世界エイズデーの12月1日に向けて、予防啓発のイベントが目に付く季節です。

忙しい日常生活で忘れがちなHIVのことを再確認する時でしょう。

地元愛媛でも今年は10名もの感染者が判明しており、ここ数年では最多!!
そして、そのほとんどが「発症後に判明する」という大変な事態となっている。

啓発がまったく届いてない、行動に伴っていないことが伺える。
もう少し早く、検査を受けて治療を開始していれば・・・

HIVに感染しても5年から10年は潜伏したままで、体調も変わらない
検査しなければ分からない。知らぬ間に時を過ごしてしまうのです。
そして発症してしまうと今の医療では治療が難しい。

発症前に治療を開始できれば、発症を遅らせる治療がほぼ確立されているので
早く感染を知ることは本当に大切なことなんです。


同性間の感染が多い理由は少ない人数の中で、密度の濃い人間関係となってしまう
ことにあるのだけど、その分広がりは早い。

だからゆえに同性愛者はより意識してセイファーセックスを心がける必要がある。

しかしながら、そのセイファーセックスの声掛けというのは簡単では無い。

一般社会でも、その蔓延は大変憂慮されているが実際的な予防啓発の声掛けは
ほとんど出来ないでいるのが現状だ。
実態に応じた啓発は性的話題を避ける風潮からも出来ないままだ。

隠れた存在の男性同性愛者へも同じように届かないでいる。

現在、感染者の6割が男性同士の性的接触。

人口の1割でしかない同性愛者の中でこの6割もの数を出しているのだから
いかにゲイコミニティが予防啓発に意識をせざるを得ないかもはっきりしている。

どのようにして、自分たち仲間同士で声を掛け合っていくか?
隠れた仲間にも伝えていくにはどうすればよいか?
本当に悩ましく考えているが、非常に難しい。

同性愛者はそのまま滅亡してしまえばいいんじゃん?関係ないし・・
そんな声も聞こえてきそうだ。(滅亡もしないし、次々現れてくるのだけど)

実際、これだけの社会問題になりながら予防啓発の予算は年々削減され
同性愛者向けの啓発など、ターゲットを絞った行動はまだまだ。

かといって、ゲイは感染率の高い集団であるからとターゲットを絞って単純な啓発
をしてしまうと、同性愛者への偏見をより社会に巻き起こしてしまう心配が強い。

とはいえ、何もしないでいればドンドン状況は悪くなる
この板ばさみ・・どうしたものか

自分たちの生命を守ること、これを行政に求めていくには
堂々と、同じ市民であると言えるカミングアウトが伴ってくる。

自分たち自身が、自分たちやその仲間をどう守れるか?と考えるとき
自分たち自身が自己確立することが早急に求められることになるのだけど
その準備は出来てるのだろうか?

以前、エイズパニックに襲われた欧米のゲイたちは
まさに自分たちの命を軽くしないために社会への行動を起こし
カミングアウトなどゲイとしての自分を前向きにとらえ自己確立していった。
そうするしか無い状況に持っていかれたのかもしれない。

日本でもこれから大変な時期に入るけれど、準備は出来ているだろうか?

隠れた者が隠れたままにいるのであれば
社会としては「いないもの」として、助けることにはなっていかない・・・

緊急事態であるにもかかわらず、隠れた者同士の連帯のなさが
より事態を深刻化させてしまう。

このような状況を変えていかなくては生き残れない。
既に、モラトリアムしていられる時間はなくなってしまった・・・


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コメント (4)
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