ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

性的少数者の支援をすると、同性愛を誘発!?

2015-06-26 08:02:58 | Weblog
引き続き、宝塚市議会で飛び出た自民党議員団の大河内茂太議員による同性愛者への差別発言問題のこと。

6月26日、HIVに関連した不適切な発言を取り消すと申し出て、議会運営委員会で承認されたようです。

委員会後に大河内市議は報道陣に「同性愛者とHIVの関連性について、密接な関わりがあると誤解を与えかねない表現をしてしまった。申し訳ない」と陳謝したという。

ネット上でもずいぶんな騒ぎになっていましたし、地元の皆さんの声掛けもあって、当人も問題と感じたのか早々に幕引きを目指したようです。

しかし、今回の「宝塚がHIV感染の中心になったらどうするのか」という発言の他に、こんなことを言っていました。

「女子校や男子校などでは同性カップルが多い。環境によって後天的に同性愛者になる。学校での児童生徒への啓発活動が同性愛を誘発する可能性を否定できない」

これまたすごい発言ですよね。

元々バイセクシャルであった人間が揺らいでいるように見えたり、自分を抑えてきた人間が同性愛の自分を受け入れた、ということはあるでしょう。

異性愛者が同性愛者になれたりしません。
自分も散々努力しましたけど、異性愛にはなれませんでした。その逆も同じです。
同性愛以外の生徒にも、性的マイノリティの学びをすることは重要な自分探しのヒントになると思います。

女子校や男子校がダメだとでも言いたいのかな?(笑)それまたおかしなことを。
少し目立って見えることをことさら大きくとらえて、まことしやかに恥ずかしい。

後天的になるのではなく、もともとそうだっただけでしょう。
どちらにせよ、自分らしくなることは喜ばしいことで、問題にすることではありません。

「同性愛は気持ちの問題ではないか?そういった気持ちを抑えることこそが自分を律するということだ!」といった考えを持つ人がいますが、まったく見当違いで、人々が生き難い社会をつくりたい人の考え方でしょう。

こういう短絡な考えを持つ人は散見するところですが、本気でこんなことを議会質問で上げるとは・・

これらの発言についての説明はあったのでしょうか?こちらも不適切な発言ですが、撤回したのかな?

愛媛では実際に性的マイノリティの学習を学校をあげて取り組む中学校がありますが、先生たちからはこのような心配は聞かれません。

何を心配しているのかなと馬鹿らしく思うことですが、こんな途方もない意見がまっとうだと思っている人がいるのですよね。

宝塚市人権男女共同参画課では、この市議の問題発言に対し「人権の担当者としては、偏見や差別のない社会を目指す立場から、不適切な言葉だと思っています。たとえ条例を制定したからと言って、同性愛者がどんどん集まるとは、一概には言えないでしょう。同性愛者が増えれば、HIV感染者も増えるともならないはずで、間違った解釈だと思います」と、しっかりと答えてくれています。

こういった偏見のある市民が現実にいて、堂々と差別発言をしちゃう公職者さえいる現状が確認されたのですから、啓発の重要性がより明らかになったことになりますよね。

「世に言い放っても、撤回すればよいだけ」なんてことでないよう望みたいですが、実際どうなのでしょうか?

大河内市議には学ぶ責任があるし、より大きな行動変容によって今回起こしてしまった罪を埋め合わせてほしいところです。

これで終われる話ではないのですから。

で、この大河内茂太議員ですが、前回の選挙ではトップ当選だったそう・・・。

それほどの方ですから、間違いは間違いとして改めてもらい、今後はより良い活躍をしていただきたいと思います。大いに期待したいところです。


◆    ◆    ◆

■「HIV感染の中心」発言撤回 市議「誤解与える表現」(朝日新聞)6月26日11時58分

兵庫県宝塚市の大河内(おおこうち)茂太市議(44)=自民党=は26日、同市が性的少数者(LGBT)を支援する条例を検討していることに対し、「宝塚に同性愛者が集まってHIV(エイズウイルス)感染の中心になったらどうするのか、という議論が市民から出る」と述べた議会での発言を撤回する、と表明した。この日の議会運営委員会に伝え、会議録からの削除が決まった。

「HIV感染の中心、懸念の声」 宝塚市議発言で紛糾

 議運後、大河内市議は報道陣の取材に「HIVは繊細な問題。同性愛者とHIVが密接な関わりがあると誤解を与える表現だった。HIV、同性愛の方々に大変な心痛をおかけした」と話した。

 発言は、24日の6月定例会の一般質問であった。他の議員が発言の取り消しを求め、議事が一時中断するなど紛糾した。



■「宝塚がHIV感染の中心になったらどうする」 性的マイノリティ支援条例を市議が批判して物議
J-CASTニュース 6月25日(木)19時49分配信


性的マイノリティへの支援条例を作れば、同性愛者が集まってHIV感染が広まってしまうと、兵庫県宝塚市議会の自民党市議が本会議で発言して、物議を醸している。

「同性婚が少子化に拍車かける」 議員のTV発言、他国の例ではどうなのか

 レズビアンやゲイといった同性カップルについて、大阪府淀川区では、支援宣言を行い、那覇市でも2015年7月に宣言を行う予定になっている。東京都渋谷区では、結婚相当と認めてパートナー証明書を出す条例を4月に施行した。


「児童生徒への啓発活動が同性愛を誘発する」

 宝塚市でも、中川智子市長がこうした動きを受けて4月下旬に検討部会を設置し、性的マイノリティへの支援策を練っている。市では、10月をめどに基本方針を策定する考えだ。

 15年6月24日の市議会本会議では、自民党の大河内茂太議員(44)が一般質問で、条例が制定されれば懸念が出てくると指摘した。報道によると、大河内氏は、HIV感染の7割が同性間の性的接触とする東京都の調査結果についての新聞記事を示し、特に男性間で感染が広がっているとして、次のように発言した。

  「条例ができた場合、『宝塚に同性愛者が集まり、HIV感染の中心になったらどうするのか』という議論も市民から起こる」

 さらに、大河内氏は、「女子校や男子校などでは同性カップルが多い。環境によって後天的に同性愛者になる。学校での児童生徒への啓発活動が同性愛を誘発する可能性を否定できない」とも述べた。

 これに対し、民主党の北野聡子議員(62)が、大河内氏の発言を「不適切」だとして、その取り消しを求めて審議が紛糾した。議会では、いったん休憩して取扱いについて協議した結果、議事が約30分間中断することになった。発言については、26日の議会運営委員会で適正であったかを判断する予定だ。

 大河内氏の発言について、ネット上では、様々な意見が出ている。
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自民市議は、「差別の意図はない」と説明

 発言に理解を示す声もあり、「最悪の事態想定するのは間違ったことじゃない」「何が不適切なんだ?」「叩かれる意味が分からん」といった声が出た。

 一方で、「古い認識から抜け出せない人」「マイノリティへの理解がない」という批判は多く、不特定多数との接触ではなく特定のパートナー作りを進める支援策ならむしろHIVは広がらないのでは、といった指摘もあった。

 支援策を練っている宝塚市の人権男女共同参画課では、取材に対し、大河内茂太議員の発言について次のように答えた。

  「人権の担当者としては、偏見や差別のない社会を目指す立場から、不適切な言葉だと思っています。たとえ条例を制定したからと言って、同性愛者がどんどん集まるとは、一概には言えないでしょう。同性愛者が増えれば、HIV感染者も増えるともならないはずで、間違った解釈だと思います」

 発言の取り消しを求めた北野聡子議員も、神戸新聞の取材に対し、「同性愛者への差別や偏見を助長する」と発言を批判していた。

 これに対し、大河内氏は、「差別の意図はない。支援の必要性は認めている。人権は大切だが全体の利益の中でのバランスが必要だ」と説明したとしている。
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