YouTubeに「江川卓のたかされ」というのがある。元プロ野球投手の江川卓さんに、カオを映さない”スタッフ"なる人物が対面から質問して、それに答えるスタイル。スタッフはその答えを聞きっ放しで、余計なことは言わない。時々は、過去の名選手と対談形式もあり、昔ttの話をおもしろおかしくおしゃべりすることもある。
「たかされ」とは、もう忘れていたり、初見という若い方もいるだろうが、江川さんが引退後に書いた本「たかが江川されど江川」という著書の題名だ。批判もされてきたが、ヤッパ、オレってすごいでしょ、的な見事なネーミングだな、と思った気がする。今もオレのウチのデスク脇の本棚に鎮座している。
最近のテーマに、「野球界の問題に物申す」というのがあった。こういう題付けると、なんか大上段に構えて選手や野球界に文句付けるのではとも思ったが、そうではなく、「自分が現役だったころと今のプロ球界はずいぶん変わりました」という比較論が多かった。しかし、事象を紹介するだけなく、自分の考えもはっきりと言っていた。
例えば「今はプロ野球の投手コーチがマウンドに行くとき、バスタオルや水を持って行くのはどう思うか」という質問では、「反対ですね。コーチが行くってことは、ピンチっていうことでしょ? そこでそんなに汗かいているのか、水が必要ってことは、そんなに疲弊しているんだ、と相手チームに知らせることになって、勢いづかせることになる。淡々と投げていればいい」。巨人から始まったと紹介されたが、今はどこでもやっているそうな。
あと、高校野球で、いわゆる「リクエスト」を採用するかが議論になっていると問われると、「プロのアウトセーフくらいならいいけど、高校生には使ってほしくない」とも。高校生くらいまでは、そこまで執着せずに自然に受け止めて、「こういうこともあったな」と、その後の人生に活かしてほしいという。
20分くらいの番組だが、テーマを選んで、見れば、それなりおもしろい。オレは、現役選手の評価をしたり、今年のペナント予想とかは、見ないこといしている。