ピンズ屋のひとりごと

オーダーメイド専門のピンズメーカー「ピンズファクトリー」のスタッフが、交代で日常を語っていきます。

美しき背中

2008-06-11 18:07:03 | Weblog
薬師寺展に行こう、と決めたのは4月、大人の修学旅行の最中。あの「お二方」が東の都に遠征中だということは重々承知の上で、奈良の薬師寺を訪れたものの、いざ不在を目の当たりにすると、なんだかどうにも切ない感じ。果たして見事に物足りない…。その足りない部分を埋めるべく、薬師寺展行きが決定!旅行前の「薬師寺展、行きたいのう…」程度の願望は、たちまち「もう絶対行かなきゃダメ!」な域にまで到達。あの「お二方」=薬師如来さまの脇侍=日光菩薩さまと月光菩薩さまに会いに行くべし!ついに光背を脱ぎ捨てた(?)そのむき出しの背中を拝むべし!

会場は東京国立博物館。大評判の展覧会は、混雑必至。まずは5月の中旬週末、足を運んでみたところ、「待ち時間50分」の表示にヤラレ、あっさり退散。…先延ばしにしていた再挑戦を、検討したのが会期の最終週。急げ~!ただしここは慎重に、激混みであろう週末は避け、平日夜に決行です。

薬師寺展のサイトでは混雑状況の確認が可能。当日それを逐一(おそらく仕事中に)チェックしていた友人が、こまめに報告してきます。「14時現在100分待ち!」と来た際には、もうひるみまくり。しかし夕方になるにつれ、混雑も落ち着いてきたようで、東博に着いた時点では「待ち時間30分」、ならば待てる!

さほど苦もなく待ち時間経過。いよいよ館内へ。ほどなく聖観音菩薩さまと対面し、うっかり萌えツボ(?)を刺激され、お次はどどーんと日光さま月光さまの登場。巧みな見せ方と照明で、魅力全開!「ほう~」だの「おお~」だの感嘆の声がそこかしこであがってます(時たまその声が重なって、唸り声と化していたのは怖かった)。ずい~っと後ろにまわって、待望のお背中拝見。実は背面からの鑑賞も想定して製作したのでは?とも思える麗しき後ろ姿。普段人目に触れないとは、なんと勿体無いことよ!また、こうして見ると、両者が完全な対称ではないという、相違がくっきりわかります。背中の肉付き、背すじの窪み具合、そして下半身に纏った裳のドレープ感、その違いからは体躯の差が歴然。後ろにまで手を抜かないでくださった、遠い昔の造仏師さんに敬意と感謝を!もうすっかり魅了され、無限大∞の軌跡を描くように、日光さま月光さま交互にぐるぐる鑑賞が止まらない…。閉館時間が迫り、いい加減この場を離れねば!ということで、最後に合掌、お別れです。

結局、あとに続く展示物はロクに見もせずほぼ通過となりましたが、日光さまと月光さまを、360°思う存分(一歩間違えれば変質者?ってくらい)拝見することができたので、もうそれだけで悲願(?)成就!満ち足りた気持ち。


ミーハーの至り(?)で購入。BACK SHOTがなかったのは残念…。


PINS FACTORY(ピンズファクトリー)は
ピンズ・ピンバッジ製作のプロフェッショナル集団です。
http://www.pins.co.jp
コメント
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