幻想小説周辺の 覚書

写真付きで日記や趣味を書く

こどくのグルメ 麹町吉乃屋のカツカレー

2022-08-24 09:24:00 | グルメ
講習で麹町に来てます
こういう時の楽しみは地元の定食屋さんで
ひとり井の頭五郎グルメをすること
最近はカツカレーとかカツライス率が高いですね

今回は麹町の名店 吉乃屋さんです
塩だれカツ丼とかさっぱり梅カツ丼とかに迷わされつつ
カツカレーでがっつり系に決定。
出てきたのは並を選んだのに御覧のようにお皿一杯の
ごはんにほとんど直径の豚カツ、
さらに飯地が見えないくらいのカレールーベンス。
ヽ(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ノ
やられた、完全にカロリーオーバーランです。

こちらの吉乃屋さん、超人気店で昼時は相席満席が
常態なのですが
残念ながら9月で閉店しちゃうらしいのです。
こんなに好かれているお店なのに残念ですね~(;∀; )






読書レビュー いざ志願おひとりさま自衛隊

2022-08-24 09:21:00 | 書評 読書忘備録



いざ志願!おひとりさま自衛隊 (文春文庫) 岡田 真理著 
を読みましたΣ( ̄□ ̄;) 330頁  ★★★ 154冊目

普通のOLであった著者が派遣契約の合間に友人と飲んだ勢いで
自衛隊のホームページに目をつけて
「よっしゃアンタ自衛隊に入隊しなさいよ。 
 マッチョで頼りがいのあるオトコが沢山いるわよ。」
と友人を口説くものの、彼女は及び腰で、、、
「だったらアタシが入ってやろうじゃないのッ。」と息巻いて
自衛隊入隊を決意します。 

ところが募集要項をよくよく見れば年齢制限26歳までという壁が。。
そんなことで諦めきれぬ岡田さんは更にそのページを手繰り 
応募資格年齢18歳以上36歳未満の募集項目を発見します。
そこは予備自衛官補の募集欄でした。

予備自衛官補とは、平時は一般人として働いたり主婦をしていたり
していながら、いざ有事となり正規の自衛官が不足の事態に
陥った時の備えとして、その際は民間の中から予備自衛官が
自衛隊に変身、参集して国を守ったり、災害救助をしたり、
シンゴジラと戦ったりする・・・・(お約束:笑)というものです。

その予備自衛官というものには予備自衛官補という募集要項の
試験に選抜され、自衛隊基地での5日×10クールの訓練を
クリアした者だけがハレてなれるという、まあピンチの時に活躍する
正義役のヒーロー隊員のようなものなんですね。
(このシチュエーションに岡田さんはかなりカッコイイと
 感じたらしい。。)

この本を読むまでこんな制度や役職があることは
知りませんでしたが、
彼女も同様で何の経験も基礎体力もないまま、ノリと根性と
崇高な使命感であれよあれよという間にキビシい予備自衛官訓練に
どっぷり突入です。

腕立て伏せ1回もできない岡田さんが、僕や大のオトコでも根をあげ、挫折必須の訓練をヒーヒー、ギャーギャーいいながらもこなしてゆき、何やら精神面でも、国を守ることとは?とか、
規律や訓練の必要性とは何か?とか
ずんずんと立派でしっかりとしたものに変わってゆきます。

軽妙でテンポのいい文章と一人言ブログ的な言葉使いはとても
読みやすく、時に笑いながらツッコむことが出来ました。
本書の説明部分は訓練や装備、施設の様子などの面白さや珍しさが
メインであり、その点は頑張って岡田さんは表現しているとは
思うのですが、このような内容を書こうとする本であれば、
むしろ表現形態は絵や図解に比重をおいたイラストエッセイや
コミックエッセイ的なもののほうがより読み手の興を高めるものと
思います。(写真は機密保持上NGですね。そのぐらいは承知)。

こち亀ばりの自衛隊装備図解や、駐屯地クラブ居酒屋メニューなど
見れたらもっといいなあ。。と思うような本でした。

絵本の鑑定士 エドワードゴーリー うろんな客

2022-08-24 09:16:00 |   絵本鑑定士
#エドワード・ゴーリー #うろんな客 #TheDoubtfulGuest
1957年米国出版 2000年邦初版出版 訳・解説:柴田元幸
世界一不気味で世界一怖い絵本作家、エドワード・ゴーリーの
怖くない方の奇妙な絵本。
ある日自宅に唐突に訪れた奇妙で理解不能な客。
名前はなく、長いくちばしをして毛皮で鳥のようなアシカのような
異形の姿、人語は解するようだが発せず、理解不能の行動を
しばしばとり、意思疎通が成立しているか怪しいものである。
なにせ最初の晩の行動が壁に鼻を押し当て背を向けて立ちそこから
動こうとも寝ようともしない、というものだ。
危害は加えようとしないが、烈しく邪魔であり、迷惑な同居人となる。
エドワード・ゴーリースタイルでこの本ではこの生き物の奇妙な行動は
しっかりと叙述されるが、その理由も説明も一切なされることはないまま
エピソードが積み上がる形でページは進む。
そしてラストのページで首を捻っていると、親切にも訳者の解説で、
このうろんな客の正体について、種明かしがされる。
もし読者で、この解説を読まずにのまま、正体を推理できた方がいらしたら
余程の人間通か?余程のゴーリーファン:それも相当強力な・・・・の
お一人様なのであろう。
ちなみに私は全然ちんぷんかんぷんであった。正解者をリスペクトするわ。








アートの小径 というか 小宇海  海底美術館って知ってますか

2022-08-24 09:12:00 | アートコラム





海底美術館 Caribbean Underwear Museum 
ジェイソン・デカイレス・テイラー
日経ナショナルジオグラフィック社 2400円+勢

誰もがこれらの写真はどこかで見たことがあるに違いない

写真は何枚も何枚も見つかることだろう。
海中の青い光線の中に浮かび上がる裸婦や踊る少女、考え込む少年,互いに手をつなぎ輪を作る群像、海底の砂の中に頭を突っ込んで膝まづく男たち

それらの彫像は、
あるものは大理石のような滑らかな白い肌を持ち、
あるものは表面に薄く色とりどりの水草や苔をまとい、
またあるものは奇怪な珊瑚の枝を身体中から生やして異形の樹怪のように変貌している。
















共通しているのは、静謐な青い光線と、海中に存在しているための沈黙だ。
更に、集中して画像を見ていると、自分の水中の呼吸音や潮の流れを肌に感じはじめる。

いずれもが美しい、
そして奇妙な情動:エナジーを内から放射しているように見る者の視線を捉えて離さない。
SF映画のワンシーンのセットのようでもあり、
太古の海中遺跡のようでもあるが実はこれらはカリブ海の海中に実際に存在する現代アートの海底美術館なのである。

制作者は、イギリスの現代彫刻家で水中写真家でもあるジェイソン・デケアレス・テイラー(en:Jason deCaires Taylor)
2006年に西インド諸島南東部にあるグレナダ沖に世界初の海底彫刻公園を開設した。
以後、2010年にメキシコ南東部にある観光都市であるカンクンの沖にカンクン海底美術館を開設し、
2014年には、バハマ諸島にあるナッソーの海底に、高さ5.5メートル、重さ60トンの少女像を設置した。
2016年にはモロッコ沖にあるカナリア諸島のひとつ、ランサローテ島沿いにアトランティコ美術館と呼ばれる海底美術館を開設している。

作品は、テイラーによって実際のモデルを型取りし、中性のコンクリートや不活性のファイバーグラスを使って制作された。
素材は環境に優しく海の生物が発育しやすいものを考慮している。
作品の固定は海上の大型クレーンを使い、海底に台風や海潮によって転倒したり破損しないようしっかりと固定される。

最初はつるりとギリシャ神話の女神の大理石の彫像のような滑らかさを持った作品は、ジョジョに海中の環境に融和しサンゴや海藻が表面に、最初はおずおずと、そして途中からは暴力的なまでに大胆に像を覆い尽くすように繁茂する。
その繁殖経緯も素材の劣化も含めた時間的な側面を含んだアートなのだ。

作品群は海中の植物の苗床となると共に、魚や生物たちの生殖する棲み家となる。
これも含めてのアートなのだ。

更にこれらの作品群は、既存の珊瑚礁の場所から考慮深く位置を離して設置される。
観光客やダイバーによる生態系へのダメージをそらし、彼らの興味を引く新たな名所、アートスポットをこちらに持ってくることにより、珊瑚礁を守る、というコンセプトなのだ。

実に確固として、芯が通っており、環境保護とはなんぞや、という命題に毅然として答えている。
しかも美しい、最高だ。

どこぞの国の民族ヘイトトリエンナーレ、とかレジ袋ストロー廃止のポーズだけのエコロジー環境大臣とかとは遥かに次元の違う、性根の通った芸術であり、思想だ。 
まったくこの作品群の苔のひとかけでも押し頂いて煎じて飲め、といってやりたいところであります。

高田崇史 レビュー 鎌倉の地龍 

2022-08-23 18:51:00 | 神仏探幽
神の時空 ―鎌倉の地龍― 高田 崇史著  288頁 を読む((( ;゚Д゚)))
★★★ 153冊目

高田さんの歴史謎解きシリーズはとても好きなジャンルで
特にQEDや毒草師は全部読まさせていただいた。

なかには強引で飛躍しすぎかなあ。。。と思いつつも
歴史や宗教について学校やテレビで今まで単純に丸暗記や
テスト勉強的に問題意識を持つこともなく覚え込んでいた知識が
いかに脈絡もなく断片的で、しかも一面的であったかを
思い知らされて 知恵熱のような快感に打ち震えたことが
何回もありました。

神話や神社に伝わる神々と先祖の過去の歴史と
その伝承の裏に隠蔽された真実。
大体は朝廷や権力者により滅ぼされたり地位や財産、
土地をはく奪された古い有力者が巧妙に祀り上げられつつも
社に封ぜられているというのが基本テーゼです。
神社や祀られる神は昔は庶民の信仰対象ではなく
権力者の政治装置であったのです。

多くはその神社での御利益はその神々が奪われ、
果たせなかった望みの数々。
曰く、権力から追われた天神さまは出世と学業成就に、
曰く、身体を損なわれた神様は足腰に効くとか眼病に効くとか
曰く、病いや毒を盛られた神様や仏様は病気平癒の御利益が、、、
といった具合。

また本殿に祀られる神様の陰に追いやられるように
壮大な敷地の片隅や裏山にひっそりと小さく祀られる
その地に住んでいたかつての本来の土着の神様のことなど。。。
ああ なんて自分はモノ知らずで、本来の神様たちの心情や
隠された本質も思うこともなく、ただ自分の御利益ばかり
安穏とお願いしていたんだろう。。。
と恥じ入ってしまうこと数知れず、です。

さて今回のシリーズでは推理サスペンスのQEDシリーズとは
趣向を変えて現代に怨霊を解き放とうとする悪役側と
それを阻止すべく対抗する正義役側の伝奇アクション的な
風合いになりました。

やや年齢的に下がった感があり、本巻は導入と説明、
物語の筋を進める必要性から、肝心の僕たちが好きな
歴史謎解きの部分は残念ながら縮小気味ではあります。が、
その分鎌倉と伊豆を舞台に源三世代の将軍の怨霊と
悲劇的な真実についてコンパクトにまとめられて良くできています。

昔は泥質地でむじなも住まなかったような荒地の鶴岡八幡宮と
鎌倉の土地について、今はスイーツとオシャレスポットだらけな
観光地の裏側にひっそりと息づく昔の真実の相を肌で感じる。
な~んて粋なぶらり旅を、この本を読んで予習していくのも
なかなかヨロシイと思います。