幻想小説周辺の 覚書

写真付きで日記や趣味を書く

韓国映画レビュー  魔女 the witch

2022-08-22 22:53:00 | 書評 読書忘備録
THE WITCH 魔女  監督パク・フンジョン 主演キム・ダミ

ラスト30分の最強女子高生無双を見たければ前半45分は我慢だ。
いわゆる韓国風美人顔とはちょっと違うキム・ダミちゃんを愛でながら
茹で卵でもツマミにビールでも呑んでいればいいんだ。
だが あの境目超えたならば あとは一気呵成
トイレ中座禁止 スマホ着信禁止 飲食一切禁止だ。
アマゾンプライムでもうすぐ配信修了だ。チェックしてない方は
このワシに免じてダマサれたと思って見てほしい。
韓国映画恐るべしとビビること請負だからだ










夏休み工作舎 つるピカ泥だんご

2022-08-21 17:28:00 | アートコラム



ハイ!!出来るお父さんです。(*゚∀゚)=3(笑)
長男の夏休みの宿題の製作物課題、完成です。
「作ってみました。ツルぴか泥だんご! 」です。
このような製作段階の実物を四種類、お菓子の箱を仕切って収納。
これと別に模造紙に製作の様子の写真を順番に張りました。

二枚目の写真は僕が作ったマイ泥だんごです。磨き具合が半端ナイです。
特に卵の形の作品は大きさといいフォルムといいサイコーです(>ω<。)

読書レビュー ピエールルメートル 傷だらけのカミーユ

2022-08-21 17:25:00 | 書評 読書忘備録
『傷だらけのカミーユ』 ピエール、ルメートル 400頁

まずはこの作品でカミーユヴェルーヴェン警部シリーズが幕となり「カミーユ警部、本当にお疲れ様でした・・・」と声を掛けてあげたくなった。
出来ることなら自分が馴染みの横丁のモツヤキ屋さんにでもお連れしてパリのビストロ料理にも通じるレバ焼きとチューハイを奢りたいぐらいですよ。

とにかく、それくらい彼はルメートルにこのシリーズで散々な目にあわされてきたのだ。
もう悲しくて悲しくてやりきれない「イレーヌ」を読み終えて
やっと「アレックス」で立ち直り現場に復帰を果たし、本作でようやく奇跡的に新たな恋人と出会えて精神的にも傷が塞がりかけたところを狙いすましたように運命と小説家の魔の手が襲い掛かる。

最愛の恋人が宝石店強盗の現場に運悪く居合わせてしまってズタボロの大怪我を負わされてしまうのだから。
しかも彼女は強奪犯人に口封じのため命を狙われる。

カミーユは彼女を守り、仇を討つ(かつてのイレーヌの時の運命への仇も含めて)かの如く捜査の指揮を執る。
例によって警察内部とか判事とか検事とかは全て彼の犯人逮捕への足枷にしかならない。

文字通り傷だらけ、ヘトヘトのボロゾーキンになってしまうのです。
原題はSacrifices 犠牲、犠牲者の複数形。
この意味するところがラストが近づくによって徐々にわかってくる。
この辺はルメートル節健在!ってところです。

読者にとってはカミーユ・ヴェルーヴェンもルイも他の人物達もすっかりこの三部作でフィクションの登場人物ではなく、冒頭で僕がモツヤキ屋のくだりを妄想したように実在し、
ともに人生の苦悩を分かち合う愛おしき存在になってしまっているようです。

ですので、なおのことヴェルーヴェンシリーズはこれ以上苦労が積もらないよう幕としていただき、
今後はカミーユはルメートルによる別のミステリーにちょい役としてだけ現れ、相変わらずパリ警察で苦労しているのか、
さもなければ無事引退してルイ・マリアーニ警部の相談役としておいしい所を持っていく、
とかそんな消息を読んでみたいもんだと思いました。

「よう、ルイ、相変わらず忙しそうだな、それに、いい服を着ている。今日はどうしたんだ?」
「カミーユ、いつもすみませんね。またヒドイ事件に当たっちゃいましてね。ちょっとこの写真で感じるところをお聞かせねがえませんか・・?」 
なんてね








怪談の学校

2022-08-20 23:01:00 | 書評 読書忘備録
怪談の学校 京極夏彦、木原広勝、中山市朗、東雅夫  
317頁を読む ★★★★ 151冊目
 
学校の怪談じゃあありません。
怪談の学校です。トイレにハナコさんも出て来ないし
理科室の人体模型君も踊りません。 
だからといって怖くないかといえば、そうでもありませんが。。。

何故こんなタイトルかと申しますと、こちらはダヴィンチ、幽、の
人気コーナー。怪談を読者から投稿してもらいそれを選考員が
評したり解説したりするというものの連載をまとめたものです。

怪談というものはこれを読むと、素材も大事ですが、語りの技術や文章の推敲が結構大事なポイントであることがよくわかります。
例えば首吊りが目に飛び込んできた、という場合にはその何が怖い
のか?を語らずに、怖い首吊りという特異なシチュエーションを
取り出したことで満足してしまう作者が多いのではないでしょうか?
本当に怖いポイントは例えば伸びきったアンバランスな首、だったり。目が見開いているのか瞑っているのか?古いのが怖いのか新しいから怖いのか?など怖さのポイントがこの話のどこにあるのか?を
理解して表現することが必須だというのです。

この本の面白いのはそれぞれの投稿怪談もさることながら、それを
シビアに評価、採点しそれぞれの評者がコメント面白く加える
ところにあります。
なかでも面白かったのは木原さんの回で投稿オリジナルの怪談と
木原さんの手による、僕ならこう書くというアナザーバージョンの
怪談を併設する回の分です。
プロのものとアマチュア投稿者によるもの、そのシビアな
実力の違いと、技の完成度の差がしっかりと把握できて
楽しくもあり、怪談や物語の生成の瞬間というものはこのようで
あるのだな。と感じることができました。