■小野道風青柳硯(おののみちかぜあおやぎすずり)
時は平安寛平の、小野の生まれの道風は、
和様書道を打ち立てる 基礎を築いた人物だ。
ある日道風自らの 非才に悩みへこみつつ
散歩に出ると外は雨。雨か涙か濡れる頬。
通りかかった道の端、カエルが一匹跳ねていた。
見れば近くに柳の木。枝を目指して跳びはねる。
あれじゃ飛びつく事は無理。諦めるしかないだろう。
思いながらも道風は、なおもカエルを見続けた。
するとにわかに一陣の 突風柳に吹き付けて
枝がしなってカエルとの 距離が一瞬縮まった。
ついにカエルはこの枝に 見事飛びつきしたり顔。
道風己の努力など カエルにはるかに及ばぬと
思い直して発奮し 書道の道をやり直す。
そして大成した後は 名を残すこと一千年。
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柳つながりで出てきたカエルつながりで出てきたのが
小野道風の故事です。これを七五調x2を1行とする
クプレ(二行連詩)でバラッドに仕立てました。
カエルを見習って努力し続ければ、小さなチャンスも
モノに出来る、というご教訓として道徳の教科書などに
載っていたそうです。