copyright (c)ち ふ
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
英訳短歌version0.01
* 鹿路トンネルですすきの穂が ?!(020)
秋も終わりに近いある夕暮。
私は、吉野から鹿路トンネルを通って、
多武峰に抜ける山路を走っていた。
秋の夕暮時は膚寒い。
身体が縮こまっていてハンドルも思うようにきれない。
手先・足先がじんじんと寒さに襲われている。
首筋から流れこむ寒気に身体が、ぴしっぴしっと反応する。
寒いーっ!
けれども、そんなことに負けていては、
自然は私を寄せつけてくれない。
どんなことも経験である。
山の中はもう冬の準備を終わりつつある。
台風で崩れたガードレールが、ぐんにゃりと曲がり、
小岩があちらこちらに、
山となって積み重なっている。
すすきの穂が小道に向かって頭を垂れている。
ゆっくりと走る。
それでも避けきれなくて、すすきを擦ってしまう。
[ゴメン]と小声をかけながら走り去る。
あたりは薄暗くて人っ子ひとり通っていない。
もちろん車も少ない。
この路は10km前後ある。
私のホーム・グランドでもある。
凍結の日と、雷・台風の日、通行止め以外は、
一年中練習がてら走っている。
この路と石舞台から吉野に抜ける道を走れば、
大体、近畿・山陰一円の山道を、
走るのは苦にならない。
山道といっても1パターンである。
そのパターンのなかに場合分けがあるにすぎない。
往復すれば、往きと帰りでの雰囲気はガラリと変わる。
石舞台の場合、往きは山側、帰りは崖側となる。
山側を走る場合は山側の崖くずれ、
崖側を走る場合は路肩に注意を払わなければ
ならない。
路は細く曲がりに曲がっているので対向車もよくとらえきれない。
ニアミスもしょっちゅうである。
こちらがいくら注意していても対向車次第で事故に結びつく。
ヘッドライトは昼間でも遠距離用に変えている。
対向車に注意を促すためだ。
普通車も山道では、
ヘッドライト点灯を義務づければいいように思うのだが、
残念ながら、話にも上ってないようである。
そんな山路を、ゆっくりゆっくりと最徐行で家路についていた。
その時である。
道端のすすきの穂が、一斉に白骨の手に変わったのだ。
オイデ、オイデをしていた。
ゾゾーッ!
私は恐くて恐くて、震えが倍加した。
スピードを少しあげて、その路から逃げだそうと必死で走った。
すすきの穂 おいでおいでと ゆるやかに
手招きをする 夕闇の晩秋
ち ふ
この項おわり
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
英訳短歌version0.01
* 鹿路トンネルですすきの穂が ?!(020)
秋も終わりに近いある夕暮。
私は、吉野から鹿路トンネルを通って、
多武峰に抜ける山路を走っていた。
秋の夕暮時は膚寒い。
身体が縮こまっていてハンドルも思うようにきれない。
手先・足先がじんじんと寒さに襲われている。
首筋から流れこむ寒気に身体が、ぴしっぴしっと反応する。
寒いーっ!
けれども、そんなことに負けていては、
自然は私を寄せつけてくれない。
どんなことも経験である。
山の中はもう冬の準備を終わりつつある。
台風で崩れたガードレールが、ぐんにゃりと曲がり、
小岩があちらこちらに、
山となって積み重なっている。
すすきの穂が小道に向かって頭を垂れている。
ゆっくりと走る。
それでも避けきれなくて、すすきを擦ってしまう。
[ゴメン]と小声をかけながら走り去る。
あたりは薄暗くて人っ子ひとり通っていない。
もちろん車も少ない。
この路は10km前後ある。
私のホーム・グランドでもある。
凍結の日と、雷・台風の日、通行止め以外は、
一年中練習がてら走っている。
この路と石舞台から吉野に抜ける道を走れば、
大体、近畿・山陰一円の山道を、
走るのは苦にならない。
山道といっても1パターンである。
そのパターンのなかに場合分けがあるにすぎない。
往復すれば、往きと帰りでの雰囲気はガラリと変わる。
石舞台の場合、往きは山側、帰りは崖側となる。
山側を走る場合は山側の崖くずれ、
崖側を走る場合は路肩に注意を払わなければ
ならない。
路は細く曲がりに曲がっているので対向車もよくとらえきれない。
ニアミスもしょっちゅうである。
こちらがいくら注意していても対向車次第で事故に結びつく。
ヘッドライトは昼間でも遠距離用に変えている。
対向車に注意を促すためだ。
普通車も山道では、
ヘッドライト点灯を義務づければいいように思うのだが、
残念ながら、話にも上ってないようである。
そんな山路を、ゆっくりゆっくりと最徐行で家路についていた。
その時である。
道端のすすきの穂が、一斉に白骨の手に変わったのだ。
オイデ、オイデをしていた。
ゾゾーッ!
私は恐くて恐くて、震えが倍加した。
スピードを少しあげて、その路から逃げだそうと必死で走った。
すすきの穂 おいでおいでと ゆるやかに
手招きをする 夕闇の晩秋
ち ふ
この項おわり