絵じゃないかおじさん

言いたい放題、自由きまま、気楽など・・・
ピカ輪世代です。
(傘;傘;)←かさかさ、しわしわ、よれよれまーくです。

あ@仮想はてな物語(逸話) 唐招提寺の千手千眼観音・センティ登場  (1/6)

2019-02-04 13:15:21 | 仮想はてな物語 



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 * 唐招提寺の千手千眼観音・センティ登場(051)


 ジョジィが、コロを帰す変わりにと要求を一つ出してきた。

 唐招提寺の金堂あたりに住む千手観音菩薩はんから、
 手を2本1セット借りて来て、コロに持たせてくれないだろうか?

 そうして貰えれば、もうコロを煩わせずに済むし、
 ワシも空を飛べるようになっているので、
 コロを開放してやれると言う。

 その手は数10m以内なら脳波のコントロールの下に、
 あたかも自分の手のように自由に使えるようになって
いるらしい。

 [ジィさん、空飛べるんだったら、
 自分で借りにくればいいのに!]と思うのだが、
 何か事情でもあるのだろうか?
 それとも昔に不義理でもしているのだろうか?
 頼まれたら文句を言いながらも断れないのが、私の性分。
 仕方がない。
 また一肌脱いでやるとするか。

 何でも、ジョジィによれば、
 センティは5・35mもある木心乾漆像である。
 芯に木材を用い、その上に乾漆で形を整える手法で
作られている。
 その木心に使われている木が、ジョジィの遠縁に当たるという。
 千手観音で手が千本も有ると言うから、センティと
呼ぶことにした。
 実際は、大きな手42本と小さな手912本の
計954本しかないらしい。

 残り46本分はずっと大昔の解体修理の時、元に戻せなくって
何処かに隠しているのだろうか。

 彼女は、器用な上科学にも強いらしい。
 ペルシヤの方の血も少し混じっているという。


つづく


あ@仮想はてな物語 唐招提寺の千手千眼観音・センティ登場  (2/6)



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 唐招提寺と言えば、
 薬師寺の東塔・西塔コンビ、トフトフのすぐ近くではないか!
 そこから歩いて10分ぐらいとかからない。
 トフトフは、テレパシー通信網の中心基地である。
 相輪が、その役目を果たしている。

 彼らは、デュプレックス・システムを採用していて、
 一方が故障しても片方が
 すぐその代わりをするため、システム自身止まる
可能性は少ない。
 もし万が一、2塔とも駄目でも興福寺、法隆寺、
法起寺等々の塔が
 すぐさま、その肩代わりすると言う。

 それにしても進んでる!

 完璧に近い通信網システムだ。
 誰が構築したのだろう。
 羨ましい限りだ。

 テレパシー通信も、通信網を必要としない能力の優れた奴も
居れば、必要とする奴も居る。
 また、ジョジィのように身内同士で専用回線を引いている
者もいる。
 一体どうなっているのだろう。
 聞けば聞くほど複雑怪奇。
 頭がコンガラがってきた。

 その素晴らしいシステムの足元に科学に滅法強いセンティ。
 手が954本。
 と言うことは、
 指が・・・954 X 5 = 4,770 本も・・・
 これを利用しない手はない。
 会って是非ともシス・オペになってもらおう。
 非公開で閉じられたグループ内の運営責任者としては最適だ。
 会員も序々に増やして横の繋がりを拡げてゆこう。
 言葉も違い、全然繋がりもなかった縄文杉のジョジィと
万博公園の太陽の塔・タイタイが知り合いになり、
今ではもうすっかり友達になってしまっているのが強みだ。

 こりゃ、おもろいぞ。


つづく


あ@仮想はてな物語 唐招提寺の千手千眼観音・センティ登場  (3/6)



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 4月の昇給があった。
 ピカ輪世代と呼ばれる私たちの年代は、
 他の年代に比べて圧倒的に人数が多い。
 40も半ば近くになると、
 今まででも賃金カーブが緩やかになっていたのに、
 ピカ輪世代がガバッと入り込めば、さらにそのカーブが
寝てしまう。
 と言うことは、ベア(べースアップ)にあまり期待出来ないと
いうことだ。
 これから、3人の子供にますます金が掛かるというのにだ。
 しかし、ボヤいてもどうしようもない。

 私は、中途半端な上がり方に腹が立ったので、
 その昇給分でブック型の携帯用パソコンを買った。

 Oさんには内緒である。
 アドオン方式の24回均等2年払いにした。
 コロ専用のパソコンである。
 Sサヤカのガソリンの給油口を通してでも、
 コロの奴と話を出来ないことはないのだが、
 話をする度に一々フタを外すのは面倒だし、
 ガソリンの匂いには閉口している。

 サヤカとともに、コロを連れてゆけば何かと便利そうだし、
そうするとすればコロの奴ともある程度自由に話をしたい。
 その為、小型で持ち運びが出来るブック型にしたのだ。

 メーカーは、T社製。
 オレのワープロはN社製。


つづく



あ@仮想はてな物語 唐招提寺の千手千眼観音・センティ登場  (4/6)




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 フロッピー・ディスクの互換性はないそのため、コロの打った
 フロッピー・ディスクを、オレのワープロにセットしても
 読み取りは出来ない。

 わずか数mしか離れていないのにパソコン通信を
 利用しなければならないのだ。

 それも回線利用料を払って!
 メーカーを同じにしようかと思ったのだが、
 一社に偏れば、世の中の流れに
 取り残されるように思ったし、実際に使ってみないと、
 機能の違いがよく分からないからだ。

 コロには不評であった。
 キーボードが小さいため、コロお得意の手足4本使いの
インプットが出来ないのである。

 Oさんは、その昔の姓の通り、おおらか(王等香)である。
 昇給しようが、平だろうが一向に頓着しない。
 私には、それがとても有り難い。
 勤めらしい勤めを経験していないので、
 会社のことなど、まるで関心がない。

 通勤電車の一部のように思っている。
 役職がどうのこうの、幾ら給料上がったの、などということは、
 自分の口からは言い出さない。
 私には、それが救いでもある。

 本人の力では、どうにも出来ない事を周りから、
 くどくど言っても、何の解決にもなりはしない。
 相手を傷つけるだけである。

 そういう点では、私には過ぎた嫁さんである。
 そんなOさんを欺いて、
 コロ専用のパソコンを買ってやったのは、
 少々気が引ける行為である。
 そのうちに何かお詫びに喜ばす事をしてやろうとは思っている。

 5月に入って連休の続くある夜、西の京に出掛けた。
 サヤカの荷台にダンボールを付けコロを乗せて3人で行った。
 コロは自分で空を飛べるのだが、やはり根は怠け者の犬コロ。
 エネルギーの消耗が激しいので、
 サヤカに乗せて貰う方がいいみたいだ。

 チョコンと大人しく座っている。
 その昔、丹波の山奥へ置き去りに連れて行った時の、
 大暴れとは大違いだ。

 5月とは言え夜は寒い。
 走れば寒さが倍加する。
 24号から唐招提寺にゆく。
 国道の立体橋から、トフトフがそのシルエットを見せてくれる。


 夜間あまり寺に近づくと不審がられるので、
 少し手前でサヤカを止め犬を散歩させているような振りをする。


 しかし、バイクに、犬に、中年のオッさん、
 誰が見てもおかしい取り合せと思うはずである。
 サヤカから離れると少しはマシなのだろうが、
 センティと初対面の話をする、
 必要があるから、サヤカからは離れられない。


 例によって、ガソリンの給油口に口を当てる。


つづく


あ@仮想はてな物語 唐招提寺の千手千眼観音・センティ登場  (5/6)




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 むかむかっ。
 辛抱! 辛抱!

 [千手観音はん、初めまして]
 [オッさん、いらっしゃいませ]

 ムムッ。
 さすがに、ヤルー!
 オレをオッさん呼ばわりして!

 すべて、お見通しだ。
 さては、私たちの通信、盗み見していたのだな。
 プライバシーの侵害もいいところだ。

 シス・オペも簡単に引き受けてくれた。
 その時、一瞬、ワープロを何台用意しなければならないのかと、
 立ちくらみがしたが、
 センティの指自体がキーボードとして使えるらしい。
 さすがは科学者、助かった。

 手の貸し出しも、あっけないほど簡単だった。
 両手1セット、4年リースで、リース料率はお近づきの
 特別サービス、1・03%。
 基本価格は10万円、貸し出し期間中の機能アップには、
 随時応じると言う。
 商売慣れしている。
 メーカーも、リース会社も兼ねている。

 もしかして、あの足りない46本分は、
 センティの奴、どこかにリース中ではないのか!

 私は、2セット借りることにした。
 ジョジィの分とサヤカの分だ。
 サヤカの分は急に思いついたことだ。
 月々1,030円 X 2 = 2,060円になるのだが、まあ、
 彼らが便利になるのだから何とかしてやろう。

つづく



あ@仮想はてな物語 唐招提寺の千手千眼観音・センティ登場  (6/6)




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 それにしても、センティの奴、1・03%の0・03%は
どこから出てきたのだ。
 まさか消費税でもあるまい。年間3,000万円も
売り上げがあるわけではないし、
 税金など納めるようには思えないし・・・

 仕入の費用なんかゼロではないか。
 さすがに、しっかりしている。
 ジョジィが直接借りに来ないわけが分かるような気がする。
 親戚筋と言ってもバッチリと金を取るに違いない。


 一応話がついたので、コロに手を借りに行って貰った。
 この分では月々の支払いの運搬もコロの世話になることだろう。
 コロのヤツ、手を借りてくるや否や、


 [ちょっと遊んできます。4~5分、時間下さい]
 と携帯用パソコンに文字を打って居なくなった。

 サヤカも使える手が出来たので喜んでいることだろう。
 1km以内に人が居るので、何も答えてはくれないのだが。

 しばらくすると、コロのヤツがへんな歩き方をしながら
帰ってきた。
 後足の様子がおかしい。
 すぐに携帯用パソコンを通して教えてくれた。

 [唐招提寺の金堂の大屋根の傾斜があまりに素晴らしかったの
  で、滑り台代わりに2回ほど滑ったら尻の皮が剥けた。
  ヒリヒリして痛いので、オッさん、帰ってからメンソレ塗って!]


 ヤラレタ!


 コロのヤツに先を越された。
 私が、ずっと昔、初めてこの寺を訪ねた時から、
 思っていたことなのに、
 コロのヤツめ、いい思いしやがって! 


 でも、いい気味だ。
 私に内緒でそんな事をするから天罰が下ったのだ。

 見ていろ。
 帰ってから、たっぷりとメンソレ擦(なす)り込んでやるからな!  


 天平も 平成の世にも 風は撫でる
  甍おおらかなり 青き西の京
                       ち ふ


                     
  この項おわり


あ@仮想はてな物語(逸話) 石舞台の大岩・ソガーンを叩き起こせ! (1/3)

2019-02-04 13:14:11 | 仮想はてな物語 



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 * 石舞台の大岩・ソガーンを叩き起こせ!(050)


 ジョジィの張り切りようは凄まじい。
 動き回るのが楽しくて仕様がないらしい。
 瞬間接着剤での再合も何とかうまくいっているみたいだ。
 しかし、枯れたり継ぎ接ぎだらけになっても、オレ知らないぞ! 

 ジィさん、こんなに楽しい世の中が来ているのに、
 今だに眠り続けているヤツがいる。
 石舞台の大岩・ソガーンのことだ。
 何百年も眠り続けて勿体ない。 

 アイツは、オレの弟子筋に当たる。
 ふて寝をしているが、寺の鐘を撞きながら、呪文を唱えれば
 目を覚ますはずだから、
 悪いがオッさん起こして来てくれないか、と言ってきた。

 それにしても、40半ばのこの私は、
 ジョジィにまで、オッさん呼ばわりされてしまっている。

 畜生! (玄田牛一)


つづく



あ@仮想はてな物語 石舞台の大岩・ソガーンを叩き起こせ! (2/3)



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 悪いのはOさんだ。
 いつも口癖に呼んでいるものだから、コロのヤツが覚え、
 さらに腹立つことには、
 この私自身の口の奴が覚えてしまったことだ。

 「オッさんを、オッさんと呼んで何が悪いの?」と開き直られると
 返答のしようがない。

 40過ぎての自分の顔は自分で責任持て! と言われても、
 オッさんの顔にしたのは、私ではナイゾ! 
 と顔の奴のせいにしている。

 責任を顔に転化して奥底に潜む自分のエキスを
庇っているのだ。

 橘寺、岡寺、飛鳥寺の3寺の鐘を同時に撞きながら、
その鐘の響きが終わるまでに、
[ソガーン、テンガン、テンガン]と108回呪文を聞かせろと言う。
  12文字 X 108回 = 1,296 文字も!

 あの早口でしゃべる女優のKさんでさえも1分間300文字
前後だというのに!


 アッ、そうだ!
 娘のマイカが持っているラジカセで、
 テープを早送りすればいいのだ。
 ゆっくり吹き込んで早送り再生すれば何とかなりそうだ。
 人間の声には変りないのだから構わないだろう。


 Oさんを拝み倒し、長女のマイカと長男の休太郎を
小遣いで釣り4人で出掛けた。
 同時に3寺の鐘をつくと、どう聞こえるか聞いてみたいとか、
 何とか言って適当に誤魔化しておいた。

 嘘も方便、方便。
 この際仕方あるまい。

 時計を合わせて4人で散らばる。

 ゴォーン。ゴォーン。ゴォーン。

 それラジカセ、スイッチ・オン。
 回る回る、テープが回る。
 撞き終わって4人で家に帰り、
 私一人でサヤカとともに石舞台に引き返した。

 ヤツは、夕闇にひっそりと佇んでいる例によって、
 サヤカのガソリンの給油口に口を当てる。



つづく




あ@仮想はてな物語 石舞台の大岩・ソガーンを叩き起こせ! (3/3)




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 [ソガーンはん、起きたか?]
 [オオーツ、お前か!!!
  せっかく気持ちよく寝ているオレ様を起こしたのは!]
 と荒げた声が返ってくる。

 [屋久島の縄文杉のジィさんが、あなたを起こせと言った
ものですから]
 [大先生か!
  何でお前は知っている?]

 サヤカのこと、巳の神杉のこと、北山杉のことなど、
 かい摘んで話してやる。
 時代があまりにも離れ過ぎているので、
 よくは伝わらないみたいだ。
 眠り続けていたのだから致し方のないことだろう。
 しかし、ヤツは元々固い固い石頭のようだ。

 少し話をしていれば、その固さが伝わってくる。
 コイツにもコロを送って教育してやろう。
 コロのヤツ、早くジィさん返してくれないかな。

 それにしても、ソガーンめ、まだまだ眠り足りないみたいだ。
 まあ、コロが帰ってくるまで、うつらうつらしていろ! 

 五月の風 うっすらとそよぐ 奥明日香
  ぽつり石舞台 ひっそと眠りいる
                         ち ふ

                        
                          
 この項おわり


あ@仮想はてな物語(逸話) 屋久島の縄文杉・ジョジィも歩きたい  (1/3)

2019-02-04 13:13:17 | 仮想はてな物語 



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 * 屋久島の縄文杉・ジョジィも歩きたい(049)


 コロの連夜の指導で、タイタイも何とか静かに上手に
歩けるようになった。
 ヤツに万博公園から外に出ないように約束させた。
 放っておくとサヤカに逢いに来かねない。
 ヤツが来ようものなら、ヤツの重みでこの安普請の団地など
 一たまりも無く、壊滅状態になってしまうだろう。
 ヤツは夜歩くために蓄電池が欲しいと言いだした。
 昼間、燦々と輝く太陽のエネルギーを蓄め込んでおいて、
 夜間に使う気らしい。

 またまた、要求か!
 要求の多い連中どもだ。

 思っていた通りになった。
 ジョジィから、ワシも歩きたいので、マサカリと紐と瞬間接着剤を
 送ってくれと、パソ通でメールが入ってきた。
 タイタイが歩く喜びを大袈裟に伝えたのだろう。
 ジィさん、矢も盾もないような催促をしてくる。
 今時マサカリなんてあるのだろうか?




つづく



あ@仮想はてな物語 屋久島の縄文杉・ジョジィも歩きたい  (2/3)



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 私は、サヤカと吉野の樵の家を回り何とか手に入れてやった。
 最近は、チェーンソーばかりで仕事をしているものだから、
 小屋の隅で錆ついたまま放ったらかしにされていた。
 マサカリは丁寧に磨いでもらった。

「こんなもの、いまごろ何に使うのか」と問われたが、
 適当に言葉を濁した。
 民芸品の蒐集をしている、とか何とか言っておく。

 その夜、コロの背中にマサカリなどをしっかり括りつけて、
 ジョジィの所へ送り出した。
 コロのヤツ、ジョジィに久しぶりに会えるものだから、
 喜び勇んで飛んで行った。
 見送っていると真上に上がり消えて行った。

 その深夜、早くもメールが届いた。
 コロの代打ちに違いない。
 漢字が巧みに使われている。
 ジィさんの歩き方はこうだ。
 マサカリを紐で吊し風の力で、
 ジィさんが乗り移った枝をスパッと切り、
 自由の身となり動き回る。
 終われば瞬間接着剤でくっつけ、元の通りに戻しておく。             
 大丈夫かいな?
 私は、桜の花で瞬間接着剤では失敗しているのに。
 少しでも水分があれば元に戻せないぞ。
 知らねぇーっと。


つづく



あ@仮想はてな物語 屋久島の縄文杉・ジョジィも歩きたい  (3/3)




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 ジィさん、今からコロの背中に乗って、
 桜島の夜間見物に出掛けると言う。
 コロをしばらく預かって置きたいので、よろしくとも書いている。

 都合のいい事言いやがって!

 コロをアッシー君として乗り物代わりに使う気だ。
 ジィさん当分コロを手放しはしないだろうなあ。


 杉とても 何千年も 張りつけば 
  その地逃れて 空にも舞いたかろう
                        ち ふ


                        
   この項おわり




 <屋久島の縄文杉・見物の皆様へ>

  縄文杉・ジョジィは、マサカリを隠し持っていますので、
  あまり近づきすぎると、
  いつ何時落ちてくるかわかりませんので、お気をつけ下さい。
  また、あまり騒がないようにお願いします。
  なお、立ち小便などする人は、
  おチンチンが切れ落ちても知りませんよ。


あ@仮想はてな物語(逸話) 吹田の太陽の塔、タイタイ歩く  (1/3)

2019-02-04 13:11:39 | 仮想はてな物語 



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 * 吹田の太陽の塔、タイタイ歩く(048)


 タイタイを何とか歩けるようにしてやりたい。
 喜ばしてやりたい。
 涎を流して嬉し泣きするヤツの顔が見てみたい。

 私は、ふとジョジィの言葉を思いだした。
 ジィさん、杉花粉が日本中を飛び回ると言っていた。
 それに中国の黄砂も時々飛んでくる。
 それならば、岩塩の粒だって日本に飛んできている筈だ。
 日本の上空には、ジェットストリームも吹いている。

 私は、大神神社に行ったついでに、
 巳の神杉・ミスギーに聞いてみた。
 ジョジィにパソ通で問い合わせても良かったのだが、
 オールひらがなメールには閉口しているので止した。

 北山杉のキタヤンの所へ行ってみろという。
 彼は、蒐集癖があるらしい。
 杉の世界ではガメツイので通っているから、
 それ相応の礼も覚悟しておけという。
 聖水は大神神社の北隣にある、狭井神社の
境内にある霊泉で、
 間に合うだろうと教えてくれた。


つづく




あ@仮想はてな物語 吹田の太陽の塔、タイタイ歩く  (2/3)




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 私は、土曜日にサヤカと24号から、京都市内を通り、
 162号のキタヤンの所へと急いだ。
 小雨がパラついていた。
 4月の週末はぐずついた天気ばかりが続いている。
 会社に行って、ビルのなかに捕われているときには、
 さわやかな5月を思わせる風が
 吹いているくせにだ。
 何とも腹立たしいが、どうしようも出来ない。

 キタヤンと話をするには、ガソリンの匂いで気分が
悪くなるので、もっぱら聞き役に回る。
 ガソリンの給油口を使わなくとも話ができないものだろうか。
 彼は、アメリカ、イギリス、ソ連、中国、フランスの安保理の
5つの常任理事国の岩塩なら取り揃えているという。
 花粉以外の不必要な物は整理・分類して根元に
貯め込んでいるみたいだ。

 アメリカの岩塩は、これもパソ通でヘタな英語を使って、
 カリフォルニアに住む、
 Kさんに頼んで5kgばかり航空便で送ってもらっていた。
 残り4カ国の岩塩は咽喉から手が出るほど欲しい。
 プラチナ(白金)と同量交換しようという。
 彼によると、プラチナは21世紀産業を支える重要な
貴金属となるらしい。
 彼自身も自動車の排気ガス浄化装置として使いたいと言う。
 喘息気味みたいだ。
 なかなか手に入らないので是非持ってきてくれと懇願される。

 目ざといヤツだ。
 それにしても、ヤツらの人間社会に対する反応の素早いこと。
 考えてみれば、そうでもしないと、凄まじい変化を遂げる
地球では生き延びることが難しいのだなと思うと、
哀れな気もしてくる。

 私はプラチナの値段など知らない。
 金よりは少し高いのだろうぐらいにしか思ってなかった。
 金の値段は新聞に出ているから、1gが2,000円以下ぐらいに
 認識している。
 あまり沢山交換すると、後で泣きそうだ。
 4岩塩とも5gずつ計20g貰って帰って来た。

 狭井神社の霊泉をポリ容器に汲み5岩塩とバケツを
 サヤカに積んで、日曜日の夜、万博公園に行った。
 Oさんは、
「明日は会社でしょ!
  このオッさん、何を考えて生きているの!」
 と、それはきつい言葉を投げ掛けてくれる。

[若い時は、もっと優しくて可愛かったのになあ]
 と溜め息をつきながら、タイタイの所に向かう。

 ヤツは、サヤカが近づけば本能的に分かるらしい。
 首を左右に振り手を上下に動かして喜びを表現している。

 [静かにしろよ!
  人に見られたらどうするんだ]

 私は気が気でない。
 こんなに夜遅く、エエ年こいたオッさんが、ポリ容器を持って
 ウロウロしているのを見られたら、警官の職質に遭って
交番に連れてゆかれそうだと言うのに。

 岩塩をブレンドする。
 アメリカ塩が圧倒的に多い。
9:0.25:0.25:0.25:0.25 だ。
 霊泉を注ぎタイタイの足許のポイントに掛けてやる。

 ぐらり。
 地震。
 わっ、押し潰されそうだ。
 でも、一応成功したみたいだ。


つづく



あ@仮想はてな物語 吹田の太陽の塔、タイタイ歩く  (3/3)




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 ヤツは、2・3歩そっと歩いてみて恐いという。
 図体は大きいが、私そっくりに臆病者みたいだ。
 ますます親しみが湧く。
 かなりの歩行練習が必要みたいだ。
 その夜は、それぐらいにして帰ってきた。

 コロの奴をタイタイの歩く指導に行かせてやろうと思っている。
 ヤツの喜ぶ顔は見られなかった。
 不安いっぱいという表情だった。
 無理もない。
 歩いたことないのだから。

 また、ボーナスが出たら少しへそくってプラチナを買って
キタヤンに持っていってやらねばならない。
 プラチナは、金価格の約1.11倍もしている。
 変動が激しいみたいだから、ボーナスを貰うまでに
 どう変わっているのやら・・・

 ボーナスなんて結局は、毎回貰う前に色分けされて出費と
 紐附き関係になってしまっている。

 Oさんの追求をどう交わそうか?
 何ヵ月も先だというのに早くも攻防戦が始まっている。
 たった一回、貰ったボーナス思いっきり勝手に使ってみたい!


 4・5月の 出費重なる 刻迎え
  心は早くも ボーナス色分ける
                       ち ふ


                      
   この項おわり



 (お詫びとお知らせ)
 万博公園の近くに住む皆様へ。
 さる4月X日の日曜日の夜、
 11時半過ぎの地震は地震ではありません。
 太陽の塔・タイタイの偉大な第一歩でありました。
 今後はコロの指導の下に厳しく歩行練習をさせ、
 二度とああいう御迷惑はおかけ
 致しませんので、許してやって下さい。

                   流 ドン作 拝




あ@仮想はてな物語(逸話) 新益京に駄犬コロ帰る  (1/3)

2019-02-04 13:10:36 | 仮想はてな物語 



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 * 新益京に駄犬コロ帰る(047)


 コロが修業を終えて帰って来るという。
 ジョジィから、連絡が入った。

 私は戦々競々としている。
 ヤツにどんな復讐をされるのか、思っただけでも憂欝になってくる。
 もちろん仕掛けたのはおれだから致し方のないことだ。
 帰ってくるなと言っても、ヤツは魔犬と化している。
 凡人の私の歯が立つわけない。

 けれども、犬は3日も飼えば恩は忘れないとも言うから、
 救いがないわけではない。
 どちらにしろ、私が播いた種なのだから、
 ヤツの気の済むようにさせてやろう。
 まさか取って食ったりはしないだろう。
 ジョジィもその辺りは言い聞かせてくれているだろう。

 コロがどんな能力を身につけているのか分からない。
 ジョジィは何も教えてはくれないからだ。

 ある土曜日の夕方、サヤカとツーリングから帰ってみると、
 コロが帰ってきていた。
 私は恐る恐るヤツの目を見た。
 怒りの色は感じられない。
 ヤツは尻尾まで振っている。

 「コロ、よく帰ってきたな」



つづく



あ@仮想はてな物語 新益京に駄犬コロ帰る  (2/3)



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 疾しさを感じつつ頭から背中に掛けて撫でてやる。
 身が引き締まって精悍な感じがする。
 風格も出てきたようだ。

 「コロ、前とちっとも変わらないね」

 2~3日して、Oさんが言った。
 一日中、どったりと寝そべっているという。
 私には、それが不気味に映る。

 次の土曜日の午前中、Oさんが買物に行った隙に、私は、サヤカに
 口述ワープロ打ちをさせていた。

 その時である。
 コロのヤツが背中に頭をそっと押しつけてきたのだ。
 鎖に繋いでいるはずなのに。
 私は、もうびっくりして腰を抜かす程だった。
 ヤツとは知らなかったし、ヤツと知って、またびっくり。
 ヤツはサヤカの手の代用品の変速ペダルに括りつけてある、
 割り箸を軽く口で取り上げ、突然ワープロを打ち始めた。

 鮮やかな2本打ちのお手並み。

 ヤルー!


つづく



あ@仮想はてな物語 新益京に駄犬コロ帰る  (3/3)




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 「オッさん、ワープロ抱えてて」

 私は言う通りにする。
 ヤツは寝転んで手足4本を使って、
 奇妙に問わず語りを打ち始めた。
 藻掻き苦しんでいるような格好だ。


 それにしても、すごーい。

 始めは、あなたのことを恨んでいた。
 しかし、今はこんな素晴らしい、
 世界があるのを知って感謝している。
 ジョジィ仙人についていろいろな術を教わった。


 そのうち徐々にご披露します。
 ただ、私の術はジョジィ仙人の許可がないと
 使用できないので、
 ご期待に添えるかどうかわかりませんが、
 ご一家のご幸福のために協力しますので、
 いつでもお言い付け下さいと、素晴らしく早いスピードで打った。


 帰りは空中を飛んで帰って来たのだが、
 橿原市の上空で久米の仙人も引っ掛かったという、
 ピンク・ゾーンに、もうちょっとで捕まるところだった。

 幸い去勢手術をしてもらっていたので、
 それは可愛い牝のポメラニアンの、
 水浴び姿を見ても、ダッチロール程度で済んだ。
 もう少しで、折角マスターした術を失う所だった。
 私は、今はサヤカさんと自由に話も出来るようになっている。
 鎖の外し方も知っている。


 そんな事を表示してくれた。
 何とも頼もしい味方が出来たものだ。
 それにしても、あのキータッチのお見事さ。

 さては、ジョジィめ、コロに代打ちさせていたのだな。
 ジョジィが、シフトキーを使う謎が解けた。

 待てよ!
 ということは、またあの読みづらいひらがな文の、
 ジョジィのパソ通メールに、
 付き合わなければならないのか!
 ああ、しんど!


 速射砲 思わせるごとくの キータッチ
  ワープロ怖れいる 歳噛みしめる
                       ち ふ


                       
   この項おわり