株式会社プランシードのブログ

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その317.編集

2017-03-20 06:22:38 | 制作会社社長の憂い漫遊記
私がもっとも楽しい作業は編集だ。
苦労して撮影した素材をドンドコ捨てて研ぎ澄ましていく。
かって20分しか撮れなかったビデオテープを
1日2本しか与えられなかったドキュメンタリー系監督にとって
時間ありきのテープ配給は苦痛だった。
誰かにインタビューをしたら20分なんて
あっという間に終わってしまう。
それゆえに工夫や知恵を絞って被写体と絡むようになるのだが。

昨年秋に東北、関東甲信越、東海の6箇所を取材に回った。
この取材から映像とカタログを作成する。
私は6名のお客さまの声カタログ(印刷物)の編集を担当し
映像は弊社の妹尾に任せた。
カタログについは、お客さまの声編が完成したと同時に、
特長編もとなり怒濤の年末年始を迎える破目になった。
ドキュメンタリー系監督の私にとって、
お客さまの声カタログは思い入れをもって制作できる。
しかし映像は、6箇所の取材で膨大な取材映像があるにも関わらず
今現在、妹尾がイベント上映用に5分間にまとめたものを
制作。1日だけの上映で終わり。
イベント後、400枚コピーして配布するお話をいただいた。
ちょっと待った!
ということで、私自らが編集して2分間×6本にリニューアルし
先の5分物と合わせて400枚コピーすることとした。
ビデオ編集はお家芸の私だが、今では1年に1本監督できれば御の、
久方ぶりの編集となる。
まず編集機の使い方から復習しなければならない。
編集システムの立ち上げ方、編集効果のボタンや音の調整方法を
部下から聞いてメモする。アナログ人間にはPCは厄介だ。
とにもかくにも使い方をレクチャーしてもらい
メモを取って編集機の前に座る。
ここまでは使い方、まだ編集のへの字も始まっていない。

こうして一昨日から始まった編集。
初日は1時間、昨日は2時間の計3時間を費やしている。
丸々1日関われないのは辛いが、
PCの使い方に振り回される域は過ぎた。
すでに忘却の彼方に押しやっていた昨秋の撮影素材を見直し
最初の2分間の編集素材を抜き出したあたりで
ほぼほぼ編集方針も固まった。
今回はナレーションなし、
インタビューのみで構成することにした。
取材した6人のインタビューで2分を1話として6話を作成し
DVDに収めて好きなのを見られるようにすることにした。
ちょっとコジャレた曲を2分に編集して、
曲に負けないインタビューを載せていく。
3時間の作業で、曲の編集と一話目のインタビューの編集を終え
仮に曲と合わせてみる。なかなかいい感じだ。
次にインタビューにインサートカットを載せていく。
ますますいい感じだ。
これで方針は固まった。もう1時間あれば一話目は完成する。
2分間の頭につくコーナータイトル部分は、
協力会社の三宅嬢に依頼した。
おそらく可愛いタイトルバックとサイドマークが上がってくるはずだ。
こちらもそれまでに3~4話分はあげておきたい。

さて今回のカメラマンはフリーカメラマンの小沢隆氏。
本人は映像派というが、私はドキュメンタリカメラマンとして
毎回彼をバディにしている。
撮影素材を約半年ぶりに改めて見ると、被写体の状況把握と共に
一生懸命、画にしようとしているのがわかる。
問答無用!それをバッサバッサ切り捨てていく。
今は編集点がモニターに映し出されるので、
私のキメ細やかな編集ワールドが目の前のモニター上に広がっている。
これを見たら「高い」なんて言えない。それほどキメ細やかな作業だ。

編集とは捨てること!酒米と同じ。手塩に育てる。これだから編集は楽しい。
たぶんこの作品もまた名作になるはずだ。否、名作になる運命にある。
ちなみに名作になるかならないかは、
編集が始まり、編集方針が固まったらわかるものだ。
この作品は名作になるために生まれてきたと
私の監督としての直感が訴えている。
こうなると編集したくてウズウズしてくる。
しか~し、そんなに世の中、甘くない。
このあと最低2回は奈落に突き落とされることを
監督なら誰でも理解している。
その奈落もまた名作がゆえの宿命ともいえる。
プレーイングマネージャーの私にとって納期厳守の中、
1日2時間程度の時間しかとれない状況下で
いかに研ぎ澄ましていくか。これもまた一興。仕上げをごろうじろ。
今日はこれにてご免、だって編集しないと。

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