画像/アウディA6 上海では日本でのクラウンかそれ以上に見かける。欲しいけど、そこらじゅうに走っているのでマイノリティとしての価値が低くなっている。
■どこかの人材紹介会社のキャッチコピーようなタイトルになってしまった。
働くというのはつらくて大変なことだろうか。いつの時代もこんな疑問があるようだが、やっぱり大変なことじゃないかなと思う。でも、それは決してつらいだけでいいわけではないだろうし、仕事が楽しければ楽しいほど人生を楽しんでいることにもなるはずだ。
私は自分のビジネスをしているので、時間の自由もけっこうあるし、何よりすべてが自分の思いどおりにできることが楽しい。仕事の自由はお金の増大に直結するわけではないので、自由があるからたくさん稼げるというものでもないと思うが、ある程度軌道に乗れば気持ちにも余裕が出るし、これからの計画をしっかり考えながらできる。
この前、知り合いの社長のブログを読んでいた。彼は6年ほど前に日本で起業した30代だが、わりと事業がうまくいっているらしく、有名なスポーツチームのオフィシャルスポンサーにもなっている。ブログには「俺は起業しますよ。でも今はタイミングじゃないんで」と、6年前から言っている彼の後輩のことが書かれていた。
私の知っている人にも何人かこのような人がいるが、申し訳ないが、相手にするだけ時間の無駄だと感じさせられる。相談に乗っても、口だけはやるようなことを言うわりには行動がまったく伴わない。これでは本当にやる気があるのか甚だ疑わしい。その社長の後輩の場合は、世間を知らない若い女性などに「俺、起業しようと思ってるんだ。まあ起業家の卵だね」的なことをアピールすれば反応は悪くないので、それが気に入っているようだが。
10代後半や大学生くらいの人なら、起業しようと思ってもなかなか難しい面もあるから、3年くらいの準備期間があっても理解できるが、20後半から30代、40代の人間が「準備」に何年もかけるというのは本当にやる気があるのか疑ってしまう。ある人が、起業をしたいと言っていたので、いつ頃するのかと聞いたところ「2年か3年後かな」と言っていたのを聞いて、これはきっと何もしないなと思った。それから2年たったが、やはり彼は何もしていなかった。準備を整えていなかったのか、勇気がなかったのか。
きっとそれは、物理的な準備でなく、心の準備を整えることをしなかったのだろうと思う。やるという「決断」をしなかったわけだ。バンジージャンプで何分も飛ばない人のように。バンジージャンプだって飛ばなければ意味がない。飛んでこそその面白さを肌で味わえるし、飛んだ飛べたという自信もつく。まあバンジーの場合は躊躇しても多くの人が飛ぶと思うが。「いつかはセルシオ」ではないが、「いつかは起業家」では、アリがキリギリスのようにさぼっているようなものだろう。だって基本的には私も含めてみんなアリなんだから。
それで、いざ起業してみても、なかなか思うようにはいかないのが普通だろう。私も過去2回起業しているが、そのうちの1回はうまくいかなかった。今回は一応色々と経験を重ねたので前はわからないこともわかるようなところが多くなってきた。まあこれは人生経験での色々な勉強代が、ようやく少しずつ役に立っているのだろうと勝手に思っているのだが。
その時代にどんな商売をやるか。時流にあったことでなければいくらがんばっても儲からないわけで、その努力は報われない。ここでありがちな「がんばったんだから人生は成功しているんだ」的な精神論は別の場所に置いておきたい。私も、多くの人同様に成功哲学方面、ポジティブ思考大事系の本などの啓発本はたくさん読んできたので、精神上の心の持ちようの大切さはわかっているつもりだ。しかし、そのことと実務上の結果がリンクできなければ、やはりやっていることが現実に合わなく、どこかがずれているということになるだろう。そういった結果を省みず、精神論を持ち出すことは好きではない。そうならないように気をつけつつ、前に進んでいくのがいいと思う。
世の中には色々な商売がある。私の場合は、よほど回転率を見込めない限り、まず利益率の低い商売はしまいと思った。というのも、初めは資本もそんなにないので、一人で始めることが前提だからだ。例えば、3,000円のものを売って、経費諸々除けば300円しか利益が出ないのなら、1ヶ月に1,000個を販売しなければ1ヶ月の手取り収入が30万円にも満たない。ということは、1日8時間の販売時間があったとすれば、最低でも1日に33個くらいは販売しないといけないわけで、1時間に4個、15分に最低1個は売れなければその目標値は達成できないことになる。あくまで1個ずつ販売したとしてだが。
例えば、上海でも人気がある真珠奶茶などのテイクアウトドリンクの店。仮に1ヶ月に1万元の利益が出るとしても1店舗だけではあまり意味がない。そこで3店舗作ってもまだ3万元だし、3店舗とも1万元の利益を出せるとは限らない。それならやはり5~6店舗は作って、オーナーは少なくとも3万元か4万元くらいの利益を得ていなければ、店舗経営のみをやる場合としては心もとないだろう。
これはひとつの商品を売るという例だが、年商10億とかいう企業でも利益は1億円しかないというところも珍しくない。それならば年商1億で利益1,000万円というところもあるわけで、私がやるならこういうのはちょっとやりたくないなと思った。会社の中の営業マンだとしても、月の売り上げが5,000万円で給料1,000万円の人より、売り上げ1,500万円で給料1,000万円の人のほうがはるかに効率がよいということ。少なくとも本人にとっては。
物事は効率ばかりだとは思っていないが、シビアなビジネスでは効率は重要な要素のひとつだろう。ここで間違えると苦労ばかり多くて、毎月なんとか黒字ということにもなりかねない。しかし、事業が安定したら、その他の細かい利益を拾う取りこぼしシステムを構築してもいいかもしれない。チリも積もれば山となるだ。時間が見合わないのならやめるが。
私の事業の年商は億単位にまだまだ満たないが、それでも十分な利益に達することができている。しかし、私の中国ビジネスはまだファーストステージであり、あと2ヶ月もしないうちにやってくる2011年は次のビジネスをスタートさせる。これがうまくいくかはまだわからないが、ある程度はいけそうな感触を得ている。セカンドステージとしてもう一歩か2歩、はたらくを楽しみながら歩んでいきたいと思っている。