金継ぎという日本古来からの「壊れたモノにさらに美しさを加えて修復し、蘇えらせる技法」に以前から興味がありました。ある時、素人でもできる「金継ぎキット」が日本にあることを知り、日本から取り寄せて見ました。うまい具合に壊れたちょうど良いモノがなかったので、しばらくそのままになっていたのですが、先日友人の一人から、金継ぎをやってくれる人を探している人がいるという話を聞いて、どんな物をなおしたいのか、詳しく聞いて見ました。高級なアンティックのような物ではとてもお引き受けできないと思ったのですが、彼女の話では、ご主人の知り合いが作ったボウルで、思い出の品物だったようで、壊れて捨てるのも残念なので、もし修復できればご主人が喜ぶに違いない、ということで、試しにやって見て欲しいということだったので、お引き受けしました。
これが最初に彼女から送られてきた写真。大きく3つに割れていたので、これなら何とかなるかも、と思いました。
まずは漆を使って接着して元の形に_。
とてもきれいに割れていたおかげで、かけらも最小限で、結構きれいに着きました。これが3つにわかれていたボウルがはじめて一つになったところです。でもこの金継ぎ技法は流石に日本の技法で、とにかく割れたところが美しく修正されるように何度かの段階を得てその度に完全に乾燥させながら、時間をかけてなおして行きます。
何度か割れ目の間の穴や凹みに漆と砥粉を混ぜたものを入れてできるだけ平にし、その度に一週間以上かけて完全に乾燥させます。そして最後に割れ目の跡に漆をのせ、その上に金粉をふってまた乾燥させ、さらにその上にまた漆をかけて乾燥させてから、最後に金粉を磨きます。このキットに付いてきた金粉はどうやら艶消しのモノだったようで、磨いてもあまりピカッとは光りませんでしたが、それでも一応金継ぎ完成!
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