黄金のドームがのった、分離派のシンボルと言われている"セセッシオン"の建物
ウィーンの街には、世紀末に活躍したアーティストたち、クリムト、エゴン・シーレ、ココシュカらの作品がたくさんあります。初日に行ったレオポルト美術館には、エゴン・シーレのコレクションがありました。
エゴン・シーレの作品は、自画像や、人物画が多いのですが、私はこういう景色の作品がとても好きです。この写真ではうまく出ていなくてとても残念なのですが、なんとも言えない色づかい、しぶさがとてもいいのです。
撮影禁止だったのか、それとも圧倒されちゃったせいなのか、よくわかりませんが、結局クリムトの写真は一枚もないことにあとで気がつきました。彼の作品は、ほとんどがとても大きくて、展示室に入っただけで圧倒されるような迫力があります。色使いといい、細やかな模様といい、どこをとっても美しいものが壁一面で迫ってくるのです。
どっぷりとクリムトの世界に浸りきることができました。
そして、上のセセッシオンの建物の中には、クリムトの「ベートーベンフリース」というベートーベンの交響曲第9番をテーマにした壁画が展示されていました。部屋全体を覆うクリムトの世界は、流れるように美しくて、その世界の中に酔って溶け込んでしまいそうです。
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たった3泊のウィーンの旅、たくさんのことができるわけもなく、なんとかベートーベンゆかりの地、現在では高級住宅地になっているウィーン郊外のハイリゲンシュタットに行ってきました。ベートーベンは、かなりあちこちに住まいを変えたらしく、ベートーベンの家、というのが何軒か残されています。
ここには、「エロイカ」の直筆の楽譜もありましたが、「皇帝ナポレオンに捧ぐ」という部分が黒く塗りつぶされていました。
ベートーベンの散歩道とエロイカ通りの交差点
ベートーベンが散歩をしながら田園の構想を練ったという小川の流れる小道
この散歩道を歩いてみましたが、今ではすぐそばまで住宅が迫っているし、かつてはウィーンの森の中だったのかもしれませんが、これといってとくに特別っていうカンジの小道ではないのです。この道を歩きながら、あんなすごい曲ができちゃうんだ...と、そちらにカンシン。
ここにもベートーベンは住んでいたのだとか... 現在は酒場になっています。
中に入ってみると、ブドウのつるがつたう、とても素敵なレストラン。
巨大なシュニツェルをワインと一緒にいただきました。おいしかった!!
ベートーベンってとても遠い世界の偉大な作曲家だと思っていましたが、こうして彼の住んでいた家を訪ね、彼が歩いたであろう道を歩いてみると、「あぁ~意外とフツーの世界に生きていたヒトなんだ...」なんて思えて、「田園」のメロディーを口ずさみながら散歩をしているベートーベンさんに会えそうな気さえしてきてきました。