日本人があまり知らないサングレー空港。
マニラ首都圏の南西にあるカビテ州にある空港です。正式名称はサングレーポイント国際空港。フィリピン空軍基地に隣接する土地を活用して、現在は国内線向けに開港されていますが、今後は2023年までに国際線のハブ空港へと拡張される計画です。
マニラのニノイ・アキノ国際空港は増え続ける人口にその処理能力が追いついておらず、一極集中を避けるため他の空港へ分散させる計画があり、サンミゲルグループが計画するブラカン国際空港プロジェクトのほか、サングレー空港のハブ化もその対策の1つです。
サングレー空港の拡張プロジェクトには、フィリピンの地元財閥企業であるSMグループやアヤラ・コーポレーションなどのほか、中国交通建設集団China Communications Construction Company Limited 略称CCCCなどの中国企業も参画、すでに航空関連事業会社マクロアジア(フィリピンの有力実業家ルシオ・タン氏)とCCCCのコンソーシアムのみが応札しています。事実上の受注確定となり、カビテ州政府は事業計画を精査した上で、レムラ・カビテ州知事は「セキュリティリスク」になるようであればサングレイ空港建設における中国系企業の契約を破棄する準備もある。また、ドリロン上院議員はCCCCによるサングレー空港事業者契約破棄を政府へ訴えている曰付きの事業です。
接続道路では、マニラ・カビテ高速道路をサングレーポイントまで延伸。カビテ州カウィットからノベレタを経由して、サングレーやタンザまで伸びる5kmの道路が建設されます。
何故反対派が多いのか。米国が発表した中国による南シナ海の埋め立てに関与している中国企業の制裁リストの中に、同空港の拡張事業を手掛ける企業CCCCが含まれているためです。もちろん一帯一路による各国のトラブルも大きな要因と思われます。
フィリピン国家経済開発庁(NEDA)によると、大規模インフラ整備計画「ビルド・ビルド・ビルド」の下で実施される75の基幹プロジェクトのうち、中国のODAによるプロジェクトが19あり、その供与総額は5,150億ペソ(約1兆815億円、1ペソ=約2.1円)に上る。そのうち開発が開始された案件はカガヤンバレー地方のチコ川灌漑揚水案件、およびマニラ首都圏の新水源となる予定のカリワダム建設案件の2つだけで他の事業は遅延しています。
今回の事業もそうですが、施設が完成後にインフラ整備を始める。結果として最初に解決すべき道路インフラ整備が遅れ物流等に大きな支障が出てしまうことを繰り返しています。ブラカン空港に関しては、すでにL R T路線も発表されアクセスを最初に始めるようですが、これも始まってみないと何とも言えないようです。
道路の整備拡大を最初に徹底していかないと、いくら空港を沢山作っても渋滞が常態化する首都圏そしてマニラ高からの物流道路の確保が先決にも思えます。本来であれば、首都圏高速道路位できていてもおかしくはないのです。10年経過しても未だ北ルソンと南ルソン高速道路が接続できていない。
個人資本でなく国営にすれば良いと思うのですが・・・・・・・・・・・・
ここへ来て何故国際空港を一気に2カ所も開港を目指すのか?
財閥間の利権戦争とも思えます。
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