
金曜日の夜
ホーリーウィーク真っ只中ガッド金曜日。バコーロッドへ戻ってきた頃には人もまばら。商店街も開いているのはジョリビー、グリーンウィッチ、マクド、チャウキングのファーストフード店のみ。見事に他店は休業。今日の夜もファーストフード?一応、ホテルのルームサービスに問い合わせた。「ホーリーウィーク中はサービスを休んでいます。」
何時まで休みなの?「16日までです。」そういえばこのホテルに人が入ってくるのを見たことがない。チェックイン時、通されたのがこの部屋、とにかく大きな部屋、20畳くらいある部屋。あまりにも大きいので小さめの部屋をリクエストしたがこの部屋しかあいていない。といいながら後で聞いたら、他には誰も宿泊客がいません。大爆笑だ。一本やられました。料金が安いので怒るきもしなかった。でも人をコケにする性格だけは許しがたい。
フロントのオネーチャンまじめな顔してうつむき加減。エレベータに乗るついでに後方からフロントを除いてみた。回りを気にもせず聞いた事のある音が耳に入った。音を出してパックマンゲームをやっている。しかも就業中。笑ったらオネーちゃん気づいたようで、「ホーリーウィーク中は経営者が留守。暇なのでゲームしています。」勝手にしてくれといわんばかりに部屋に戻り、再度外出。外へ出た途端驚いた。先ほどの静けさとは打って変り人・人・人?
ホテルのガードマンに尋ねてみた。夕方から教会でミサが開かれていたようで、その帰宅客でごった返している。メイン通りの一本入った道路では、各種露天が出店。その場所付近へ行った途端腐ったような異臭が立ち込めてきた。クサヤの臭いに似ている。肌家電気球丸出しの露天でドライフィッシュを山のように積み重ね販売している。一山20ペソくらい。しかも一皿に7、8引き。鶏肉も山のように積まれて売っている。野菜から米生活用品に至るまで。この光景が普通の光景とのことだ。マニラなどで見かける移動販売フィッシュボールが見当たらない。タバコ屋も移動ではなく、殆どが軒下に仮設店舗のようにみかん箱のようなものを重ねて売っている。その隣にはどのタバコ販売店にも蒸しパンと揚げパンが売っていた。その揚げパン見るからに旨そう。1個買ってみた5ペソ。全体にグラニュー糖がまぶしてあり旨そうなので頬張ってみた。揚げ油が臭い。ココナッツオイルで揚げたパン。揚げたてなのだろう。中も結構暖かくオイルの臭いさえ気にしなければ食って食えない事はないが別に旨いものではなかった。
誰に聞いてもレストランは休業、やむなくチャウキングへ。店内、凄い人で込み合っている。人の汗臭さにめまいする位混雑している。一階と二階に客席があり殆ど満席状態。折りよく二階席があいたので座った。暑い。全くエアコンが効いていない。汗まみれになりながら食事を済ませ外へ出た。人が本当に多い。店内より外のほうが潮風で心地よい。小さな移動屋台が沢山あった。どの屋台も同じようなものを売っている。「フライドチキン」だ。しかも揚げたて。オイルも臭くなく旨そうだ。即買い食べてみた。さすがバコーロッドチキンといわれるだけに旨い。3個20ペソだった。概に揚げてあるものは汚さそうだがその場で揚げてもらえば食える。しかも保存は氷の沢山入った箱の中。鮮度もさほど悪くはない。味もうまいほうだ。
人・人・人。人ごみを掻き分けホテルへ戻った。相変わらず人影のないホテル。フロントオネーチャンしっかりとコンピューターのモニターにはパックマンが動いていた。客がきたのも気がつかない。?寝ているのかもしれない。椅子に座ってしかもうつむき加減で睡眠、器用なオネーチャンだ。
土曜日の昼
友人宅へ昼食に誘われ出かけた。 バコーロッド市内の静粛な住宅地。緑が多く、舗装されていない道路。自然そのものの住宅地。敷地内は非常に清掃が行き届いている。花粉症から開放されて6年目。ふと我に帰ってこの土地にいたら?浅はかな考えである。地面が全く舗装されていなければ花粉が舞い散るはずがない。ご家族の大歓迎を受けて昼食会。流石バコーロッド、ここでもチキンが。確かに肉が旨い。バコーロッドはチキンにさほど味をつけていないようだ。肉の味をかみ締めるように薄味なのか、偶々そうなのかは定かではない。
昼食会を終え再度市内へ。待てども暮らせどもタクシーがない。ジプニーはとにかく頻繁に来る。極力風通しの良いジプニーに乗り込んだ。流石安全運転。この島民はなんとなく交通道徳を心得ているようにも思えた。見たら後ろから蹴りを入れたくなる警察官の姿もない。マニラであれば警察官がいなければなんでもする連中が多いのだが?このバコーロッドでは、スピードも平均4、50km程度。安心して乗っていられる。無茶な割り込みもなくいたってスムース。渋滞のない理由は譲り合いのようだ。
バコーロッド市内は、車道と歩道が区別されていて、歩道は一般車道より高めに作られている。歩行者もきちんと歩道を歩いている。歩道上には多くの人々で大混雑、当然フィリピン名物も多い。乞食が歩道上で物乞いしている。子供は殆ど見受けられない。その殆どが高年齢者。ギターを弾き語る乞食、身体自由な乞食、見るからに怠け者、3日やったら止められない乞食等結構いた。
猛暑の中、カーフェドラル教会見学に、バコーロッドプラザパークへ出向いた。明日はイースター、教会前には質素な飾り付けがしてあった。教会の前にはこのフィリピン特有のバクラーランのように多くの雑貨衣料品店が所狭しと並んでいた。
カーフェドラル教会、見るからに古そうで歴史を物語らせる教会。その前にある公園プラザパークには多くの木が生い茂り涼を求めた市民が多くいた。流石にフィリピン。公園内には乞食をはじめ、靴修理、マニュキュアー、漢方薬販売、ジュース、スナック、アイスクリーム、駐車場には洗車屋まであった。公園のそばを流れている水路の水で洗車しているようだが利用客は結構多く見受けられた。
ベンチに腰掛けた目の前の建物にはベートーベン、モーツアルト、ワグナーなどの歴史的音楽家の名が書かれた建物があった。何故にその名が書かれているのか、複数の方に聞いた。ニコッと笑うだけ。どうやら灯台本暮らしなのか分からない人が多かった。
公園で涼を堪能、緑が多いと気持ちも良い。出来る事なら地面が土であったら尚更、気持ちが良いかも。清掃が行き届いたこの公園は殆ど石が敷き詰められていた。随所に石で作られたベンチが多く設けられていて涼を堪能している者は「ジジィ殿、ババー殿」ばかり。夜になれば様変わり、恋を語り合う若者になるとか。
時折離着陸する飛行機が上空を通過する以外は車の往来が多いにもかかわらず静かな公園。癒せる場所かもしれない。
コンクリートジャングルから何年ぶりに開放されたいい気分だ。マニラにもセントラルパークはじめ施設数は確かに多いが、あのセコセコ間が全くない事、乞食が思ったほどしつこくない。一旦断れば二度とこない。後を追いかけてもこない。五月蝿いのはペディキャブのアンちゃん位。
歩いていてもマニラのような危機感がなく、安心できるかも。
公園からホテルへ戻る途中、商店の前にバクらが数人たちアイスクリームを頬張っていた。途端にアイスクリームを他の者に預け「パパ、髪の毛切りませんか?」しかも日本語で、バコーロッドへ来てからいまだに日本人と遭遇していない。日本レストランがあるようなので多少は在留している方もいるのだろう。
バコーロッドはマニラより暑い、確かに心地よい風も吹いてくるのだが歩くたびに汗が吹き出る。モールや商店街で飲み食いしても精々100ペソ程度。非常に物価の安い島だ。雰囲気的には日本の昭和40年頃にタイムスリップしたような気分。これから着々と都市化していくのかも。市街地には住宅地の開発がはじまっていて、不動産業で結構利益を稼げるかもしれない島である。銀行も殆どのブランチがあり、日本への研修生送り出し機関も一社あるようだ。
バコーロッドサラリーマンご用達
午前11時くらいになると、ダンボールを背負った人が、このダウンタウンの商店街近くへ大勢集まってくる。手際よく、歩道上に店開きが始まる。
昼食事を狙った弁当屋さんのような商売。店毎に特徴があり、ご飯とおかずだけ。中にはスープまでナイロンの袋に入れて売っている大型露天商もある。
殆どが民族料理、ご飯、揚げパン、蒸しパンが多く売られている。ご飯の量は見るからに150g位の量があるようだ。
一人前ずつナイロン袋に入れて売られている。殆どは野菜とココナッツミルク、あるいは魚油で煮た野菜、サツマイモの葉にアミを加えココナツミルクで煮たもの、シニガンスープ、魚の煮付け、エビチリまであった。
昼時だけに、開店と同時に多くのサラリーマン、商店の売り子、モールの売り子がぞろぞろと買出しにでてきた。よく売れる露天商は無愛想。あまり売れない露天商は通りすがる人に笑顔で声かけている。
ご飯は炊き立てをナイロン袋に詰めて持ってきたようで、まだ炊き立てのように暖かい。僅かな時間であれば悪くはならないと思う。あっという間に売り切れ。売り切れた順に店終いして帰っていくようだ。売れ残った店は午後2時くらいまで営業、結構残らずに売り尽くすとのこと。
バコーロッドの給料は100ペソくらい。モールの売り子でも130ペソ、熟練売り子で150ペソ。ファーストフードに勤める者は大学卒業で精々200ペソ程度。首都圏もここバコーロッドもさほど日給は変わらないようだ。しかし、物価は首都圏と比較非常に安い。
ここで売られているご飯、おかず2品を首都圏で買えば、最低で50ペソから60ペソ。このバコーロッドでは、ご飯が5ペソ。おかずも5ペソから10ペソ。一人当たり20ペソもあれば贅沢に食えるようだ。20ペソ日本円で50円。おかず2品にご飯まで食べられる。この金額であれば自宅で燃料代をかけて料理、勤務先で冷たいご飯を食べる思いをすれば絶対に安い。しかも作りたて。
実際に買った人に話を聞いてみた。
お腹を壊しませんか?
「今までに壊した事がない。もし、腹を壊せば其の店はこの場所で物売りが出来なくなる事を良く知っているから、ここの売主はみな良心的だ」
毎日いかほど購入しますか?
「ご飯とおかず一品で10ペソくらい。量も結構多いので友人と買えばお互いに食えるから便利だ」
値段は高いと思いますか?
「昔は1ペソくらいだった。物価も上がっていることだからしょうがない値段だ」
年の頃40過ぎの親父殿、買い物を頼まれてきたようで大量に購入勤務先方向へ。
余計なお世話だが1日売っていくら利益があるのだろう。平均10ペソ程度、100人前売って1000ペソ。量からして30人前くらいの量くらいなので300ペソ。物価が安いだけに何とかなるのかもしれない。商魂のたくましさ。日曜日も休むことなく各露天商、工夫を凝らし毎日熾烈な販売合戦を繰り広げているようだ。
ホーリーウィーク真っ只中ガッド金曜日。バコーロッドへ戻ってきた頃には人もまばら。商店街も開いているのはジョリビー、グリーンウィッチ、マクド、チャウキングのファーストフード店のみ。見事に他店は休業。今日の夜もファーストフード?一応、ホテルのルームサービスに問い合わせた。「ホーリーウィーク中はサービスを休んでいます。」
何時まで休みなの?「16日までです。」そういえばこのホテルに人が入ってくるのを見たことがない。チェックイン時、通されたのがこの部屋、とにかく大きな部屋、20畳くらいある部屋。あまりにも大きいので小さめの部屋をリクエストしたがこの部屋しかあいていない。といいながら後で聞いたら、他には誰も宿泊客がいません。大爆笑だ。一本やられました。料金が安いので怒るきもしなかった。でも人をコケにする性格だけは許しがたい。
フロントのオネーチャンまじめな顔してうつむき加減。エレベータに乗るついでに後方からフロントを除いてみた。回りを気にもせず聞いた事のある音が耳に入った。音を出してパックマンゲームをやっている。しかも就業中。笑ったらオネーちゃん気づいたようで、「ホーリーウィーク中は経営者が留守。暇なのでゲームしています。」勝手にしてくれといわんばかりに部屋に戻り、再度外出。外へ出た途端驚いた。先ほどの静けさとは打って変り人・人・人?
ホテルのガードマンに尋ねてみた。夕方から教会でミサが開かれていたようで、その帰宅客でごった返している。メイン通りの一本入った道路では、各種露天が出店。その場所付近へ行った途端腐ったような異臭が立ち込めてきた。クサヤの臭いに似ている。肌家電気球丸出しの露天でドライフィッシュを山のように積み重ね販売している。一山20ペソくらい。しかも一皿に7、8引き。鶏肉も山のように積まれて売っている。野菜から米生活用品に至るまで。この光景が普通の光景とのことだ。マニラなどで見かける移動販売フィッシュボールが見当たらない。タバコ屋も移動ではなく、殆どが軒下に仮設店舗のようにみかん箱のようなものを重ねて売っている。その隣にはどのタバコ販売店にも蒸しパンと揚げパンが売っていた。その揚げパン見るからに旨そう。1個買ってみた5ペソ。全体にグラニュー糖がまぶしてあり旨そうなので頬張ってみた。揚げ油が臭い。ココナッツオイルで揚げたパン。揚げたてなのだろう。中も結構暖かくオイルの臭いさえ気にしなければ食って食えない事はないが別に旨いものではなかった。
誰に聞いてもレストランは休業、やむなくチャウキングへ。店内、凄い人で込み合っている。人の汗臭さにめまいする位混雑している。一階と二階に客席があり殆ど満席状態。折りよく二階席があいたので座った。暑い。全くエアコンが効いていない。汗まみれになりながら食事を済ませ外へ出た。人が本当に多い。店内より外のほうが潮風で心地よい。小さな移動屋台が沢山あった。どの屋台も同じようなものを売っている。「フライドチキン」だ。しかも揚げたて。オイルも臭くなく旨そうだ。即買い食べてみた。さすがバコーロッドチキンといわれるだけに旨い。3個20ペソだった。概に揚げてあるものは汚さそうだがその場で揚げてもらえば食える。しかも保存は氷の沢山入った箱の中。鮮度もさほど悪くはない。味もうまいほうだ。
人・人・人。人ごみを掻き分けホテルへ戻った。相変わらず人影のないホテル。フロントオネーチャンしっかりとコンピューターのモニターにはパックマンが動いていた。客がきたのも気がつかない。?寝ているのかもしれない。椅子に座ってしかもうつむき加減で睡眠、器用なオネーチャンだ。
土曜日の昼
友人宅へ昼食に誘われ出かけた。 バコーロッド市内の静粛な住宅地。緑が多く、舗装されていない道路。自然そのものの住宅地。敷地内は非常に清掃が行き届いている。花粉症から開放されて6年目。ふと我に帰ってこの土地にいたら?浅はかな考えである。地面が全く舗装されていなければ花粉が舞い散るはずがない。ご家族の大歓迎を受けて昼食会。流石バコーロッド、ここでもチキンが。確かに肉が旨い。バコーロッドはチキンにさほど味をつけていないようだ。肉の味をかみ締めるように薄味なのか、偶々そうなのかは定かではない。
昼食会を終え再度市内へ。待てども暮らせどもタクシーがない。ジプニーはとにかく頻繁に来る。極力風通しの良いジプニーに乗り込んだ。流石安全運転。この島民はなんとなく交通道徳を心得ているようにも思えた。見たら後ろから蹴りを入れたくなる警察官の姿もない。マニラであれば警察官がいなければなんでもする連中が多いのだが?このバコーロッドでは、スピードも平均4、50km程度。安心して乗っていられる。無茶な割り込みもなくいたってスムース。渋滞のない理由は譲り合いのようだ。
バコーロッド市内は、車道と歩道が区別されていて、歩道は一般車道より高めに作られている。歩行者もきちんと歩道を歩いている。歩道上には多くの人々で大混雑、当然フィリピン名物も多い。乞食が歩道上で物乞いしている。子供は殆ど見受けられない。その殆どが高年齢者。ギターを弾き語る乞食、身体自由な乞食、見るからに怠け者、3日やったら止められない乞食等結構いた。
猛暑の中、カーフェドラル教会見学に、バコーロッドプラザパークへ出向いた。明日はイースター、教会前には質素な飾り付けがしてあった。教会の前にはこのフィリピン特有のバクラーランのように多くの雑貨衣料品店が所狭しと並んでいた。
カーフェドラル教会、見るからに古そうで歴史を物語らせる教会。その前にある公園プラザパークには多くの木が生い茂り涼を求めた市民が多くいた。流石にフィリピン。公園内には乞食をはじめ、靴修理、マニュキュアー、漢方薬販売、ジュース、スナック、アイスクリーム、駐車場には洗車屋まであった。公園のそばを流れている水路の水で洗車しているようだが利用客は結構多く見受けられた。
ベンチに腰掛けた目の前の建物にはベートーベン、モーツアルト、ワグナーなどの歴史的音楽家の名が書かれた建物があった。何故にその名が書かれているのか、複数の方に聞いた。ニコッと笑うだけ。どうやら灯台本暮らしなのか分からない人が多かった。
公園で涼を堪能、緑が多いと気持ちも良い。出来る事なら地面が土であったら尚更、気持ちが良いかも。清掃が行き届いたこの公園は殆ど石が敷き詰められていた。随所に石で作られたベンチが多く設けられていて涼を堪能している者は「ジジィ殿、ババー殿」ばかり。夜になれば様変わり、恋を語り合う若者になるとか。
時折離着陸する飛行機が上空を通過する以外は車の往来が多いにもかかわらず静かな公園。癒せる場所かもしれない。
コンクリートジャングルから何年ぶりに開放されたいい気分だ。マニラにもセントラルパークはじめ施設数は確かに多いが、あのセコセコ間が全くない事、乞食が思ったほどしつこくない。一旦断れば二度とこない。後を追いかけてもこない。五月蝿いのはペディキャブのアンちゃん位。
歩いていてもマニラのような危機感がなく、安心できるかも。
公園からホテルへ戻る途中、商店の前にバクらが数人たちアイスクリームを頬張っていた。途端にアイスクリームを他の者に預け「パパ、髪の毛切りませんか?」しかも日本語で、バコーロッドへ来てからいまだに日本人と遭遇していない。日本レストランがあるようなので多少は在留している方もいるのだろう。
バコーロッドはマニラより暑い、確かに心地よい風も吹いてくるのだが歩くたびに汗が吹き出る。モールや商店街で飲み食いしても精々100ペソ程度。非常に物価の安い島だ。雰囲気的には日本の昭和40年頃にタイムスリップしたような気分。これから着々と都市化していくのかも。市街地には住宅地の開発がはじまっていて、不動産業で結構利益を稼げるかもしれない島である。銀行も殆どのブランチがあり、日本への研修生送り出し機関も一社あるようだ。
バコーロッドサラリーマンご用達
午前11時くらいになると、ダンボールを背負った人が、このダウンタウンの商店街近くへ大勢集まってくる。手際よく、歩道上に店開きが始まる。
昼食事を狙った弁当屋さんのような商売。店毎に特徴があり、ご飯とおかずだけ。中にはスープまでナイロンの袋に入れて売っている大型露天商もある。
殆どが民族料理、ご飯、揚げパン、蒸しパンが多く売られている。ご飯の量は見るからに150g位の量があるようだ。
一人前ずつナイロン袋に入れて売られている。殆どは野菜とココナッツミルク、あるいは魚油で煮た野菜、サツマイモの葉にアミを加えココナツミルクで煮たもの、シニガンスープ、魚の煮付け、エビチリまであった。
昼時だけに、開店と同時に多くのサラリーマン、商店の売り子、モールの売り子がぞろぞろと買出しにでてきた。よく売れる露天商は無愛想。あまり売れない露天商は通りすがる人に笑顔で声かけている。
ご飯は炊き立てをナイロン袋に詰めて持ってきたようで、まだ炊き立てのように暖かい。僅かな時間であれば悪くはならないと思う。あっという間に売り切れ。売り切れた順に店終いして帰っていくようだ。売れ残った店は午後2時くらいまで営業、結構残らずに売り尽くすとのこと。
バコーロッドの給料は100ペソくらい。モールの売り子でも130ペソ、熟練売り子で150ペソ。ファーストフードに勤める者は大学卒業で精々200ペソ程度。首都圏もここバコーロッドもさほど日給は変わらないようだ。しかし、物価は首都圏と比較非常に安い。
ここで売られているご飯、おかず2品を首都圏で買えば、最低で50ペソから60ペソ。このバコーロッドでは、ご飯が5ペソ。おかずも5ペソから10ペソ。一人当たり20ペソもあれば贅沢に食えるようだ。20ペソ日本円で50円。おかず2品にご飯まで食べられる。この金額であれば自宅で燃料代をかけて料理、勤務先で冷たいご飯を食べる思いをすれば絶対に安い。しかも作りたて。
実際に買った人に話を聞いてみた。
お腹を壊しませんか?
「今までに壊した事がない。もし、腹を壊せば其の店はこの場所で物売りが出来なくなる事を良く知っているから、ここの売主はみな良心的だ」
毎日いかほど購入しますか?
「ご飯とおかず一品で10ペソくらい。量も結構多いので友人と買えばお互いに食えるから便利だ」
値段は高いと思いますか?
「昔は1ペソくらいだった。物価も上がっていることだからしょうがない値段だ」
年の頃40過ぎの親父殿、買い物を頼まれてきたようで大量に購入勤務先方向へ。
余計なお世話だが1日売っていくら利益があるのだろう。平均10ペソ程度、100人前売って1000ペソ。量からして30人前くらいの量くらいなので300ペソ。物価が安いだけに何とかなるのかもしれない。商魂のたくましさ。日曜日も休むことなく各露天商、工夫を凝らし毎日熾烈な販売合戦を繰り広げているようだ。
在比邦人のなんにんかが「地方に行くと比島もいい所あるよ、マニラは碌な所じゃないけど」と言っていましたが今回のppさんのレポートを読むと分かるような気がします。
近代的なホテル従業員等と言う職務を全うする適性はないが、素朴な物売り、食物屋だったら結構上手に運営する。聖なる日には教会へ出かけ教徒であることに自己陶酔する。
比人は精神史的には中世かせいぜい近世の世界に生きてる様に思えるのは私だけでしょうか。大地主制と低賃金労働が無くならない筈である。「パンとサーカス」の世界である。大地主様、お役人様そして大旦那様(資本家)にコケにされながら半ば庇護されて生きて行くのが一番心地よいのであろう。
中世のままにしといてやれば良かったのかもしれない。それをなまじ上っ面だけ近代国家の装いを施して見栄を張るからあっちこっち歪や矛盾が出てきてどうにも成らなくなってしまった今現在。その歪や矛盾がマニラに集中してふきだしていると言う事なのか。
この国の人々は中世・近世的生き方には向いてても、近現代社会を創る適性・能力が無いんだろうな、と言うと言い過ぎでしょうか。(笑)