「セラミック」という言い方が一般化してしまいましたが、本当
は「セラミックス」のはずです。「ceramic 」とは「磁性体の」と
いう用言であり、これが具体的な成形物をあらわす名詞になると、
英語では複数形になりますから、「ceramics」が正しい言葉なので
しょう。日本語では、しばしば後の助詞が省かれ名詞化してしまう
傾向があリます。「銭形の平次」と言う岡っ引きが「銭形平次」に
変化してしまいます。これと同様の作用( sが省略される)で、
「セラミック」が定着しそうです。きっと、英語圏の人たちは首を
傾げるでしょうね。
「テクニック」は「技量」で、「テクニクス」はブランド名です
から、「テクニクス」が「テクニック」に変化することは、ないで
しょうけれどもね。
「あたらしい(新しい)」と言う言葉は、元は「あらたしい」と
表現していました。その名残なのが「新たな年」という言葉です。
この言い方が、「あらたしい」が「あたらしい」に変化しつつある
証拠ではないか、と思っています。きっと、「あらたしい」は少し
言いにくいためなのかもしれません。それに、「新垣さん」「新井
薬師」も「アラ」ですね。「アタラ」という読みの言葉や氏名地名
は存在しないのではないかな?やはり、元は「あらたしい」なので
しょうね。
若者の間にて、「ふきんい」という言い方を耳にしたことがあり
ます。話の内容からして、これは「ふんいき(雰囲気)」のことの
ようです。「ふきんい」とは、どういった漢字だと思っているので
しょうかね?さすがに、これは定着しないでしょうね。二度と聴く
ことはありません。
言葉は時代と共に変化します。言葉やその意味は、どこかの偉い
国語学者が決めているわけではありません。多くの人の会話で定着
したかで言葉や言い方が決まるのです。
電車で移動中に「日本語の大疑問」という本(文庫本サイズ)を
読んでいます。「国立国語研究所」が編纂しています。おもしろい
内容だと感じました。幻冬舎から出ています。 920円
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