シリーズ本音トークー10万円相当18才以下一律給付、何のためか!?
公明党が、10月の衆院選挙で財源の裏付けもなく提案していた「18才以下の子供に10万円一律給付」は、与党自民党の幹事長間で、2021年度内に現金5万円、来春にクーポン券5万円相当で両党間で大筋合意し、960万円の所得制限を設けることについても合意した。
いずれにしても本件は、総額2兆円にも及ぶ上、配賦等に必要な人件費を含む事務経費を加えると巨額な経費と事務作業が必要となるが、未だ財源の裏付けもなく、補正予算に含めて国会で承認されなければならない。施しを受ける側からすると、反対する必要も無いのだろうが、次の通り、経費は国民の税金か借金(公的債務)である上、政策目的が選挙対策以外にはほとんど見あたらない。
1、18才以下の子供に10万円一律給付に緊急性や高い優先度も無い!
1年11か月に及ぶコロナ禍により、非正規就労者やアルバイトなどを中心として職場を失い、食事も満足に取れない子供や就職難の学生、若者世代での自殺や生活難の家庭も多く見られる中で、所得制限を設けるとしても、18才以下の子供のある家庭に10万円一律給付する緊急性は乏しく、補正予算における優先度も低い。また18才以下とすると、18才以上の扶養家族である専門学校生や大学生が除外され、不平等感が募るのではないか。無論一部の低所得層にも届くだろうが、それ以外は無駄な施しとなる。
将来世代を救済・支援するとしても、1回限りの10万円施しでは効果に乏しい。また960万円以下という所得制限を設けても、家計所得の平均はその約2分の1程度であり、一律に給付すると平均以上の家計と以下の家計では苦労の度合いは異なり、所得制限を更に下げれば、より少ない予算で効果が出せる。
更に、低所得の困窮家庭、母子家庭、交通遺児、身障者や要介護者を抱えている家庭などや、職を失っている青年層などに焦点を当てて、関係支援団体等と協力してきめ細かい救済を行えば、本当に必要な人に国民の支援が届くであろう。費用的にも2兆円あれば大規模の救済が実施できよう。
また経済効果については、クーポン券5万円分は子供養育に使途が限定されるので、現金5万円は貯金等となる上、クーポン券配賦は学校の入進学の時期の春となるので、予想される支出の範囲内となり、新規の需要とはならないであろう。2020年に同じく公明党が進めた全国民に一律10万円給付については、3割弱が消費、7割強が貯畜となっている。生活のために10万円がどうしても必要だった国民は約3割であり、恐らく今回もそれに近い状態であろう。このような状況を理解していない政治家とは一体何なのだろう。
2、財源は国民の税金や国の借金で将来世代の税負担となる!
財源が潤沢であれば一律給付も容認されるだろう。しかし日本政府は既に国民総生産の2倍以上の1,200兆円を超える借金(公的債務)を抱え、毎年莫大な利子を支払う上、将来世代へのツケとなり、税負担となる。今は良いが、国の借金が増加すればするほど、将来は増税の必要性に迫られる。
恐らく自・公政権は、2020年度にコロナ禍対策として予算を組んだ60兆円強の内、20兆円以上を遣い残したので、その残余を使えば良いと思っているのかもしれない。しかしそれも税であり、国の借金だ。
もし自・公政権が、このような政策的に的を絞れていない一律給付を行いたいのであれば、その財源を自ら用意すべきである。議員として責任を取れる財源は、国会議員の歳費(政治活動費、連絡費等を含む)を30%削減することであろう。或いは、日本維新の会が提案している、議員の30%カットである。自・公政権は国会で圧倒的多数を占めているので、実施可能であろう。
いずれにしても、少子化、人口減の中にあるので、議員の30%カットは速やかに行わなければならないだろう。
3、票目当ての選挙公約と、2022年夏の参議院選挙目当てでしかない
こうみてくると、この1律給付提案は、集票のための2兆円ということになりそうだ。これは票目当ての官製買収と言うことも出来る。将来世代を含めた国民にとっては、将来の負担増となることは明かであるので、迷惑なことだ。
もっと生活困窮者、将来不安を抱えている子供や若者層等に的を絞ったきめの細かい施策が望まれる。そのための予算であれば、多くの国民は納得するであろう。(2021.11.11.)
公明党が、10月の衆院選挙で財源の裏付けもなく提案していた「18才以下の子供に10万円一律給付」は、与党自民党の幹事長間で、2021年度内に現金5万円、来春にクーポン券5万円相当で両党間で大筋合意し、960万円の所得制限を設けることについても合意した。
いずれにしても本件は、総額2兆円にも及ぶ上、配賦等に必要な人件費を含む事務経費を加えると巨額な経費と事務作業が必要となるが、未だ財源の裏付けもなく、補正予算に含めて国会で承認されなければならない。施しを受ける側からすると、反対する必要も無いのだろうが、次の通り、経費は国民の税金か借金(公的債務)である上、政策目的が選挙対策以外にはほとんど見あたらない。
1、18才以下の子供に10万円一律給付に緊急性や高い優先度も無い!
1年11か月に及ぶコロナ禍により、非正規就労者やアルバイトなどを中心として職場を失い、食事も満足に取れない子供や就職難の学生、若者世代での自殺や生活難の家庭も多く見られる中で、所得制限を設けるとしても、18才以下の子供のある家庭に10万円一律給付する緊急性は乏しく、補正予算における優先度も低い。また18才以下とすると、18才以上の扶養家族である専門学校生や大学生が除外され、不平等感が募るのではないか。無論一部の低所得層にも届くだろうが、それ以外は無駄な施しとなる。
将来世代を救済・支援するとしても、1回限りの10万円施しでは効果に乏しい。また960万円以下という所得制限を設けても、家計所得の平均はその約2分の1程度であり、一律に給付すると平均以上の家計と以下の家計では苦労の度合いは異なり、所得制限を更に下げれば、より少ない予算で効果が出せる。
更に、低所得の困窮家庭、母子家庭、交通遺児、身障者や要介護者を抱えている家庭などや、職を失っている青年層などに焦点を当てて、関係支援団体等と協力してきめ細かい救済を行えば、本当に必要な人に国民の支援が届くであろう。費用的にも2兆円あれば大規模の救済が実施できよう。
また経済効果については、クーポン券5万円分は子供養育に使途が限定されるので、現金5万円は貯金等となる上、クーポン券配賦は学校の入進学の時期の春となるので、予想される支出の範囲内となり、新規の需要とはならないであろう。2020年に同じく公明党が進めた全国民に一律10万円給付については、3割弱が消費、7割強が貯畜となっている。生活のために10万円がどうしても必要だった国民は約3割であり、恐らく今回もそれに近い状態であろう。このような状況を理解していない政治家とは一体何なのだろう。
2、財源は国民の税金や国の借金で将来世代の税負担となる!
財源が潤沢であれば一律給付も容認されるだろう。しかし日本政府は既に国民総生産の2倍以上の1,200兆円を超える借金(公的債務)を抱え、毎年莫大な利子を支払う上、将来世代へのツケとなり、税負担となる。今は良いが、国の借金が増加すればするほど、将来は増税の必要性に迫られる。
恐らく自・公政権は、2020年度にコロナ禍対策として予算を組んだ60兆円強の内、20兆円以上を遣い残したので、その残余を使えば良いと思っているのかもしれない。しかしそれも税であり、国の借金だ。
もし自・公政権が、このような政策的に的を絞れていない一律給付を行いたいのであれば、その財源を自ら用意すべきである。議員として責任を取れる財源は、国会議員の歳費(政治活動費、連絡費等を含む)を30%削減することであろう。或いは、日本維新の会が提案している、議員の30%カットである。自・公政権は国会で圧倒的多数を占めているので、実施可能であろう。
いずれにしても、少子化、人口減の中にあるので、議員の30%カットは速やかに行わなければならないだろう。
3、票目当ての選挙公約と、2022年夏の参議院選挙目当てでしかない
こうみてくると、この1律給付提案は、集票のための2兆円ということになりそうだ。これは票目当ての官製買収と言うことも出来る。将来世代を含めた国民にとっては、将来の負担増となることは明かであるので、迷惑なことだ。
もっと生活困窮者、将来不安を抱えている子供や若者層等に的を絞ったきめの細かい施策が望まれる。そのための予算であれば、多くの国民は納得するであろう。(2021.11.11.)