シリーズ平成の本音―マイナンバー情報流出の被害者のために賠償制度を!
<はじめに>2021年11月10日、新内閣発足に伴い、与党自民党と公明党がマイナンバー普及のため、総額2万円のポイントをそれぞれの段階で付与することで基本合意した。マイナンバーカード実施から6年近くになるが、登録率は未だに40%にも満たない。
その普及のため、2万円のポイント付与をこの時点で行うことは、この制度自体への国民の理解が進んでおらず、広範囲の個人情報の国家把握、相続税を含む徴税強化、情報流出と悪用、及び煩雑な操作・行政事務などが危惧されていることを如実に示している。行政当局は、その普及のため更に税金を使うのでは無く、税申告を含む広範囲な個人情報を包含するマイナンバーは、制度設計上の誤りであり、国民に理解されていないことをただちに認め、適用範囲を社会福祉関係に限定し、国民の理解を得やすいよう、簡素化することが望ましい。このまま税金を使って奨励・普及することは2重の不効率であると共に、何時起こるかも分からない大災害の時の安否確認や救済・支援には中途半端にしか役だたないこととなるので、早急な対応が必要となっている。大災害は待ってはくれない。
各種申請や社会保障などに使用される個人番号制(マイナンバー)が10月からスタートし、2016年1月から実施に移される。
これにより国民のほとんどがマイナンバーを持ち(希望しないものは申請しないで良い)、一つのカードで各種申請や年金、税金の処理等が出来るので便利になる。行政事務処理においても、ほとんどの国民を捕捉出来、税金の徴収漏れなども防げるので便利になる。行政事務の簡素化になると言われているが、新しい制度に当面予算を3,000億円使用することになっており、煩雑な入力作業などが増えるし、旧来の制度は当面残るだろうから、簡素化などにはならないだろう。国民を効率的に捕捉できる膨大な行政システムが構築される。マイナンバーが義務的となれば、個人は常に行政当局による監視が可能であり、デジタル独裁を招く恐れがある。
しかし利用者側にも行政側にも便利ということは、それを犯罪目的に利用しようとする者にも、マイナンバーには住所、戸籍、生年月日、家族構成、年金事項、銀行口座など重要な個人情報が詰まっているので、情報を入手したら使い勝手が良く、犯罪集団にも便利であろうから、情報保護が最大の課題だ。
その恐れが現実のものになっている。茨城県取手市や札幌市厚別区でマイナンバーが入った住民票が発給された。住民票の提出先の善意を信じたいところであるが、悪用や再流失等から詐欺等に利用される可能性がある。更に深刻なのは、マイナンバー制度の企画・設計に携わっている厚労省情報政策担当参事官室の室長補佐(事務職)が制度企画・設計入札において受注したIT会社から賄賂を受け取った汚職事件が発生している。マイナンバー制度企画で不正を行ったIT民間会社がマイナンバーの仕様を最もよく知っていることになるので、その仕様が漏れれば犯罪等に悪用される幅が広がり、マイナンバー制度自体の安全性や保秘性が疑わしくなるので、深刻な問題だ。
またマイナンバー制度が実施に移されれば、その情報管理は行政当局が行うとしても、実際の情報処理は外部の民間会社か日本年金機構等と同様、天下りで作る行政法人で行われる可能性が強いので、個人情報が外部に流失する恐れは非常に高くなる。マイナンバーに入れられる情報が財産・口座情報や年金・医療情報、納税情報等と増え、使途が拡大されればされるほど、1億人以上の国民の重要な個人情報が危険に晒されることになる。マイナンバーは、地方自治体にも連結されるので、故意か過失かは別として、情報流失の危険性は更に高まる。詐欺に利用される上で最大の問題は、マイナンバーに税関系が含まれているので、税申告の基礎となる個人の銀行預金、株式、及ぶ土地・建物などの不動産などが全て記載されることになるので犯罪の格好のターゲットとなる可能性が強い。
厚労省の監督下にある日本年金機構でも多数の情報流失が出ており、政府機関による個人情報の流失は現実の問題になっている。マイナンバーについては、使途が複数に亘り、地方当局とも繋がるので、どのように注意していても、情報流失が起こる可能性は高い。それを防ぐためには、使途を限定的にし、外部インターネットと遮断することが必要であろう。
しかしどのように注意していても情報流失は起こるであろうから、流失を引き起こした行政当局や行政法人等は、責任を認識にし、被害者のマイナンバーの取り消し、再発給等の不利益に対し補償すべきであろう。また情報流失により具体的な被害にあった場合には、関係行政法人を含む行政当局が賠償することが当然ではなかろうか。
また流失したマイナンバー情報を利用して詐欺等を行って経済的利益を得た個人やグループについては、それぞれの犯罪行為に従って罰せられることになるが、従来中心となっている禁固刑から、利益の3倍以上の罰金を中心とした罰則に転換して行くことが望まれる。経済的利益を目的とした犯罪を抑止し、また被害者の被害を補てんする上でも、高額の罰金を科す方が効果的であろう。現状では罰金が少額過ぎるので、禁固刑を受けても儲かるとの印象を与えてしまい、抑止には余りなっていない。その上、税金で禁固刑中の経費を国民が負担することになり、2重の負担となっているように見える。経済犯には高額の罰金で抑止することがより効果的であろう。
(2015.10.17.,2021.11.11.冒頭追加、2022.1.19.一部加筆)(All Rights Reserved.)
<はじめに>2021年11月10日、新内閣発足に伴い、与党自民党と公明党がマイナンバー普及のため、総額2万円のポイントをそれぞれの段階で付与することで基本合意した。マイナンバーカード実施から6年近くになるが、登録率は未だに40%にも満たない。
その普及のため、2万円のポイント付与をこの時点で行うことは、この制度自体への国民の理解が進んでおらず、広範囲の個人情報の国家把握、相続税を含む徴税強化、情報流出と悪用、及び煩雑な操作・行政事務などが危惧されていることを如実に示している。行政当局は、その普及のため更に税金を使うのでは無く、税申告を含む広範囲な個人情報を包含するマイナンバーは、制度設計上の誤りであり、国民に理解されていないことをただちに認め、適用範囲を社会福祉関係に限定し、国民の理解を得やすいよう、簡素化することが望ましい。このまま税金を使って奨励・普及することは2重の不効率であると共に、何時起こるかも分からない大災害の時の安否確認や救済・支援には中途半端にしか役だたないこととなるので、早急な対応が必要となっている。大災害は待ってはくれない。
各種申請や社会保障などに使用される個人番号制(マイナンバー)が10月からスタートし、2016年1月から実施に移される。
これにより国民のほとんどがマイナンバーを持ち(希望しないものは申請しないで良い)、一つのカードで各種申請や年金、税金の処理等が出来るので便利になる。行政事務処理においても、ほとんどの国民を捕捉出来、税金の徴収漏れなども防げるので便利になる。行政事務の簡素化になると言われているが、新しい制度に当面予算を3,000億円使用することになっており、煩雑な入力作業などが増えるし、旧来の制度は当面残るだろうから、簡素化などにはならないだろう。国民を効率的に捕捉できる膨大な行政システムが構築される。マイナンバーが義務的となれば、個人は常に行政当局による監視が可能であり、デジタル独裁を招く恐れがある。
しかし利用者側にも行政側にも便利ということは、それを犯罪目的に利用しようとする者にも、マイナンバーには住所、戸籍、生年月日、家族構成、年金事項、銀行口座など重要な個人情報が詰まっているので、情報を入手したら使い勝手が良く、犯罪集団にも便利であろうから、情報保護が最大の課題だ。
その恐れが現実のものになっている。茨城県取手市や札幌市厚別区でマイナンバーが入った住民票が発給された。住民票の提出先の善意を信じたいところであるが、悪用や再流失等から詐欺等に利用される可能性がある。更に深刻なのは、マイナンバー制度の企画・設計に携わっている厚労省情報政策担当参事官室の室長補佐(事務職)が制度企画・設計入札において受注したIT会社から賄賂を受け取った汚職事件が発生している。マイナンバー制度企画で不正を行ったIT民間会社がマイナンバーの仕様を最もよく知っていることになるので、その仕様が漏れれば犯罪等に悪用される幅が広がり、マイナンバー制度自体の安全性や保秘性が疑わしくなるので、深刻な問題だ。
またマイナンバー制度が実施に移されれば、その情報管理は行政当局が行うとしても、実際の情報処理は外部の民間会社か日本年金機構等と同様、天下りで作る行政法人で行われる可能性が強いので、個人情報が外部に流失する恐れは非常に高くなる。マイナンバーに入れられる情報が財産・口座情報や年金・医療情報、納税情報等と増え、使途が拡大されればされるほど、1億人以上の国民の重要な個人情報が危険に晒されることになる。マイナンバーは、地方自治体にも連結されるので、故意か過失かは別として、情報流失の危険性は更に高まる。詐欺に利用される上で最大の問題は、マイナンバーに税関系が含まれているので、税申告の基礎となる個人の銀行預金、株式、及ぶ土地・建物などの不動産などが全て記載されることになるので犯罪の格好のターゲットとなる可能性が強い。
厚労省の監督下にある日本年金機構でも多数の情報流失が出ており、政府機関による個人情報の流失は現実の問題になっている。マイナンバーについては、使途が複数に亘り、地方当局とも繋がるので、どのように注意していても、情報流失が起こる可能性は高い。それを防ぐためには、使途を限定的にし、外部インターネットと遮断することが必要であろう。
しかしどのように注意していても情報流失は起こるであろうから、流失を引き起こした行政当局や行政法人等は、責任を認識にし、被害者のマイナンバーの取り消し、再発給等の不利益に対し補償すべきであろう。また情報流失により具体的な被害にあった場合には、関係行政法人を含む行政当局が賠償することが当然ではなかろうか。
また流失したマイナンバー情報を利用して詐欺等を行って経済的利益を得た個人やグループについては、それぞれの犯罪行為に従って罰せられることになるが、従来中心となっている禁固刑から、利益の3倍以上の罰金を中心とした罰則に転換して行くことが望まれる。経済的利益を目的とした犯罪を抑止し、また被害者の被害を補てんする上でも、高額の罰金を科す方が効果的であろう。現状では罰金が少額過ぎるので、禁固刑を受けても儲かるとの印象を与えてしまい、抑止には余りなっていない。その上、税金で禁固刑中の経費を国民が負担することになり、2重の負担となっているように見える。経済犯には高額の罰金で抑止することがより効果的であろう。
(2015.10.17.,2021.11.11.冒頭追加、2022.1.19.一部加筆)(All Rights Reserved.)