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北朝鮮のミサイル発射テストへの対応に疑問! (その2) (再掲)

2023-05-18 | Weblog
北朝鮮のミサイル発射テストへの対応に疑問! (その2) (再掲)
 <はじめに> 2022年に北朝鮮は短・中距離ミサイル訓練や訓練や長距離ミサイルの発射実験などを頻繁に実施している。国連決議違反であり北東アジアの平和と安全保障ヘの脅威として遺憾で短中距離ミサイルについては日本のEEZの外側に落下しており、長距離については対馬海峡の上空ではあるが大気圏外での通過であり日本を標的にしたものではない。南北朝鮮は休戦状態ではあるが、敵対関係は解消されておらず、韓国も米国との軍事訓練をほぼ定期的に実施しており、ミサイルの開発・実験も行っている。北朝鮮を巡る米・韓と日本とは置かれた立場が異なることを認識し、冷静且つ現実的な対応が望まれる。このような難点から本稿を再掲する(2022/10/28)

 北朝鮮は、8月29日早朝(5時58分頃)、日本の津軽海峡から北海道襟裳岬上空の大気圏外を飛翔する形で太平洋公海上に達する中距離ミサイルの発射実験(飛行距離約2,700㎞)を実施し、朝鮮半島を巡り米・韓両国と北朝鮮の緊張が高まっている。北朝鮮が核兵器とその運搬手段であるミサイル開発を加速させる一方、米国は韓国にミサイル迎撃のためのTHAAD配備し、また3月の米韓合同軍事演習‘首斬り作戦’を実施したのに続き、8月に合同軍事演習を実施する中で、これへの反発と見られている。
 更に北朝鮮は、このような国際的な批判の中で、9月3日、地下核実験(6回目)を実施した。水爆実験とされている。また北朝鮮は、核爆弾を大気圏外の宇宙空間で爆発させ、電磁パルスにより地上に広範囲な被害を与えることも示唆している。電磁パルス攻撃については、宇宙空間の平和的利用の趣旨に反する上、軍事政策的にも、倫理的にも、人道的にも常軌を逸した考えと言えよう。
 このような中で、国連安保理は、石油の部分的輸出制限を含むこれまでで最も厳しい制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮の非人道的で常軌を逸した考え方が明らかになった以上、強い対応が必要になっていることは明らかだ。
しかし北朝鮮のミサイル発射テストへの日本の対応については疑問を残した。
 1、正確を欠く発表と過剰な反応 (その1で掲載)
 2、Jアラートの在り方 (その1で掲載)
 
 3、北朝鮮側に日本へ一定の考慮が 
 今回の長距離ミサイルの発射実験は、日本の上空を超えて行われたことから、‘日本への新たな段階の脅威’として公表、報道され、軍事専門家やコメンテータ―なども同様に日本への脅威を強調している。確かに、北朝鮮の一連の核、ミサイル開発は日本にとっても脅威となる。
 しかし、北朝鮮側も日本に対し一定の考慮をしていると見ることもできる。
(1)長距離ミサイルを北朝鮮から米国本土やハワイの方向に飛翔させる場合、地球は球体であるので北方向へ発射すれば最短距離で到達する。旅客機も類似のルートをとっている。従って、北朝鮮から北海道方面に向け発射することとなるが、具体的に飛翔したのは津軽海峡から北海道襟裳岬の上空の大気圏外であった。津軽海峡は国際海峡ともなっており、陸地を極力避けている。しかもそもそも大気圏外を飛翔するものであり、北朝鮮側には今回日本に直接的な危害を与える意図はなかったと見られる。
北朝鮮が当初表明していた山陰、四国上空を越え、グアム近海に発射すると言っていたが、今回はそれと異なるルートとなっている。
軍事専門家や防衛関係者は、職業上からも脅威を強調し防衛力増強に繋げたいのであろうから、脅威を強調することは仕方がないことであろう。
しかし脅威を強調するだけで総合的な安全保障や安全な国家関係の構築に繋がるものでもないので、総合的な観点から北朝鮮側も一定の考慮をしていることは認識して置くことが必要だ。
武器そのものは、攻撃的にも防御的にも使用可能であるので、その存在もさることながら、北朝鮮の敵意の対象や意図、ターゲットをどこに向けているかを判断することが重要であろう。
日本が、休戦中の米・韓と北朝鮮との朝鮮戦争に首を突っ込むことは極力避けることが望ましい。
(2)また、日本には約50万人の在日朝鮮人が暮らしている。大阪など関西地域に多いが、東京には朝鮮総連が存在し、良しにつけ悪しきにつけ、日朝交流の中心的役割とともに、日朝間には国交がないものの、事実上の朝鮮代表部或いは大使館的役割と、情報収集や諜報・工作活動の拠点となっていると見られている。
従って、北朝鮮側もこれら同胞の存在を多少なりとも考慮するであろう。逆に、日本側とすれば、朝総連の幹部、職員の動向をこれまで以上に注視する必要があろう。


 この問題は、これまで以上に機微で厳しい警戒が必要になっているが、いたずらに脅威を強調することなく、総合的な熟慮としたたかな対応が必要になっていると言えよう。
(2017.9.10.)(Copy Rights Reserved.)
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北朝鮮のミサイル発射テストへの対応に疑問! (その1)(再掲)

2023-05-18 | Weblog
北朝鮮のミサイル発射テストへの対応に疑問! (その1)(再掲)
<はじめに> 2022年に北朝鮮は短・中距離ミサイル訓練や訓練や長距離ミサイルの発射実験などを頻繁に実施している。国連決議違反であり北東アジアの平和と安全保障ヘの脅威として遺憾で短中距離ミサイルについては日本のEEZの外側に落下しており、長距離については対馬海峡の上空ではあるが大気圏外での通過であり日本を標的にしたものではない。南北朝鮮は休戦状態ではあるが、敵対関係は解消されておらず、韓国も米国との軍事訓練をほぼ定期的に実施しており、ミサイルの開発・実験も行っている。北朝鮮を巡る米・韓と日本とは置かれた立場が異なることを認識し、冷静且つ現実的な対応が望まれる。このような観点から本稿を再掲する。(2022/10/28)

 北朝鮮は、2017年8月29日早朝(5時58分頃)、日本の津軽海峡から北海道襟裳岬上空の大気圏外を飛翔する形で太平洋公海上に達する中距離ミサイルの発射実験(飛行距離約2,700㎞)を実施し、朝鮮半島を巡り米・韓両国と北朝鮮の緊張が高まっている。北朝鮮が核兵器とその運搬手段であるミサイル開発を加速させる一方、米国は韓国にミサイル迎撃のためのTHAAD配備し、また3月の米韓合同軍事演習‘首斬り作戦’を実施したのに続き、8月に合同軍事演習を実施する中で、これへの反発と見られている。
 更に北朝鮮は、このような国際的な批判の中で、9月3日、地下核実験(6回目)を実施した。水爆実験とされている。また北朝鮮は、核爆弾を大気圏外の宇宙空間で爆発させ、電磁パルスにより地上に広範囲な被害を与えることも示唆している。電磁パルス攻撃については、宇宙空間の平和的利用の趣旨に反する上、軍事政策的にも、倫理的にも、人道的にも常軌を逸した考えと言えよう。
 このような中で、国連安保理は、石油の部分的輸出制限を含むこれまでで最も厳しい制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮の非人道的で常軌を逸した考え方が明らかになった以上、強い対応が必要になっていることは明らかだ。
しかし北朝鮮のミサイル発射テストへの日本の対応については疑問を残した。
 1、正確を欠く発表と過剰な反応
 日本は、8月29日午前6時2分頃Jアラートで警報を鳴らし、北海道、北陸を中心に広範囲で避難を呼び掛け、同6時7分頃北海道襟裳岬の上空大気圏外を通過した。首相は、‘ミサイルの発射直後から、その動きについては完全に掌握していた’としている。しかし、もしそうであるなら領空を含む日本の領域にはミサイル本体は向かって来ず、大気圏外(最高550㎞上)を飛翔することも分かっていたはずであるのに、何故‘これまでにない深刻かつ重大な脅威’として脅威を強調し、いたずらにJアラートを出したのか。過剰反応として疑問視される向きもある。
発表の仕方も‘日本(又は北海道)の上空を通過’等としているが、‘上空’と言っても、大気圏県外を飛翔したものである。多くの国民は、航空機のように地表に近いところを飛翔したのではないかと恐怖心を抱いたのではないだろうか。
 上空ということであれば、北朝鮮の上空には、米国他の軍事、非軍事の衛星が多数飛翔している。
 更に、日本政府当局は、‘ミサイルの破壊措置はとらなかった’としているが、ミサイル本体については大気圏外を越えて行くのだから迎撃などあり得ない。そもそも届かない。各地に配備されている迎撃ミサイルPAC3は、射程15㎞から20㎞の範囲であるので、ミサイル本体が日本を直撃するのであれば迎撃自体は可能であろう。しかし今回のような発射実験であればよいとしても、万一核や化学兵器などの弾頭が付いていたら、破壊すれば周辺地域への被害は甚大となろうし、目標となっている地域にも大きな影響があろう。切り離したブースター部分その他のミサイルの破片などの落下物にしても、それを正確に探知し、迎撃するのは至難の業であろうし、その破片が広範囲に飛び散る危険性は残る。
 日本海上のイージス艦の迎撃ミサイルにしても、射程は150km前後であり、中・長距離ミサイルとなれば発射直後の数分の間でない限り届かないであろう。それ以上に、日本が直接の目標となっていない限り、太平洋方面に向かっている発射実験のミサイルを撃ち落とすことは過剰防衛となろう。
 いずれにしても、落下してくる破片の場合は別として、ミサイルの弾頭部分を含む本体については、‘国民の生命と財産の防護に万全を期す’というのであれば、日本海上で落とすことが必要と言えよう。他方、領土、領空上で本体を迎撃する場合、命中しても甚大な被害があることを想定しなくてはならないであろう。
 米国防省相は、この時点で‘北朝鮮のミサイルは米国の脅威にはならない’としている。それを日本が撃ち落とす必要があるのだろうか。北朝鮮から米国の方向となる太平洋に向けて実験発射されたミサイルを日本が撃ち落とす云々の議論は、過剰な反応であり必要とは思われない。日本側が日米同盟を引き合いに出し、良く言って米国への‘忖度’なのであろうか。それともへつらいか。
 今回の北朝鮮のミサイル発射実験について、マスコミの報道や軍事評論家、コメンテータ等の‘ミサイル、日本上空を通過’との発言を耳にした多くの国民は、恐らく北朝鮮が日本に向けミサイルを発射したと受け止めたのではないだろうか。

 2、Jアラートの在り方
 訓練のため必要としても、次のような問題点があり、課題が多い。
 ・弾頭をつけていない‘発射実験’の段階と、実際の攻撃の目標となっている場合との区別を明確にすること。そのため、正確な表現での情報発表が不可欠。そうでないと、狼男になる恐れがある。
 ・アラートがかなり広範囲に出され、不必要な不安感を与える。
 ・アラートからミサイルが到達するまでの時間が4~5分前後と短く、且つ郊外や地方には‘強固な建物’が近隣にない場合が多いとの感想がほとんどだ。
 ・迎撃ミサイルPAC3については、事前の北朝鮮側の情報が‘山陰、四国の上空を超え、グアム近海に向けて’ということであったため、PAC3を沖縄のほか、島根、高知などに展開していたが、実際は‘北海道上空(大気圏外)’であったため、迎撃態勢が飛翔地域においては手薄になる結果となった。北の情報にかく乱された形となったが、実践においては更に巧妙な情報かく乱や無警告の攻撃も想定されるので、防御態勢において抜本的な課題を残したと言えよう。
北朝鮮等の攻撃は、基本的には日本海方面からと考えると、日本海側に防御網を設けて行く必要があろう。
 そのために自衛隊員と防御兵器を増やし続けることは困難なことは明らかであるので、新たに隊員数や兵器の増加を図るのではなく、隊員総数や予算の増加を最小限に留め、既存の隊員や武器の抜本的な再配転を図るのど、効率的で効果的な防衛体制を整えていくことが望まれる。増員、増額であれば誰でも出来る上、日報問題で露呈した内部統制への不信の中で、利権が更に拡大し、管理、実施能力面での問題が高まる恐れがある。従って、無制限に防衛能力を拡大することは望ましくないのではなく、節度ある予算が必要だろう。

 3、北朝鮮側に日本へ一定の考慮が (その2に掲載)

  この問題は、これまで以上に機微で厳しい警戒が必要になっているが、いたずらに脅威を強調することなく、総合的な熟慮としたたかな対応が必要になっていると言えよう。
(2017.9.10.)(Copy Rights Reserved.)
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米韓軍事同盟に日本は参加すべきではない (追補版)再掲

2023-05-18 | Weblog
 米韓軍事同盟に日本は参加すべきではない (追補版)再掲
<まえがき>岸田首相は2023年5月7日訪韓し尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。2013年以降安倍政権の下で靖国神社参拝問題、従軍慰安婦問題、戦時における韓国人徴用工問題など歴史認識問題を巡り停滞していた日・韓関係が改善されることは歓迎されるところである。
 その中で、地域情勢、特に北朝鮮問題については、『日米同盟、韓米同盟、日韓・日韓米の安全保障協力により抑止力・対処力を強化することの重要性について一致した』とされ、5月19日より開催されるG7広島サミットの際にユン大統領を招き、日韓米首脳会合を開催することとなった旨公表されている。
 核、ミサイル開発・配備を含む北朝鮮問題については、朝鮮半島情の緊張を激化すると共に、核拡散を助長するものとして強く非難されるところであるが、北朝鮮への『抑止と対処』については、次の通り米韓両国と日本とは立場を異にしていることを認識すべきであろう。
(1)朝鮮戦争は現在休戦状態にあるだけで、南北両国は敵対関係にあり、朝鮮戦争が再発する可能性がある。日本は朝鮮戦争の当事国ではなく、また日本の安全保障・防衛上このような地域紛争に関与すべきではない。従って日・韓が北朝鮮との関係においた協力して『抑止、対処』すべきものではない。
(2)米国は当初より韓国の庇護者として朝鮮戦争の当事国であり、韓国と共に休戦協定の当事国である。また米国は韓国軍隊の指揮権を有しているので、米韓は軍事的に一体となって軍事同盟を形成している。日米同盟は日本の防衛に主眼を置いたもので、基本的に米韓軍事同盟とは性格を異にすると共に、朝鮮半島における紛争当事国である米韓との安全保障上の具体的な協力や同盟関係は、朝鮮戦争を引き寄せ、飛んで火に入る虫のような結果となるので、日本の安全を著しく損なうことになる。日本側外交・防衛当局にこの認識が欠けている。
 北朝鮮を巡っては日本としては米韓両国との情報交換を越えることは望ましくない。日本海における米韓・日の海空合同軍事演習も北を挑発する防衛当局の拙速行為であり望ましくない。
(3)北朝鮮の核開発、生産・配備は核拡散をもたらし、国際的な緊張を激化すのみであり非難される。しかし核不拡散の実態は、インド、パキスタン、イスラエル及び北朝鮮が核保有しており、既に核拡散防止条約(NPT)の枠外で拡散している現実がある。またNATO諸国の内、ドイツ、ベルギー、イタリア、オランダなどが米国と核共有(核シェアリング)していることが知られており、核NPTで禁止されている「非核兵器国による核兵器の獲得又は保有」に実態上違反しているとも言える。従って国際的な核不拡散レジームは後退しているのが現実である。更に5核兵器国(国連常任理事国)はNPT上核軍縮を行う義務があるが、実行されていない。
 その上5核兵器国は核の生産・保有・使用を禁止する核兵器禁止条約にも反対している。日本もこの条約に反対しているが、岸田首相が安倍政権下の外相だった時だ。広島で開催されるG7首脳会議では、この条約を支持する非核兵器諸国にどのような『橋渡し』が出来るのだろうか。

 なお、北朝鮮による日本人拉致問題については首脳会談で言及された趣だが、日本国民の生命と財産の安全ということであれば、ソウルに本部がある国際統一家庭連合(=統一教会)の活動が多くの日本国民の財産と安寧な生活を奪っていると共に、多額の金が韓国や北朝鮮などに送金されているので、統一教会の日本での非社会的な活動の是正に言及されていないことは、この問題を黙認した形となり問題が残る。この時期にソウルで開催された統一教会合同結婚式についても、日本から600人ほど男女が参加したと言われるが、既に農村部に5千人以上の日本人が韓国農村部で生活していると言われているので、邦人保護の観点からこれらの人々の人権、人道、そして尊厳が守られているかも問題であり、韓国側の善処を求めると共に、調査することが望ましい。(2023/05/09追記)
このような動きを踏まえ、その背景として下記評論を再掲する。

 韓国の康京和(カン ギョンファ)外交部長官は2017年10月30日、議会での外交関係の国政監査において、対北朝鮮防衛強化のため配備された米国の迎撃ミサイルTHAADを巡り悪化している中国との関係について、中韓首脳会談開催への期待を表明しつつ、次の3つの立場を明らかにした。
・THAADの追加配備は行わない。
・米国のミサイル防衛(MD)システムに参加しない。
・韓日米安保協力は軍事同盟に発展しない。
 これはTHAADの配備を巡り悪化している中韓関係の‘復元’、正常化を狙った発言と見られており、‘三不’政策とも言われている。
 これに対し中国外務省は、同日午後に報道官が康長官の発言に関連して、「韓国側のこうした3つの立場を重視する」とし、韓国側がこれを実際に行動に移すことを願う旨述べた。しかし中国側が、韓国外交部長官の発言を‘約束’との表現を用いたため、韓国内でも議論となっている。
 中国側は、韓国におけるTHAAD配備と共に、米韓日の軍事同盟化を強く警戒していると見られ、中国が10月の全人代で習体制を固めて以降、日本との関係を改善する姿勢になっているのはこれを阻止するためとも思われる。
 韓国が、米韓日の軍事同盟を望んでいなければそれに参加する必要はない。日本側がそのような意向を表明したこともない。もっとも軍事同盟については、一方の同盟国への北朝鮮を含む第三国からの攻撃は日本への攻撃とみなされ、参戦しなくてはならなくなるので、日本の現行憲法ではそのような軍事同盟に参加することは困難であろう。従って韓国側から言われるまでもない。
 そもそも朝鮮戦争は1953年の休戦協定により軍事対決こそ回避されているが、米韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にあり、北の核、ミサイル開発は基本的に米韓への対抗措置として進められているものである。日本は、朝鮮戦争の当事国でもない。また第二次世界大戦後、北朝鮮とは平和条約を締結していないが、2002年9月に小泉首相(当時)と金正日総書記(当時)とで調印された日朝ピョンヤン宣言において、拉致家族問題の他、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれており、この宣言は自・公連立政権において破棄はされていない。
従って政策論としても、朝鮮半島有事の場合には米軍への必要な後方支援は行うことになろうが、日本及び日本国民の安全のためにも、米韓との軍事同盟に参加しないことが賢明な選択肢と言えよう。(2017.11.23. 2023.5.9追記)
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金融財務行政の危うい異常な同質性! <再掲>

2023-05-18 | Weblog
金融財務行政の危うい異常な同質性! <再掲>
 7月10日(2018年)、麻生金融相(財務相)は、金融庁長官として遠藤俊英監督局長(旧大蔵省出身、東大法卒)を起用する人事を発表した。同時に企画市場局長として三井 秀範検査局長(旧大蔵省出身、同法学部卒)、総合政策局長に佐々木 清隆総括審議官(旧大蔵省出身、同法学部卒)などを発表した。
 一体何、この異常な同質性は!?金融庁長官を含め主要幹部が東大法卒で、旧大蔵省出身である。
 更に更に、中央銀行の黒田総裁も同じく法学部卒だ。また財務次官として星野次彦主税局長を昇格させたが、同人も同法学部卒である。
 日本経済の根幹となる金融財政行政のトップを含む主要幹部がすべて東大という特定の大学というだけでなく、日本の財政、金融政策を担当するにも拘わらず幹部が全て法学部卒という異常な同質性となっている。
 法学部卒だからどうだということを言うつもりは更々ない。現代社会においては法律、規則は不可欠であり、国家や行政各部にもそれをチェックする法律部や法律専門家は不可欠だ。金融・財政行政においても、国会で法律、規則を作り、それの基づき監督等することが必要であるので、法律専門部局や法律専門家は必要である。
 しかし金融・財政行政を進める上で、法律以前に必要な経済、金融実態や必要と思われる政策の効果や弊害を正しく理解することが必要である。
 なんでもかんでも法律、規則を作ればそれで良いということでもない。それは諸分野で自由な活動、自由な市場を規制し、自由が失われて行き、あたかも社会主義、共産主義のような中央統制国家となり、自由な経済活動や自由市場を制限、規制するという弊害をもたらす可能性が高い。
 また法律、規則は一度作って明文化してしまうと、文言が本来の意図を離れ独り歩きすることが多い。本来の趣旨を離れ、敢えて規制や罰則を科す必要がなくても、なんと説明しようと「規則ですから」ということになる。身近な例からすると、「放置自動車(自転車)」、自動車の路上「放置」だ。
 本来、閑散とした道路や山道などに放棄する目的で「放置」されていた自動車などを取り締まるために、駐車違反とは異なる「放置」を取り締まりの対象にしたものと見られる。広辞苑にも「放置」は、「かまわずに、そのままにして置くこと」と説明されており、それが常識的な認識だろう。しかし、「放置」自動車は、駐車禁止区域かどうかなどは別として、自動車を幹線道路から入った片道2車線の閑散とした道路に止めても、「車から離れ、直ちに運転できない状態」とされ、何らかの理由で1分でも自動車を離れると、何処からともなく現れる請負業者が「放置」の通告書を車に張っていく。理由や時間を問わない。熱中症予防にコンビニで飲料水を求めていたなどと説明しても「法律です」と言われ、状態により1分でも18,000円から15,000円罰金を支払わされる。
 直ちに戻って運転して移動することが前提であり、「かまわずに、そのままにして置くこと」ではないので、非常識な法律解釈であり、常識に外れた取り締まりと見える。もっとも実際に取り締まっているのは、駐車・駐輪違反同様、警察・公安当局から委託を受けた下請け業者であり、行政下請けビジネスとなっているので、取り締まりが多ければ儲かるシステムになっているようだ。
 その後の取り締まり強化と国民の理解で「放置自動車」は現在減少しており、放置取り締まり関連法はその本来の目的を達しているの、で業者による取り締まりを廃止しても良い時期であろう。しかし警察や公安当局の予算上は委託費が毎年ついているので、行政ビジネスを維持するためには、非常識でも取り締まりを強化するということになるのだろう。法律が、国民の行動を制約した上、非常識な罰金で国民に負担を掛けるという2重の弊害を出している例だ。
 金融・財政行政の法律専門家に異常に偏った人事構成は、金融経済の実態を理解せず実態に即した柔軟な政策を見誤る弊害と法律優先の管理経済、規制経済に走る2重の弊害となることが懸念される。同時に人事面での閉鎖性が不健全な人間関係、モラルやコンプライアンスの低下を引き起こす結果となっているのだろう。(2018.7.22.)
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アベノミクスの正体は円安でしかなかった! (再掲)

2023-05-18 | Weblog
 アベノミクスの正体は円安でしかなかった! (再掲)
 英国のEU離脱の賛否を問う国民投票が、52%の多数で離脱という結果となったニュースが世界を駆け巡った途端、日本円は1ドル100円を割り込み、株価(日経平均)は暴落し1万5千円台を割り込んだ。
 アベノミクスの指標の一つになっている株価は、2016年2月12日、急速な円高を受けて大幅に下落し、1万5千円を割り込み、約1年4カ月振り(2014年10月21日以来)の低さとなった。日銀は2月16日にマイナス金利を実施したが、円高傾向に歯止めが掛からず、1ドル110円台を割り込むまで円高となっていた。そこに英国のEU離脱という事態により、更に円高となり、株価がまた2014年10月21日の水準に逆戻りした格好だ。
 アベノミクスは、‘異次元の金融緩和’で円安誘導し、輸出関連産業と観光を中心とする産業の収益改善により株価が上がり、プチバブルとなり局部的に潤ったが、円高、株安に逆戻りし、見通しも暗い。
アベノミクスは、通貨供給の大幅緩和、2%のインフレ目標によるデフレからの脱却、賃金・物価の好循環を訴えて来たが、その正体は円安、株高でしかなかったことが明らかになった。マイナス金利の実施は、通貨供給の大幅緩和、2%のインフレ目標によるデフレからの脱却、賃金・物価の好循環というアベノミクスの失敗を意味している。
米国は、昨年まで円安を容認し、アベノミクスの推移を注視して来たが、円安、株高に依存するだけで、見るべき経済・行政制度の改革は行われず、大統領選挙の年でもあり、これまでの寛容な為替政策は取り難くなっている。円は米国の監視通貨に指定されており、これまでのような円安は望めそうにない。
そうなると公共事業予算に頼りたくなる。バブル経済崩壊後、歴代内閣は公共事業予算に依存し、経済・行政改革を先送り、ひたすら世界経済の回復を待ち続けて来た。しかし、毎年7~8兆円前後の公共事業を継続してきているので、それを継続しても経済の押し上げ効果は失っている上、削減すれば経済に震えが来るようになり、公共事業がいわば麻薬化している上、国民の公的借金が1,000兆円を超える状態になっている。公共事業予算はもはや景気回復要因にはならない。公共事業を打てば打つほど、公的借金が増えるだけだ。何時かは公共事業漬けから抜け出さなければならない。
(2016.7.1.)(All Rights Reserved)
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世界の公的債務激増、世界経済への暗雲 (再掲)

2023-05-18 | Weblog
世界の公的債務激増、世界経済への暗雲 (再掲)
 世界通貨基金(IMF)の報告書によると、2020年の先進工業諸国(日米欧など27か国)の国民総生産(GDP)に対する政府の債務残高の比率が、前年よりも23.5ポイント上昇し、128.2%になるとしている。第2次世界大戦直後の1946年に記録した124.1%を上回る。
 同報告書によると、世界各国の武漢発コロナウイルス禍に対応する経済対策の総額は、少なくとも11兆ドル(約1,170兆円)に達する。財政出動(減税を含む)の対GDP比率では、米国が12.3%、次いで日本(11.3%)、ドイツ(9.4%)、豪州(8.8%)、ブラジル(6.5%)、英国(6.2%)の順となっている。
武漢型コロナウイルス禍は安全なワクチンや効果的な治療薬が実用化されるまでは継続すると見られ、米国初め多くの国が追加的経済対策を検討、実施する可能性が高いので、各国の公的債務残高は更に積み上がる可能性が高い。IMFは一方で未だ危機を脱したわけではなく財政措置は必要とし、感染拡大の収束が見通せるまでは景気下支え策が不可欠としているが、際限なく公的債務残高を増やすことは世界経済にとり危険であり、難しい舵取りが必要になっている。
 1、際限ない公的債務の積み上げは国民への負担への転嫁となり懸念大
 問題は、こうした政府支出が税収から賄われている限り問題はないが、国・
公債などによる政府の借金により捻出される場合が問題となる。
 日本の場合、公的債務総額は既に1,114兆円を超え、国民総生産の2.4年分を超える膨大な借金を抱えている。更に2020年度予算では、コロナ禍対策で2度の補正予算を組み、それだけで約25兆円規模の国債を発行し、本予算を含め何と約180兆円にも及ぶ戦後最大の国債を発行し、世界の借金大国の座を不動のものとしている。
 世論調査では、財界や自・公与党支持層を中心として、これまでの経済政策の継続を希望する向きが強いようだが、それは国民総生産の2年半分を超える政府の借金で賄われており、目先の支持は得られるだろうが、いずれ国民が税や高インフレなどにより負担を強いられるもことになる。国民はそれを十分認識する必要があろう。
 2010年1月にギリシャで従来よりの放漫財政が表面化し、債務残高も国内総生産の113%に達していることが明るみに出るなど、経済危機に陥り、EUから緊縮財政が求められた。結局、一番困るのは国民だ。武漢発のコロナの感染拡大後、既にレバノンやアルゼンチンが債務不履行に陥るなど、世界各国で財政危機に陥り始めている。財政の規律、財政の健全化に留意する必要がある。

 2、IMFが語っていない膨大な信用増発による世界インフレの危険
 更に、IMFの報告書に今回書かれていないことがある。それは中央銀行等による信用の増発だ。アベノミクスでは、中央銀行による「異次元の金融緩和」が行われ、下がり始めていた円安が更に円安となり、輸出やインバウンドの外国人観光客などで関連産業が潤い、株価も上昇し、一定の経済効果があったと言えよう。金融緩和は2008年のリーマンショック後、継続して取られてきた政策で、アベノミクスで金融が更に緩和され、7年8ヶ月に亘り一本調子で金融緩和が維持されてきた。金利もマイナス金利となったままだ。更に1月以来のコロナ禍対策の一環で金融緩和が一層強化され、もはやタガが外れ、無制限に膨大な信用供給が行われている。株価はコロナ禍以前の水準を取り戻し、一部の機関投資家や株屋、大株主などにだぶだぶと金が溜まっている。他方、実体経済は年率マイナス30%前後が予想され、財政支出と金融緩和の恩恵を受けている企業を除き、ほとんどの企業が大幅な赤字予想となっている。航空、観光、外食産業などは減収にあえいでいる。信用が増発されても金の行き場がないので株やゴールド、骨董などに流れるのも分からないではない。
そんなことが長続きする訳もないし、一部の機関投資家や株屋、大株主などにだぶだぶと金がため込まれているのも問題視されそうだ。またハイパーインフレの危険性もあり、銀行預金を含む金融資産は紙くず同然になる恐れがある。国債なども紙くず同然になろう。

 3、財政規律、金融規律の回復が不可欠
 本来であれば、安倍自・公連立政権の間に財政・金融規律を回復し、財政の健全化と金融の正常化が図られるべきであったのであろう。自・公連立政権は国会で圧倒的な多数を保ち、権力を維持してきたので、それが出来たはずだ。一般家庭でも、将来の困難に備え、貯蓄をし、節約をする。それを行っていた人はコロナ禍もなんとかしのげる。国家レベルでは全国民の生活のためであるので、財政・金融規律を回復し、財政の健全化と金融の正常化は不可欠であったのだろう。
 もっとも、国民が選んだ政権が行った政策とも言えるのだが、果たして国民に政策の意図や副作用の危険性、国民に戻ってくる負担などについて公正に伝えられていたか疑問である。
 最近のマスコミの報道や論評などはどうも政権への忖度が強く、企業利益優先で短絡的で無気力に響き、マスコミ力が低下しているように映る。知識人と言われる国・公立の教授等も所詮教職に従事する公務員であるので自然に政府寄りであり、また専門家やコメンテーターなども仕事優先で世論迎合型になるのも仕方が無いのかもしれない。情報番組にお笑い系のコメンテーターが多くなっているが、視聴率稼ぎでしかないのであろう。だが1局や2局であればまだしも、NHKを含むほとんど全局でお笑い系が登場しているので、笑えない。民間研究機関に至っては、ほとんど全てが企業利益優先で、公正な研究機関としての役割を果たしているとは思えない。従って、多くの国民は一定方向の情報や分析、政策の選択肢しか見聞きすることはない状態になっているのではないか。
 それぞれの報道機関が特定政権や政党を支持、擁護する形で報道することは企業体である以上仕方ないことであるが、論調を国民に押しつけるのではなく、対立する意見や選択肢を提示して、国民に選ばせる姿勢が欲しいものだ。それがマスコミ力というものであろう。マスコミ力の低下は、民主主義の発展を妨げる。(2020.9.10.)
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