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元号強要は国民への追加的負担ー低労働生産性の象徴的要因ー!!

2024-02-06 | Weblog
元号強要は国民への追加的負担ー低労働生産性の象徴的要因ー!!
 4月1日、政府は新元号が「令和」となる旨発表した。4月末で「平成」は終了し、5月1日に新天皇となるに伴い新元号となる。これをビジネスチャンスと捉え各種の商品やサービスが提案されており、経済効果が期待される。もっとも5月2日の早朝のスポーツニュースで、令和初のホームラン、令和初のヒット、令和初の盗塁などなど、何かにつけて´令和初’を付けて報じていたが、野球と元号は関係はないので耳障りでチャンネルを変えた。ニュースにしたいのだろうが、無節操な報道姿勢の体質は変わっていない。
 世界は急速に国際化しており、元号で物事を世界としても出来ない。外国人が何かしようとしても元号で象徴される日本のガラパゴス制度が障壁となってしまう。外国人による対日投資について特区を設けることを検討しているようだが、それは元号のような国際的に通用しない制度が日本に存在するからであることを証明しているようなものだ。だから日本人は勤勉などと言われているのに、所得は低く生産性も低くなっている。それ自体の廃止・簡素化を図るべき時期になっている。

 新元号のネーミングについての評価はいろいろあると見られるが、元号で物事が変わるものではなく、その後為政者がどのような時代にしていくかに掛かっている。
一般国民にとっては、新元号になろうとなるまいと、増え続ける規則や慣例、慣行に縛られることなく、出来るだけシンプルで、ストレスが少なく、豊かで希望の持てる社会となることを待望している。
新たな時代に取り組むためには、新元号に期待を持たせるだけでなく、「平成」がどのような時代であったかも謙虚に評価することが必要だろう。その評価無くして進歩も改革も期待できない。
 新元号への変更については、政府、政府関係機関で各種申請書、文書、許認可証等の年号が円滑に進められるよう膨大な作業が行われている。地方公共団体や民間企業、団体でも元号使用に関連し各種の対応策が行われている。
 政府は、4月1日に新元号を公表し、混乱なく改元が進むよう対応が進んでいるとしているが、元号の決定プロセスの不明瞭性と共に、改元や元号使用に伴う国民生活や経済活動に追加的な負担となり、また犯罪の種ともなっている側面を見落としてはならない。
 改元に伴いキャシュ・カードなどの交換が必要として巧みにカードを盗む‘元号詐欺’が横行している。元号が使われる限り、今後もあの手この手で‘元号詐欺’は続くことが懸念されている。
 国民生活にとっては、元号が変わること時代計算や各種の申請書、履歴書類の作成などで作業を複雑にし、追加的な負担となっている。特に超高齢化している現在、明治、大正、昭和、平成、新元号と5元号を経ることになり、何年前だったかなど分からなくなってきている。NHKなどでも、元号でニュースを伝えることが多いが、何年前だったかなどが直ちには分からない場合がある。
多くの国民にとっては複数の年号を経るので元号表記は煩雑で、そのために費やす手間暇は可なりのもので、超高齢化の時代では更に煩雑な計算が必要となる。時間の喪失感は無視できないほどで、社会的な損失も大きい。
 元号は、一般国民の生活、各種活動において使用が強制されるものではないので、国民、企業、諸団体自らが西暦年号表記の使用を促進することが望ましい。
 日本にはこの種の伝統や慣習や時代と共に旧弊が多なる上、法律、規則、更には‘通達’などで公的機関への提出文書を細部まで定めていることが多い。一方日本人は良く働き、残業も多く、夏季休暇が以上に短い上休暇も返上して働くのに、労働生産性は欧米諸国が加盟するOECD 35カ国中20位(37年連続という醜態)、先進7カ国中では40日程度は夏季休暇を取るイタリア、フランスよりも低く最下位だ。
 要するに日本人は労働時間が長いのに反して賃金、役員報酬がおしなべて低いということに尽きる。では何故そんなに労働時間が長いのか。その大きな原因の一つが、元号の換算や箸の上げ下げまで規定する規則、‘通達’ずくめの制度にある。米国はじめ多くの国が、日本は市場参入が難かしい、投資が難しい、非関税障壁があるのではないかなど、市場の開放性に疑問に思っている。確かに日本人でありながら新規に何かをしようとすると制度や申請書類などが細かく複雑で大変だ。その上元号記載となることが多い。行政書士や代行業が流行るのもうなずける。  
古い慣習や制度、規則、通達類を、例えば10年ごと、20年毎など、一定期間で廃止することを義務付けるなど、簡素化して行かないと、労働生産性も上がらないし、市場参入などへの阻害要因がアルバム式に増えることになる。
 古い制度や規則を時代の変化に伴い漸次廃止していく意識と努力が必要だ。元号はその一つで、西暦年号の使用を一般化すべきだ。少なくても、地方公共団体を含め、行政への申請書類は西暦年号記載を認めるべきであろう。
 新元号の選定についても不明朗だ。政府は‘新元号選定委員会’を設け、数名の委員を任命しているが、明治天皇時代への復古的思想の強い日本会議のメンバーである女性作家はじめ財界の長老格やなどが中心で、偏向が強く、これが日本国民を代表しているとも思えない。
 元号の使用(その場合必ず西暦年を併記)は、宮中行事の他、憲法に規定されている天皇の「国事行為」に限定すべきではないか。それ以外については、元号使用は任意とし、西暦年号を認めるべきであろう。元号は日本独自の文化であり、伝統であるので、それを保存して行くことは大切であるが、世界がグローバル化し、各種の度量衡、基準、標準などが国際基準で統一されている今日、日本だけが「元号」表記を強要することは、ジャパン・オンリーの独りよがりであり、日本を更に‘ガラパゴス化’して行く恐れがある。現在、世界の人々は、日本の文化や伝統的な技能、技術、建築、日本食などを個々の目で評価しており、ジャパン・オンリーをことさらに強要する必要はなくなって来ていると言えよう。
(2019.5.2.再改定 )
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衆議院の比例代表制、政党助成金を廃止すべし!  (その1)(再掲)

2024-02-06 | Weblog
 衆議院の比例代表制、政党助成金を廃止すべし!  (その1)(再掲)
 2013年11月9日、みんなの党の江田前幹事長他13議員が同党を離党した。離党者は同党のほぼ半数近くになるが、みんなの党側としては、江田議員については除籍を検討することとし、他の13議員については政党別の得票率で決められる比例代表制での当選であるので、議員辞職求めることにしている。
 1.衆議院における比例代表制は廃止すべし
確かに比例代表制においては、有権者は政党名を記載し、各党の得票比率に基づいて各党の比例代表の候補者リストの順位従って当選者が決まるので、離党する以上議員辞職して議席を同党に返して欲しいという主張は理解できる。しかし有権者は比例代表の候補者リストを見ながら投票する者もいるので、各候補者はその限りにおいて有権者の支持を得ているとも言える。
比例代表で当選した議員の離党については、過去に与野党ともに事例があり、その度に同様の疑問が呈されている。しかし党には罷免の権限はないので、直近の選挙で有権者が判断すべきことになるのであろう。今回の場合、党の方針が変質して来ているとして半数近くが離党しているので、双方が有権者の判断を受けることになろう。
 比例代表制については、2012年12月の衆議院選挙においても政党名を記入することとなっていたが、小政党が乱立しどの党に投票して良いか分からなかったとの声が多く聞かれた。そもそも有権者のほぼ4割近くが無党派層であるので、無党派層に政党名を記入しろと言っても無理がある。一部には多党化し有権者の受け皿が増えたとの評もあったが、実際には票は知名度の高い既成政党に流れたようだ。
 共産党や公明党のように共産主義や創価学会というイデオロギーや信仰で明確な教義を持っている政党は別として、小政党は政権の受け皿にはならならず、政権政党と連立等しない限り政策実行能力は無く、その役割が疑問視されている。政治家がお山の大将になりたいという気持ちは分からなくはないが、政策実行能力という観点からは有権者の票はほとんどムダになる可能性がある。
 比例代表議員の最大の問題は、党に依存し、党の政策や公約に拘束されるため、個性がなく魅力に欠ける上、有権者にとっては直接候補者に投票をしていないので影の薄い数合わせ的な存在になっていることだ。そのような観点からは、比例代表議員は民衆の代表とは言い難い。
 このようなことから、衆議院においては比例代表制を廃止し、有権者が直接議員を選ぶ選挙区型にすることが望ましい。なお参議院については、任期が6年で解散がないことなどから、衆議院とは異なる選挙制度とした方が良さそうだ。例えば人口の少ない県でも2議席を確保し、人口比で都道府県に議席を配分する中選挙区制にするなど、各地域で広く国民の意見を代弁出来るような見識のある議員を選ぶようにするなどにすることである。
 2.議員の個性や魅力を失わせる政党助成金も廃止すべし      (その2に掲載)
 
 (2013.4.6.)(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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危険を呼び込んだ安倍政権の安全保障姿勢 (再掲)

2024-02-06 | Weblog
  危険を呼び込んだ安倍政権の安全保障姿勢 (再掲)
 世界各地でイスラム過激派によるテロが横行し、東アジアでは北朝鮮による核、ミサイル開発が進み、南沙島の施設構築など中国の海洋進出が進んでいる中、安倍政権は新たな安保法制の下で米国との同盟関係を拡大強化し、安全保障面での積極的な姿勢を鮮明にしている。
 このような世界や地域情勢の不安定な状況については多くの日本国民も認識しており、現政権の姿勢を好ましく受け止める向きもある。
 しかし安全保障面での強硬姿勢を世界に発信すればするほど、これら諸国やグループは反発し、敵対姿勢をより鮮明にし、逆に日本に対する危険が増大する恐れも指摘されているところ、最近北朝鮮やロシアから次のような反応が示されており、歴史や情勢を見極めた熟慮ある対応が必要になっている。
1、北朝鮮による日本全域の標的化
北朝鮮が核とミサイル開発に邁進し、国連を含む国際社会からの批判が高まる中、安倍政権は、本年北朝鮮のミサイル発射が行われるたびに‘容認できない。現在は対話の時期ではなく、圧力を掛けるべき’との姿勢を声高に表明している。
 5月26、27日にイタリアで開催された主要先進国首脳会議(G-7)において北朝鮮問題が取り上げられ、同首相より同様の発言がなされたことが報道された。これを受けて、5月29日、北朝鮮外務省は声明を発し、安倍首相がサミットにおいて、‘北朝鮮に対話ではなく、圧力を掛ける時だ’として、‘安保理制裁決議の厳格な実施と新たな決議の採択を唱えた’旨非難し、また日本の官房長官他の関係閣僚が‘個別の制裁’を画策しているとした。
そして同声明の結びにおいて、‘日本の米軍基地のみが北朝鮮戦略部隊の標的であるが、もし日本が現実を正しく理解せず、米国に追従して北朝鮮に敵対するのであれば、標的は変更されるだろう’と警告した。この声明において、北朝鮮は、‘同国の核戦力の推進は、米国の核戦争に向けてエスカレートしている動きに終止符を打つための自衛の権利の行使である’とし、核開発の目的は米国への対抗のためであることを明確にする一方、‘日本は、この北朝鮮の自衛行為に脅威や挑発とのレッテルを貼っている’として非難している。
 北朝鮮の核、ミサイル開発は、歴史的に朝鮮戦争が休戦(1953年7月)となり、休戦協定の下で米・韓両国と北朝鮮の対峙関係の中で行われているもので、日本が第一義的な標的ではないし、ましてや朝鮮戦争の当事国でもない。北朝鮮側もその点は理解して対応していることは十分留意する必要があろう。
 このような中で、日本は日本海に展開された米国の原子力空母2隻(カール・ビンソン及びロナルド・レーガン)と日本の海上自衛隊の護衛艦、航空自衛隊の戦闘機による日米共同訓練が6月1日、日本海の北陸沖で実施された。
保守系紙は、防衛省の発表に基づき、これを‘北朝鮮の挑発行為をけん制’との見出しで、写真入りで報じ、TVニュースでも画像と共に報じた。
 北朝鮮の核、ミサイル開発は、日本としても見逃すことが出来ない。空と海を中心とした防衛策の強化が必要だ。他方、‘北朝鮮の挑発行為をけん制’というのは良いが、北朝鮮にとっては、北朝鮮の面前の日本海で米空母が日本と共同訓練すれば、それは‘米・日による北への挑発行動’と受け止められ、日本にもその敵意が向けられる恐れがある。ましてや、朝鮮戦争後、米・韓両国は北朝鮮と‘休戦’しているだけで軍事対立は終結していない。米国が北の核、ミサイルの開発、実用化に直面し、日本海に空母を派遣することは米国の判断であろうが、そのような歴史的、軍事的な状況を十分に認識せず、北朝鮮の面前の日本海で日本が米国の空母と共同訓練することは、災いや危険を日本に引き込む結果となる恐れがあり、見識が欠け、熟慮に欠ける行動と言えないだろうか。日米の共同訓練が必要であれば、太平洋等で行えば良く、敢えて北からの災いや危険を呼び込み、日本国民を危険に晒す必要はないであろう。朝鮮戦争再燃の場合には、日本は自国の防衛は別として、後方支援を中心に行うことが望ましい。
もっとも軍事・安保専門家や新保守グループが、脅威や危機を煽って日本の軍事強国化を図ることも考えられるが、それは日本にとって決して安全を確保する道ではないと言えないだろうか。

 2、北方領土返還は前のめりの日米同盟強化で遠のく
6月1日、ロシアのプーチン大統領は、サンクトペテルブルク市で、各国の通信社代表等と会見した際、北方領土問題について、‘これら諸島が日本の主権下になれば、米軍が展開される可能性がある。ロシアにとっては容認出来ない’と述べ、安全保障上の懸念を表明した。
同大統領は、また、ロシアが北方領土において軍備を増強していることへの質問に答え、米軍が韓国に配備したミサイル防衛システム(THAAD)など、‘同地域で起きていること’への対応とした上で、‘ロシアにとって脅威を抑えるにはこれら諸島は最適の場所’と述べたと伝えられている。
ロシアが、ウラジオストックに繋がる日本海で先に実施された米国原子力空母と日本の海自、空自との共同訓練をどのように見ていたかは想像に難くない。日米関係を強化、拡大して行くことは良いが、沖縄普天間基地の辺野古への移設が実体的に米海兵隊基地を強化、拡大する形で進められていることや軍事・防衛分野での一連の日米連携の強化を強調すればするほど、北方領土の返還は遠のくことが懸念される。

3、イスラム過激派、イスラム国の‘聖戦’のターゲットとされた日本
 安倍政権は、日米同盟の強化を図りながら、国際テロ問題を含め国際場裏での連携を保ちつつ‘積極的平和主義’を推進するとの姿勢を表明している。
その流れの中で、安倍首相は、2015年1月、エジプト等の中東諸国を訪問中であったが、最初の訪問国エジプトにおいて演説し、「人道支援、インフラ整備など非軍事の分野での支援」を新たに実施することを表明すると共に、イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、IS(イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めるためとしつつ、「人材開発、インフラ整備を含め、ISと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援」することを約束した。
 その2日後に、「イスラム国」側から首相に宛てた2人の日本人人質に対する身代金要求と殺害予告が行われ、その後2人の日本人は殺害された。
 日本が、国際テロとの戦いに各国と協力することは当然であろう。しかし“イスラム国”に対し、米、英両国を始めジョルダンなど50カ国近くの有志連合が“イスラム国”掃討のために連日のように空爆している最中に、日本が米国との同盟関係を強化し、集団的自衛権行使の実現を推進する中で、中東での反“イスラム国”諸国を支援することを表明すればどのような結果を招くかを十分認識すべきであろう。
 中東の情勢は、歴史的にキリスト教、ユダヤ教、イスラム教という3つの宗教と部族集団が絡み、そしてフランス、イギリスの植民地支配を経て今日に至っており、複雑な歴史的背景がある。古くはキリスト教諸国による十字軍とこれに対抗するイスラム教徒による聖戦(ジハード)が対立し、戦後には長期化するイスラエル、パレスチナ間の中東紛争を抱えており、これがイスラム過激派アルカイーダのテロ活動の遠因となっている。日本は、歴史的に中近東においてキリスト教とイスラム教との対立に巻き込まれたこともなく、戦火を交えたこともない。そのような歴史的な関係をも踏まえこの地域との関係を考えるべきであろう。

 現在、自民、公明連立政権が進めている安全保障政策は、日本の安全と平和のためと声高に言われているが、一定の効果はあるものの一面的であり、逆に危険を呼び込み、国民の危険を増大させる結果となっているので、歴史的な地域情勢などを総合的に考慮した姿勢が望まれる。日米関係の強化、拡大は今後とも日本外交の軸となろうが、軍事同盟化の強化、拡大を図るのであれば、核兵器大国米国の世界戦略と連携することより、危険も増大することを国民に十分説明の上進めることが望まれる。核兵器禁止条約に向けた国連決議において、日本が棄権するなら兎も角、米国の核抑止に依存しているため‘反対’票を投じたことも疑問とする向きもある。(2017.6.10.)(All Rights Reserved.)
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地方再生は保守政党には出来ない!? (再掲)

2024-02-06 | Weblog
地方再生は保守政党には出来ない!? (再掲)
 総選挙を前にして、自民党は選挙公約を公表したが、その中で‘地方創生’を一つの公約としている。
 しかし保守自民党には‘地方創生’は出来ないと見られている。事実これまで長期に亘る保守政権において地方が再生されたためしがない。逆に、若干の例外はあるが、地方に過疎村、限界集落、空き家集落が広がっている。
 多くの同党古参議員等は、地方への大型量販店、百貨店や大規模工場、企業の進出を内心嫌っている。これらの産業の進出により、労働組合が出来、野党勢力が進出し、保守地盤が侵食されることを懸念している。従って、地方の産業や市場の自由化や規制撤廃には本質的に消極的だ。
 それが保守政党、保守政党議員の本質だろう。伝統的な保守地盤を維持することが再選への道なのである。地域社会をなるべく閉鎖し、新規の参入を止める、それが保守の本質だ。その最も好例が、世襲議員だ。先祖からの地盤、看板等を受け継ぎ、それを維持し続けることが競争相手を抑え、再選を確実にすることになる。従って、言葉とは裏腹に、経済にしろ、農林業、漁業にしろ、大型の新規参入には内心消極的となっても不思議はない。
 しかしそのような閉鎖的な、保守的な姿勢が、地域の新陳代謝や活力を失わせている。新規の参入、若い世代の進出を阻み、活力が無くなった地域から、若い世代は出て行く。そして年長者だけが残って行く。それが現実に起こっている。
 現在、地方の市町村に老齢者だけが残り、多くの900前後の市町村が消えて行くことが予想されている。それは長い間政権の座についていた自民党の政策がそのような結果を招いたと言えそうだ。
 農業についても、農協の下で新規参入を拒み、同一地域のコメを一律に扱い、農家間の競争を排除する一方、コメへの需要が減少するたびに減反をさせ、減反した農家に補助金或いは所得補償を行って来た。それは生産しない者に所得を保証するということであり、そのような農業に若い働き手は必要もなく、残らない。それが農業の衰退と競争力の退化をもたらしたといえよう。来年もコメへの需要は低下すると予想されており、生産削減や減反が実施され、作物を作らないことに所得補償が行われる。自民党は農家にそれを約束して来た。しかし、それでまた農業は一層退化する。要するに、保守党の基盤に立って、農水省と農協が、税金を使って“俵”を買い上げ、議員が“票”を買っているようなものと映る。
 国民はコメを含む農産物の有り難みを知っており、このような農業政策に寛容であった。しかし働かないことに補償が与えられるような制度は持続不能であることも知っている。現状で農業は退化し、若い働き手も残る見通しもない以上、農業への参入規制を緩和し、大規模化、企業化を図るしかないのではないか。
 経済戦略特区についても、一方で全国一律に規制を維持しつつ、特定の都道府県を選択し、規制の一部解除を行うだけで、新たに地域選択という手続きを追加し、規制制度を更に複雑化させるだけだ。中央管理の複雑化、強化に繋がる。
 また自民党は、選挙公約の中で、‘地方創生’の具体的施策として、中小企業対策や人口減少対策のために‘バラ撒きにならないような’交付金や、商店街などの地域経済の活性化を図るため、‘地域商品券’の発行等を行うとしている。正にバラ撒きではないか。公明党が嘗て‘地域振興券’なるものを推奨したが、地方のシャッター街が次々と増えるのを防ぐことは出来なかったことは誰もが知っていることだ。このような中央から地域振興のための予算、税金のおこぼれを受け取っている限り、地方の自発的、自律的な振興を図れないばかりか、中央―地方の支配関係や制度を保守する結果となり、地方分権の拡大にもならないだろう。もっともそれが保守政党の狙いなのだろう。
 地方がそれに安住する限り、地方の再生はない。それは歴史が物語っている。
 (2014.12.1.)(All Rights Reserved.)
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